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ブル中野「厳しい体罰はあったけど、ダンプさんには感謝している」と語る理由

文春オンライン / 2024年10月13日 15時30分

ブル中野「厳しい体罰はあったけど、ダンプさんには感謝している」と語る理由

極悪同盟時代のブル中野さん(写真:双葉社)

〈 【写真あり】「あまりにも奇抜すぎる髪型」のせいで当時の恋人とも破局…ブル中野を“女子レスラーとして一人前”にした伝説の髪型「半ハゲ」スタイル誕生秘話 〉から続く

「理不尽なイジメはなかったですよ、本当に。でも、仕事に関してミスをしたら体罰はありました。プロレスの試合でのミスって、ヘタしたら命に関わる事故になるから、厳しく怒られるのは当たり前だし、口で注意されただけではわからないでしょ?」

 極悪同盟の掟として「イジメはしない」にもかかわらず、ときには厳しい鉄拳制裁も必要だった理由とは…? 新刊『 全日本女子プロレス「極悪ヒール女王」列伝 』(双葉社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/ 最初 から読む)

◆◆◆

理不尽なイジメはなかったけれど…

「理不尽なイジメはなかったですよ、本当に。でも、仕事に関してミスをしたら体罰はありました。プロレスの試合でのミスって、ヘタしたら命に関わる事故になるから、厳しく怒られるのは当たり前だし、口で注意されただけではわからないでしょ? 私としては体罰があってよかったと思いますよ。怖かったし、常に追い詰められていたけど、だからこそ要領の悪い私でも成長することができた。

 ダンプさんも決して器用ではないし、本当に苦労してトップになった方じゃないですか? だから、厳しく教えられても説得力があるんですよね。『こんな私でもここまで来れたんだから、お前たちだって大丈夫だから!』って。あの世界観をつくり出したダンプさんは本当にすごいと思うし、もう感謝しかないです」

 こうしてダンプのパートナーに抜擢されたことで、ブル中野はヒールとして着実に成長していった。そして「個性」も自分でプロデュースしていくようになる。

「いまはコスチュームとかも自分でつくるけど、当時は普通に売っているものを買ってくるしかなかった。ヒールになってすぐ、ダンプさんに言われたのが『スタン・ハンセンが履いているやつを買ってきて、それを着ろ!』。わかります? ハンセンが入場するとき、下に履いていたやつ(チャップス)ですよ。ただ、当時はそんなもの、どこにも売っていなくて。いや、いまでもどこで売っているのかわからないですけど(笑)、結局、それはナシになりました。ダンプさんのなかでは私って、あのイメージだったんでしょうね。

 凶器にしても普通のチェーンは先輩方が使っているので『お前は自転車のチェーンでいい』と言われて。たしかに細いんだけど、実際に持ってみたら、こっちのほうが危ないんですよ。ブンブン振り回すと、殺傷能力がハンパない(笑)。

 そこで私が選んだのがヌンチャクでした。いままでの凶器って、誰でも使えるものだった。竹刀とかドラム缶とか、そのまま振り回したり、投げつければ、それで成立したけど、ヌンチャクはちゃんと練習しないと使いこなせない。誰でも簡単に使える凶器ではないものを使いたかった」

 ブルのヒールとして独自のスタイルは、こうして徐々に形成されていった。

「私がダンプさんとは違ったスタイルのヒールになることは、ダンプさんも望んでいたんじゃないのかな? ダンプさんと同じようなキャラクターの選手が横に並んでいたら、きっとダンプさんもやりにくかったと思うし」

 クラッシュ・ギャルズと極悪同盟の抗争は一大ブームを巻き起こし、ついにはニューヨークのプロレスの殿堂、マジソン・スクエア・ガーデンにもそのままの闘いが輸出された。

「たしかに日本中から憎まれましたね。ただ、いまの時代のほうがつらいんじゃないかなって。あの頃は試合会場に行けば物を投げつけられたけど、その時だけじゃないですか? いまはSNSで毎日、朝から晩まで非難されたりするわけで、そっちのほうがつらいんですよ。石を投げられたりするのは慣れるけど、インターネットで心に刺さるようなことを言われたら、ちょっとね。

 逆にあの時代ならではだったのは、当時、ブームではないですけど、まだ日本中にヤンキーがたくさんいたじゃないですか? 地方に行くほど多くて、毎日、会場でヤンキーに絡まれてました(笑)。あの人たちってケンカ慣れしているから、睨み合っただけで相手が本当に強いのかどうか見抜けるんですよ。だから、こっちも絶対に怯ひるめない。たとえ相手が10人で、こっちが私ひとりでも『やってやるよ!』って姿勢でいなくちゃいけないから大変だった。でも、ダンプさんが有名になって、世間で認められるようになったら、もう日本中のヤンキーが極悪同盟の味方になってくれた。

イジメられている女の子から届いた手紙

 ファンレターが届いても、最初の頃は中にカッターが仕込まれていたりしたんですけど、ある日、学校でイジめられている女の子から手紙が届いたんですよ。『テレビで女子プロレスを観ていたら、カッコいいクラッシュ・ギャルズをボコボコにやっつけている極悪同盟がいた。なんか、クラスでいいカッコしいのいじめっ子たちを私の代わりにやっつけてくれているみたいでスッキリしました』って。だから、ただただ憎まれていただけではなかったんですよね」

(双葉社/Webオリジナル(外部転載))

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