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《死刑は微妙な見通し》ルフィ事件の実行犯たちが「詐欺ババア成敗隊」を名乗っていた呆れる理由 「ドアが完全に開いたら、いきなりボコして大丈夫です」

文春オンライン / 2024年9月14日 17時0分

《死刑は微妙な見通し》ルフィ事件の実行犯たちが「詐欺ババア成敗隊」を名乗っていた呆れる理由 「ドアが完全に開いたら、いきなりボコして大丈夫です」

熊井ひとみ被告は2浪して多摩美術大学に進学し、ミスコンのファイナリストにも選ばれた

 2023年1月に東京都狛江市在住の女性(当時90)に暴行を加えて死亡させ、高級時計などを奪ったとして強盗致死などの罪に問われていた元大学生の男(21)に対し、東京地裁立川支部は懲役23年(求刑懲役25年)を言い渡した。

 指示役が遠くフィリピンを拠点に、SNS上で少年マンガの主人公「ルフィ」などと名乗って実行役に命令していたとされる広域強盗事件。なかでもこの狛江市の事件は判明している限り唯一の死者を出した事件で、今回は実行役に対する初めての判決が下された。

「法廷に現れた被告は青白い細面に黒縁眼鏡をかけ、前髪が額を覆っていた。黒いジャケットにネクタイを締めていたものの、その辺にいる大学生のようにしか見えませんでした」(全国紙社会部記者)

老婆を縛ってバールで何回も殴った末に死亡させた

 だが、その事件は普通の大学生が起こせるような代物ではなかった。判決によれば被告を含む実行犯4人は宅配便を装って狛江市の住宅に押し入り、中にいた老婆を縛って金品のありかを聞き出そうとバールで何回も殴った末に死亡させた。

「事件発生後間もなく、警察庁の露木康浩長官は全国の幹部を集めた捜査会議で事件の首謀者の検挙に向けて大号令をかけました。広域強盗事件に警察が本腰を入れるきっかけとなった事件です」(警視庁担当記者)

 人の命が失われただけでも警察の重い腰を上げさせるに十分だが、公判では指示役や実行役の更なる非道ぶりが明らかにされた。

「ドアが完全に開いたら、いきなりボコして大丈夫です」

「グループは匿名性の高いSNS『テレグラム』を連絡手段としていましたが、実行犯が参加するグループトークのタイトルは『詐欺ババア成敗隊』『水曜日、ババア案件』。つまり実行役には、被害女性が犯罪収益を貯めていると嘘の説明がされていたのです。『木曜日、ハシゴできるかな?』というトークもあり、被告は狛江の事件翌日に足立区でも窃盗未遂を犯しています」(前出・社会部記者)

「ババア」を冠したトークでは、「キム」と名乗る指示役が「ドアが完全に開いたら、いきなりボコして大丈夫です」「落ち着いて。迅速に的確にお願いします」などと理不尽な指示を繰り返していたという。

 この「キム」は、フィリピンを拠点としていた渡邉優樹被告(40)らとみられ、今後は渡邉や今村磨(きよ)人(と)被告(40)ら幹部の公判も焦点となってくる。

 司法関係者は「被告はバールで女性を殴ったのとは別の実行犯だが、それでも懲役23年が下された。バールで殴った男はさらに重い刑が予想される。ましてや、狛江の事件を含む大量の事件を指示していた指示役については無期懲役が視野に入るが、死刑までいくかは微妙だ」と分析する。

 まれにみる凶悪犯罪の全貌が明らかになる日も近い。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年9月19日号)

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