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【写真あり】「あまりにも奇抜すぎる髪型」のせいで当時の恋人とも破局…ブル中野を“女子レスラーとして一人前”にした伝説の髪型「半ハゲ」スタイル誕生秘話

文春オンライン / 2024年10月13日 15時30分

【写真あり】「あまりにも奇抜すぎる髪型」のせいで当時の恋人とも破局…ブル中野を“女子レスラーとして一人前”にした伝説の髪型「半ハゲ」スタイル誕生秘話

伝説の「半ハゲ」スタイルはいかにして生まれたのか?(写真:双葉社)

「ヒールをやるか、プロレスをやめるかの二択。もちろんプロレスをやめる気はなかったから、事実上、一択ですよ」

 1980年代、ダンプ松本の誘いでヒールユニット「極悪同盟」のメンバーになったブル中野さん。最初は嫌だったヒールになぜなったのか? そして彼女をレスラーとして有名にした「半ハゲ」スタイルが生まれた意外な経緯とは? 新刊『 全日本女子プロレス「極悪ヒール女王」列伝 』(双葉社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/ 後編 を読む)

◆◆◆

「選択肢がない時代でよかった」

「嫌でしたね、ヒールになるなんて。まだ16歳ぐらいだったし、かなり抵抗はありましたけど、先輩から誘われて断るわけにはいかない。当時は他に女子プロレスの団体がなかったから、この時点でヒールをやるか、プロレスをやめるかの二択。もちろんプロレスをやめる気はなかったから、事実上、一択ですよ。

 いまだったら、どうにでもなるじゃないですか、団体がいっぱいあるし。でもね、あの頃、そんな状況だったとしたら、私はきっとダメになっていたと思う。絶対に楽なほう、甘いほう、お金がいいほうに流れていって、レスラーとして結果を出せなかっただろうし、名前を残すこともできなかった。そういう意味では選択肢がない時代でよかったなって、すごく思いますね」

 とはいえ、当時のブルは嫌々ながらにヒールにさせられたわけで、まったく覚悟もできていない状態だった。

「本当にプロじゃなかったですよね。ヒールをやっているんだけど『本当は悪い人間ではないから』という気持ちがダダ漏れしていて(笑)。本当は若手なんだから、どんどん前に出ていかなくちゃいけないのに、ヒールになったことを受け入れられていないから、常に後ずさりしていた感覚。ギリギリのところで踏みとどまっていただけで前に進むどころか、前も見えていなかった」

 16歳の少女がいきなり悪役をやらされて、会場に行けばファンから石を投げつけられる日々。ダンプ松本の教えは「絶対に笑顔を見せるな、ファンと接するな、サインなんてするな、悪役に徹しろ!」。

 ヒール志願でもないのに、この教えを守らなくてはいけないのは、さすがにメンタルを鋭く削られるが、そんなブルの姿を見て、ダンプ松本が動いた。

 ブルに「お前、今日からモヒカンにしろ」と言い放つと、バリカンで髪の毛を刈った。しかも完全にモヒカンになる前に「まだ半人前だから、半分だけ刈ればいいや」と左側だけを刈って放置。その写真を全女の広報だったロッシー小川が『週刊プロレス』編集部に送ったことで、イッキにその異様な容姿が全国に広まることになった。

彼氏とも破局…ブル中野「半ハゲ」スタイル誕生秘話

 ブルがいう「半ハゲ」スタイルの誕生である。当時、こっそりと交際していた男性とも、これがきっかけで破局することになってしまった。

「これで覚悟が決まりましたね。半ハゲになって、もう戻るところはなくなってしまった。ヒールとしてプロレス界で生きていくしかない。それまでは石を投げられるのが嫌で、つらくて、バスの中に逃げ込んでいたけど、こいつら全員、私のファンにしてやるって思うようになったし、なんなら私がプロレス界を変えてやる!って考えられるようになった。

 半ハゲにしたところに、なにか文字を書こうってアイデアを出してくれたのもダンプさんなんですよ。アイデアだけじゃなく、毎日、文字を書いてくれたのもダンプさん。最初に書いてくれたのが『極悪同盟』だったかな? そのあとは『ご意見無用』とか。とにかく、その日のダンプさんの気分次第(笑)。試合前の控室で書いてくれたんですよ、マジックで、肌に直接ね」

 ダンプのパートナーを務めていたクレーン・ユウが、ダンプとの凄惨な大流血戦の末、極悪同盟を脱退してレフェリーに転向。すぐさまブルが新たな正パートナーに抜擢され、すぐにクラッシュ・ギャルズの保持するWWWA世界タッグに挑戦することになった。

「いまになって思えば、こんなチャンス、なかなかないんですけど、当時はそんな風には考えられなかった。半ハゲにされてヒールでやっていく覚悟はできたけど、いきなり第一試合からメインイベントに引っ張り上げられて、心の準備もできていなくて……結局、あの頃の私の存在ってダンプさんがつくった世界観の中にしかいなかったから、自分でどうしたらいいのかもわかっていなかったんですよね。ちゃんとした段階を踏んでメインイベンターになったわけではないから、戸惑いしかなかった。

 しかもパートナーのダンプさんも、相手になるクラッシュギャルズもJBエンジェルズもみんな先輩でしょ? そこに1人だけ放り込まれたら、もうボコボコにされるわけで。リングではクラッシュにボコボコにされて、試合が終わったらダンプさんにボコボコに殴られて(苦笑)。そんな貴重な経験をできたことはありがたいですけど、当時はそんなことを考える余裕なんてなかった」

 ポロッとこぼれた本音だが、別項のダンプのインタビュー記事にもあるとおり、極悪同盟の掟として「イジメはしない」があったはず。それなのにボコボコに殴られていたとは?

〈 ブル中野「厳しい体罰はあったけど、ダンプさんには感謝している」と語る理由 〉へ続く

(双葉社/Webオリジナル(外部転載))

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