「この問題の本質は“パワハラ疑惑”ではない」兵庫県・斎藤元彦知事(46)スクープ記事を書いた文春記者が現地取材で感じたこと
文春オンライン / 2024年9月10日 7時0分
斎藤知事 ©︎文藝春秋
兵庫県・斎藤元彦知事(46)の“おねだり・パワハラ疑惑”などを告発する文書を作成した西播磨県民局長の男性X氏が、今年7月に姫路市内の生家で自死を遂げた問題。「週刊文春」および「 週刊文春電子版 」では、一連の問題に関わる 合計10本以上のスクープ記事 を配信してきた。
百条委員会での証人尋問を境に、新聞・テレビで報じられる機会も格段に増え、本件は連日のようにワイドショーで取り上げられている。「週刊文春」編集部のK記者は、X氏が自死した直後の今年7月から、兵庫県での現地取材を続けてきた。
この問題の本質は“パワハラ疑惑”なのか?
まさに“報道合戦”の様相を呈する中、頻繁に登場する“パワハラ疑惑”というキーワード。だが、一連の疑惑の核心部分は、果たしてそこにあると言えるのだろうか。
「パワハラという言葉は、視覚的にも短くて、わかりやすい言葉ですが、この問題が大きく取り上げられるべき理由はそこではないはずです。
斎藤知事や側近たちによる恣意的な県政が行われていたこと、議会が軽視されていたこと、公金の使い方に疑義が生じていること、告発者を保護できずに命を失わせてしまったこと。そういったことを大きく報じるべきではないでしょうか」(K記者)
もちろん、X氏による文書の中でも“おねだり・パワハラ疑惑”は告発されている。県庁職員を対象とするアンケート調査も実施され、より詳細な実態が明らかになった。
「先日、斎藤知事がゴルフクラブを“おねだり”した製造業者を取材した際に、『こうやって取材に来てくだされば、真実をお話しできるので嬉しいです』と言われたんです。裏を返せば、他のメディアは取材に来ていないということです。
職員アンケートの信憑性に関して疑問を呈したいわけではありません。ただ、その内容を報じるのであれば、せめて現地まで取材に赴き、事実関係を確認すべきだと思います」(K記者)
連日のように報道が過熱する今、報じる側の追求姿勢も問われている。
徹底取材で判明した“疑惑の核心”に迫るスクープ情報、斎藤知事の権威を笠に着た側近職員らの“許されざる行い”、一連の問題が“兵庫県だけの問題ではない”理由などについてK記者が解説した有料番組の全編は「 週刊文春電子版 」を購読すると視聴できる。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル)
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