行為中の痛みやセックスレス、夫婦で予約する人も…女性用風俗店を利用する人の“意外なホンネ”
文春オンライン / 2024年10月13日 17時0分
※写真はイメージ ©AFLO
〈 「ちょっと…触ってもいい?」「いいよ」“女風”を利用してみえてきた、女性たちの“真の欲望”とは〈マンガ〉 〉から続く
最新話が公開されるたびに話題となる、新潮社のWEB漫画サイト「くらげバンチ」で連載中のコミックエッセイ『 真・女性に風俗って必要ですか?~女性用風俗店の裏方やったら人生いろいろ変わった件~ 』(著・ヤチナツ)。
女性用風俗店(以下、女風)の内勤スタッフの藤崎あかり(30)を主人公に、“限りなくノンフィクションに近い”と謳う本作は、何度も取材を重ねたうえで制作にあたっているという。
エピソードはすべて取材で見聞きしたもの
「作者のヤチナツさんと取材をはじめて3年ほどですが、本当にたくさんの女風の関係者に取材させてもらいました。全国に店舗を構えている大手から中~小規模のお店も回り、お店のオーナーや男性セラピスト、主人公と同じような女性の内勤のスタッフさんにもお話を伺いました。SNSのメッセージで取材依頼をして、実際にお客さんとして利用している女性を探してお話を聞くこともあります」(担当編集の新潮社・伊東さん。以下同じ)
取材を始めてから「想像以上に色々な方が利用されていると分かった」と語る伊東さん。性交痛やセックスレスに悩む女性、セラピストを部屋に閉じ込めてしまった常連客、マンネリに悩んだ夫婦、芸能人など、本作には実際にさまざまな理由から女風を利用する人々が登場する。
「女風のPR漫画にはしない」
「主人公をはじめ、登場するのはみな架空の人物ではありますが、エピソードはすべて取材で見聞きしたものです。時には『こんなの嘘でしょ』と言われることもあるのですが(笑)。たとえば恋人のことはすごく好きだけど性行為は苦痛であるとか、切実な悩みを解決するため苦肉の策として利用したという方もいました。女性用風俗の認知度は年々高まっていますが、性的欲求の解消だけが目的という人はそれほど多くないように思います。
多様なエピソードを扱う上で意識しているのは『女風のPR漫画にはしない』ということ。『素晴らしいサービスなんですよ!』『使ってみましょう』と言うつもりは全くなくて、女風のいい面も悪い面も、偏らずに描いていけたらと思っています」
「なんてパワーワード……!」と驚いたセリフ
取材をもとに描かれているというだけあって、ドキリとするようなセリフが次々と飛び出してくる。特に印象的なセリフを訊ねると……。
「2巻の中で、主人公のあかりがセラピストが施術中に反応していたことを回想し、その話を聞いたあかりの友人は思わず『勃起というチヤホヤ!』というセリフを発します。なんてパワーワード……! とネームを読んだ時に驚いたのですが(笑)。実際に取材している中で、『セラピストが反応していると嬉しい』という声がたくさんあったんです。
ステキだと思った相手が自分を魅力的だと思ってくれていて、その事実に喜びを感じる。分かりやすいサービスを受けることがすべてではなくて、心の満足感を求めている女性も多いのかなと思いました」
フラットだから読者を選ばない
意外にも、ウェブ連載の読者の4割は男性が占めているのだという。
「男性からは女性の考え方、求めていることなどが知れて『勉強になる』という声をいただきますね。作者のヤチナツさんの良さは、フラットなところ。特定の登場人物に入れ込んだり、過剰にドラマティックな演出をせずに、さらっと物語を進めていくんです。そうしたタッチが、読者を選ばないポイントなんじゃないかなと。あとは、『エロすぎないのがいい』という声も多いです。生々しい描写よりも、些細な会話のやりとりを濃密にすることで人間模様を描けたらなと思っています」
最後に、本作の見どころについてあらためて聞いた。
「お会いした人の数だけ物語があって、エピソードのストックもまだまだあります。ウェブサイト上でいただく読者コメントには『自分はこうだった』と体験談を書いてくださる方も多いのですが、本作が自分自身の性やパートナーとの関係について考えるきっかけとなればうれしいです」
*『真・女性に風俗って必要ですか?~女性用風俗店の裏方やったら人生いろいろ変わった件~』は「 くらげバンチ 」(新潮社)で連載中
(「文春オンライン」編集部)
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