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山口組の元顧問弁護士(78)が弁護士資格を失ってYouTuberになった“驚きの理由”とは「暴力団に入る人の特徴は…」

文春オンライン / 2024年10月13日 6時0分

山口組の元顧問弁護士(78)が弁護士資格を失ってYouTuberになった“驚きの理由”とは「暴力団に入る人の特徴は…」

山之内幸夫氏 ©深野未季/文藝春秋

〈 女性への最大のプレゼントは「憎い人間を殺してあげること」…山口組の元顧問弁護士(78)が目撃した、4代目組長の“とんでもない口説きテクニック” 〉から続く

 長らく山口組の顧問弁護士を務めた山之内幸夫氏は、現在はユーチューバーとして活動している。山之内氏はなぜ顧問弁護士を退いた現在も発信を続けているのか。話を聞いた。(全3回の3回目/ 最初から読む )

◆◆◆

ーー山口組の顧問弁護士はいつまで担当されていたのでしょうか。

山之内 最終的には、69歳までやっていましたが、41歳だった1987年に弁護士会から、「顧問弁護士はいけない」と訓戒処分を受けたんです。それで表向きは辞めたのですが実質的には相談を受けることもありました。ただ1991年に僕が恐喝事件で逮捕され、保釈の条件が「山口組と接触しないこと」だったので、裁判の間は顧問としての活動が止まりました。6年かけて無罪を勝ち取ると、当時山口組の最高顧問だった岸本才三さんに誘われて、「元」顧問弁護士で69歳だった2015年まで続けていました。

弁護士資格を失ったきっかけは

ーーその間には、1991年に暴力団対策法ができるなど、暴力団を取り巻く環境は大きく変化してきました。

山之内 暴対法は、用心棒代の徴収などの暴力的な要求行為を防ぐ行政指導を可能にする法律です。それまで警察は「民事不介入」で暴力団のシノギに手出しができなかったのですが、それが可能になったんです。ただ私は法律を読んで「恐喝、強要で逮捕される前に中止命令が来るから、その時にやめればいいならむしろ楽かもしれない」と、組長たちに講義したこともあります。

ーー山之内さんが2015年に顧問弁護士を辞めたのは、建造物損壊教唆罪の有罪が確定して弁護士資格を失ったのがきっかけだと思いますが、どのような事件だったのでしょうか。

山之内 これは山口組とは関係ない民事事件なんです。車の修理工場をやっている人がいて、事件師に工場を封鎖されてしまって中に入れなくて困っていたので、「スレート(工場の入り口に設置してあった波状の板)を壊して入ったら」とアドバイスしました。これを依頼者が録音していて警察の耳に入ったんです。

ーー山口組の顧問弁護士だった山之内さんは警察にマークされていたということですか?

山之内 そう思います。私が1991年の恐喝事件で逮捕された時も、担当部署は警察庁長官賞を受賞しています。長官賞は簡単にもらえる賞ではなくて、それだけ「山口組の顧問弁護士」を逮捕することは警察にとって手柄なんです。

現役のヤクザから感想が来ることも?

ーー弁護士としての活動ができなくなって、YouTubeを始められたのはどんな理由があったのでしょう。

山之内 知人の記者に誘われて、2022年の6月に始めました。やりはじめてみると、山口組の側から法律や裁判がどう見えるかという話を世の中に伝えることには意義があると感じました。

ーーどんな方が視聴者なのですか?

山之内 男性の40~60代の方が多いです。暴力団の世界に関心がある一般の人が多いです。「ヤクザにならないためにはしつけ、愛情が大切なんですね」なんてコメントが来ると嬉しいですよ。あとは現役のヤクザも見ていたりするようです。

ーー現役のヤクザから感想が来ることも?

山之内 山口組を持ち上げるつもりはなく、結構、厳しいことを言っているのですが、現役の組員からの反応はあまりないですね。6代目山口組の執行部の人たちと面識があるので、「(山之内)先生に対して注文を付けてはいけない」と思われているようです。

ーーYouTubeでどのようなことを発信したいのでしょうか。

山之内 やはり、なぜ社会にこういう組織犯罪集団があるのか、ということです。暴力団は遠い存在ですが、実際に中にいる人がどんな生い立ちで何を考えているか、どうして暴力団に入ったかを知ってもらいたい。僕自身が山口組の顧問弁護士を引き受けた最大の理由もそれが知りたかったからでした。ヤクザという組織の理解が進むことは、社会にとってもプラスだと思います。

ーーなぜ人はヤクザになるのですか?

山之内 暴力団には、子供のころに愛情を与えられず、人格形成に失敗している人が多いです。そして、大事なのはしつけです。やっちゃいけないことを覚えて、社会に順応する方法を身に着ける必要がある。愛情を持たずにほったらかしたら、野生児のようになってしまうんです。

貧しい家庭の子が多いのも現実で、おカネに対する執着が強い

――小さい頃の環境が大事だと。

山之内 そう思います。あとは、対人関係がうまくいかない人も多いです。学校、職場、社会で対人関係がうまくいかなければ、仕事に就ける可能性も下がります。そして貧しい家庭の子が多いのも現実で、おカネに対する執着が強いです。

ーー山之内さん自身も経済的に苦しい時期を経験されていますが、同情のような気持ちもあるのでしょうか。

山之内 それはあるかもしれません。貧しい家庭の子供たちに対しては共感もします。ヤクザになってしまうのは悪いことだけど、小さいころに厳しい境遇に置かれたことにはどうしても同情してしまうんですよ。それで弁護士を長く続けたんでしょうね。

(尾島 正洋)

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