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「おまえ最近、いろいろしゃべりすぎだぞ!」SMAP“公開謝罪番組”放送→解散後、鈴木おさむに中居正広が“放ったひと言”

文春オンライン / 2024年9月29日 11時0分

「おまえ最近、いろいろしゃべりすぎだぞ!」SMAP“公開謝罪番組”放送→解散後、鈴木おさむに中居正広が“放ったひと言”

中居正広

〈 「肝心なときに、リーダーが何やってんだよ」SMAPメンバーが現行犯逮捕され…そのとき中居正広がとった“意外な行動” 〉から続く

 2024年3月に放送作家を引退したのを機に、「小説SMAP」をうたった『 もう明日が待っている 』を刊行。SMAPの素顔を余すところなく描き出したのが鈴木おさむさんである。

 テレビの世界を離れて半年。いまこそ語れる「SMAP論」を、存分に披露していただこう。今回はSMAPのリーダー、中居正広について。あの「最後の放送」で見せた行動の意味とは。(全2回の2回目/ 前編から続く )

◆ ◆ ◆

ものごとを「俯瞰する力」

 僕は『SMAP×SMAP』に放送作家として番組開始時から関わっていましたが、木村拓哉さんとラジオをやっていたことがきっかけで入ったため、最初は中居さんのコントを書くことはありませんでした。でも、2年ほど経ったころ、SMAPのマネージャーだった飯島三智さんが、

「今度のコント、あなたに書いてほしいと中居が言ってたよ」

 そう教えてくれました。飯島さんはそのとき続けて、

「おめでとう」

 と言ってくれて、僕もすごくうれしかったのを覚えています。だって中居さんのプロデュース力は、いっしょに仕事をしているだれもがわかっています。皆が彼にすこしでも認めてもらえるよう、精進したくなります。

 中居さんの、ものごとを「俯瞰する力」はすさまじい。世の中がSMAPというグループをどう見ているか、彼には常にわかっていました。グループとメンバーへの愛が深いゆえ、実態を必死に見ようとしていたのだと思います。

「SMAPこそ、いちばんのゲストと考えて」

 2013年、『SMAP×SMAP』の番組企画として、メンバーだけで行く5人旅が実現しました。これを発案したのは中居さんでした。

 当時は『SMAP×SMAP』の裏番組に『しゃべくり007』が台頭してきたり、男性アイドルグループとして「嵐」が人気を博したりして、番組スタッフは危機感を抱いていました。

 僕ら制作陣は、もっとインパクトのあるゲストを呼ばなければ! と焦るばかりでした。それまで25年の歴史のなかで、日本のトップスターはもちろんのこと、マイケル・ジャクソンまで出演した番組ですから、数字をとるには大物ゲストが必要だという発想に凝り固まっていました。

 そのとき中居さんだけは、そうじゃないとはっきり主張します。

「SMAPこそ、いちばんのゲストだと考えてほしい」

 と、訴えました。それぞれいろんな番組をやって活躍してる5人が、週に1回だけ全員そろうのがこの番組なんだ、SMAPが5人でいることを楽しむ意識を持ってほしいというのです。

 SMAPを見てほしいとの思いが高じて、中居さんはあるとき、5人で旅に行きたいとスタッフに提案します。制作陣としては、それで本当に視聴率がとれるのかと議論しましたが、中居さんの熱意に押されて企画は実行されることに。

 結果は久々の視聴率20%超えと、大成功になりました。SMAPは全員グループ愛がたいへん強かったですが、中居さんはそれに加えて、いつもグループ全体のことを考えて動いているところにスゴみを感じます。

『SMAP×SMAP』の最終回で見せた姿

 SMAPという稀代のアイドルグループも、結成28年で解散のときを迎えることとなります。

 2016年12月26日、20年続いた彼らの看板番組『SMAP×SMAP』の最終回をもって、活動をすべて終えることになっていました。

 グループとして最後の出演、番組の終わりに彼らは1曲だけ、持ち歌を歌いました。

「世界に一つだけの花」です。

 曲の最後、サビの歌詞のあとの振り付けはいつもなら、メンバー全員で腕を大きく左右にふります。

 ですが中居さんはそこで、大きく手を開きました。そこから1本ずつ指を折りたたんでいく。そうしてグーのかたちになった手をまた勢いよく広げ、「バイバイ」でもするように左右にふりました。

 最終回だというのに、思いの丈をたっぷり述べられるわけでもない。そもそも本来なら、ライブを開いて終わらせたりしたかっただろうけれど、そうもいかなかった。

 いろんなくやしい思いがよぎるなか、彼はその場で自分にできる精一杯のことをして、どうにか気持ちをファンに伝えようとしたんじゃないでしょうか。

歌い終わったあと、目に涙が光っていた

「ちゃんとさよならをしたかった」なのか「いつかまたそろって会おう」ということなのか、表現の真意はわかりませんが、自分のできることでなんとか思いを伝えようとするのが、中居さんらしかったです。 

 さらには歌い終わったあと。深々と頭を下げたメンバーたちが顔を上げると、中居さんの目には涙が光っていました。

 タレントとしての我がことだけ考えれば、泣かないほうがイメージに合うかもしれない。絶対に涙を我慢しようと思えばそれもできただろうし、ああいう場面で泣くことをかっこ悪い、潔くないと捉える人だっているでしょう。

 でもあのとき、きっと中居さんは自分自身のことよりもグループのこと、メンバーのこと、そしてファンのことを第一に考えていたはずです。

 あの最後のシーンで中居さんの涙を見たことで、想いを昇華できた人もたくさんいるはずです。全員が悲しみをこらえて終わるのもいいんですが、リーダーがひとりすべてを背負って涙を流すことによって、「これじゃ終わるに終われない」という気持ちを抱えていた人たちも、ギリギリ心の整理がついたんじゃないでしょうか。

 中居正広という人は、そういうふるまいを、計算や判断でやっているわけじゃなく、自分の気持ちの赴くままに任せていると見受けられます。その結果導き出される行動が、どこまでもまわりの人たちに優しい。彼は根っからのリーダーなのだと思います。

「おまえ最近、いろいろしゃべりすぎだぞ!」

 僕が放送作家をやめるときも、中居正広さんの気遣いと粋なはからいを、たっぷりいただきました。

 2024年3月をもってやめると宣言したので、僕にとって3月31日が「放送作家最後の日」でした。その日、最後の100分間を生配信させていただくことになり、いろんな方々からの質問になんでも答えていくという内容で進めていました。

 途中でスタッフが、僕宛てに贈りものが届いていると言い出します。運び込まれたのは有田焼の茶碗でした。僕の家族全員分の名前が入った特注ものです。

 中居さんからの餞別でした。注文してからできるまで何ヶ月もかかるはずなので、ずいぶん前から用意してくださっていたのでしょう。こんなすてきなサプライズを用意していただいたうえに、中居さんは配信時間中に電話までしてきてくれました。

 電話に出たとたん、中居さんは僕に向かって言いました。

「おまえ最近、いろいろしゃべりすぎだぞ!」

 僕が「小説SMAP」とうたい刊行した『もう明日が待っている』を、イジっていると僕は感じました。

「小説SMAP」をメンバーが読んでどう思うか

 中居さんがイジってくれたことで、僕はすごく救われた気持ちになりました。というのもこの本は、もちろん覚悟を決めて書いたものとはいえ、メンバーが読んでどう思うかは、当然気になっていましたから。

 中居さんが実際に読んだのかどうか、怖くて聞いたことはありませんが、僕が書いたこと自体は知ってくれていて、それを承知でイジってくれたのだと思いました。あのときの中居さんは、SMAPのリーダーとして電話をしてきてくれたと、僕は勝手に解釈しています。

 放送作家最後の日のこの出来事によって、僕もまた中居さんの大いなる愛情の内側にいられたんだと確認することができましたし、作家生活に小さいけれどたしかな「。」をつけることができました。

 まわりにいるすべての人間を、取りこぼさずに救ってくれるリーダー。それが中居正広という人なのだと思います。

(山内 宏泰)

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