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「2人に距離があったことは周知の事実」ヤクルトで渦巻く宮本慎也(53)待望論と、青木宣親(42)の今後「青木にコーチ就任の打診もないとすれば…」

文春オンライン / 2024年9月17日 17時10分

「2人に距離があったことは周知の事実」ヤクルトで渦巻く宮本慎也(53)待望論と、青木宣親(42)の今後「青木にコーチ就任の打診もないとすれば…」

ヤクルトの次期監督には宮本慎也氏の名前が挙がっているが… ©時事通信社

 プロ野球ヤクルトの青木宣親外野手(42)が9月13日、東京都内の球団事務所で記者会見に臨み、今季限りでの現役引退を表明した。会見に駆けつけた“愛弟子”の村上宗隆内野手(24)は涙を浮かべ、その後出場した巨人戦(神宮)でホームランを放った。

 優勝に突き進む巨人とは対照的に、最下位に沈んでいたチームはこの日、日米で一時代を築いた「ミスター・スワローズ」への惜別ムード一色に染まった。

 しかし一方、クラブハウスの一部選手は青木の引退が今オフの監督人事との関連性を囁き合い、新監督候補のカゲに戦々恐々としていたという。

 ヤクルトは既に自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が消滅し、完全消滅も時間の問題だ。高津臣吾監督(55)は今季が2年契約の2年目で、就任5年目。2021、22年と2年連続リーグ制覇を果たしたものの昨季は5位、今季も優勝争いの蚊帳の外だった。

「高津監督は薄い選手層でよく戦ってきましたが…」

 ヤクルトで5年以上務めた監督は1999~05年の若松勉監督まで遡る。それ以上となると、球団史上最長の9年間、指揮を執った野村克也監督しかいない。

 衣笠剛球団会長兼オーナー代行(75)は6月19日のヤクルト本社の株主総会後、その時5位だったチームを率いる高津監督の采配に一定の評価を与えた上で、来季契約については「まだ白紙。今(シーズンの)途中ですし、私の考えもありますが、いろいろな担当と話したりして決めていきたい」と明言を避けている。

 さる球団関係者はこう指摘する。

「高津監督は、ヤクルトではノムさん以外誰もできなかった複数回のリーグ優勝を達成し、決して選手層が厚いとは言えない中でよく戦ってきましたが、来季に向けた展望は明るいとは言えません。人心を一新し、新しい風を吹き込むしか打開策はないという考えのフロントもいます」

 球団では高津監督の続投を選択肢に残しつつ、交代なら内部昇格で池山隆寛2軍監督(58)や嶋基宏ヘッドコーチ(39)、外部招聘では古田敦也氏(59)など広く候補者が挙げていたが、有力候補は宮本慎也氏(53)だったという。

 宮本氏は現役時代に通算2133安打を放ち、遊撃と三塁でゴールデングラブ賞計10度の名内野手としてヤクルト一筋に活躍した。PL学園高(大阪)で培われた野球に取り組む厳格さを前面に出し、08年北京五輪で主将を務めるほどのキャプテンシーでチームを牽引した。

 13年に引退後、18年にはヤクルト入団時の担当スカウトでもあった恩師、小川淳司監督(現ゼネラルマネジャー=GM)の2度目の監督就任に伴い、ヘッドコーチとして古巣に復帰した。

「今のチームには慎也さんの厳しさが必要」という声もあるが

 同年は前年最下位のチームが一気に2位と躍進したものの、翌19年は最下位に逆戻り。その責任を取る形で、小川監督とともに辞任に至った。

「慎也さんがヘッドコーチに呼ばれたのは、球団としては次期監督含みでした。それが、おカネに不自由していなかったとはいえ、たった2年で去るなんて……。小川さんが『おまえは残れ』と諭していたにもかかわらず、あっさり身を引いたことには球団も選手も驚きを持って受け止めていました」(チームスタッフ)

 当時の引き際が鮮やかだったことも手伝ってか、チームが不振にあえいでいた今季途中には「宮本監督待望論」が再燃した。

「今のチームには慎也さんの厳しさが必要です。ヤクルトは良くも悪くもファミリー気質で、厳しさに欠けるところがあります。空気を引き締める役目はこれまで広岡(達朗)さんやノムさんと外部の人材に託してきた歴史がありますが、生え抜きのOBに、うってつけの人材(宮本氏)がいるのですから生かさない手はありません」(同前)

 こうした球団の動きは一部選手にも伝わり、夏場を前に話題になっていた。それが青木の引退発表につながったのではないかという見方があるのだ。

「慎也さんと青木に距離があったことは周知の事実です」

「慎也さんと青木に距離があったことは周知の事実です。2人が選手で戦っていたときに青木のプレーが怠慢だったかどうかを巡って口論になったことがあるんです。のちに青木が謝罪しましたが、溝は今でも埋まっていないようです。慎也さんと確執がある青木がユニホームを脱ぎ、コーチ就任の打診もないというのですから、慎也さんが監督として戻ってくるかもしれないと選手が身構えるのは仕方ないと思います」(同前

 宮本氏招聘の背景には、球団内の権力闘争の影も見え隠れする。

「衣笠氏は(11年6月に)社長として球団に来てから、会長の期間を加えるともう13年になります。ずっと同じ人がトップにいる弊害があちこちで出ていて、75歳とご高齢でもあります。一部フロントはGMの小川さんの力を借りて宮本を担ぎ出すことで、衣笠さんの影響力を弱めようという考えでいます」(冒頭の球団関係者)

 これまでも宮本氏がヤクルト戦の解説を任された試合では、かつて後輩だった選手たちの間に「下手なプレーはできない」と独特の緊張感が走ったという。ヘッドコーチ時代も服装や練習など規律を求める“締め付け”型の指導方法で、村上をはじめ、当時の指導を知る選手は今も残っている。

 退団から5年。ヤクルト選手は“鬼軍曹”宮本氏が監督として戻ってくるのかどうかを、固唾を飲んで見守っている。

(木嶋 昇)

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