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「逃げたら殺すと言われ、強盗するしかなかった」東京・埼玉で起きる“連続強盗致傷事件”の逮捕者が語った「闇バイト」募集の卑劣な手口

文春オンライン / 2024年10月11日 11時28分

「逃げたら殺すと言われ、強盗するしかなかった」東京・埼玉で起きる“連続強盗致傷事件”の逮捕者が語った「闇バイト」募集の卑劣な手口

森田梨公哉容疑者(埼玉県警提供)

 9月中旬から、さいたま市、練馬区、国分寺市、所沢市と東京都と埼玉県で4件連続で発生した強盗致傷事件。犯行の手口が似通っていることから警視庁と埼玉県警は共同捜査本部を設置、実態解明を進めている。

「犯行の共通点は未明に住宅の1階の窓ガラスを割って侵入していること。4件の事件に共通の指示役がいることも視野に関連を調べています」(全国紙社会部記者)

 埼玉県警はこのうち所沢市の事件で、これまでに佐藤聖峻(きよたか)容疑者(24)ら男3人を強盗致傷容疑などで逮捕。10月3日には犯行に関与したとして森田梨公哉(りきや)容疑者(24)を公開手配、7日に身柄を確保した。

「逃げたら殺すと言われ、強盗をせざるを得なかった」

「佐藤は逮捕後、国分寺の事件について『森田と一緒にやった』と供述。また逮捕された実行役とみられる男は、闇バイトに応募し、『指示役から逃げたら殺すと言われ、強盗をせざるを得なかった』という趣旨の供述をしている」(同前)

 小誌は今回埼玉県警が作成した「緊縛強盗致傷事件〜実行役募集から逮捕までの経緯〜」と題された資料を入手。そこには市井の人々を卑劣な「闇バイト」へ堕とす、犯行の手口が記されていた。

待機場所に行ったら「個人情報を知っている」と脅され強盗に…

〈1 SNSを利用して荷物の搬送・人を運ぶ仕事等のホワイト案件を高額報酬をちらつかせて募集(犯罪以外の仕事を装う)〉

〈2 秘匿性の高いアプリのインストール、使用を案内される〉

〈3 仕事の身分確認等と装い、本人確認として顔写真や身分証(運転免許証等)画像を送信させる〉

〈4 仕事の待機場所を指示され、同様に指示されたものと合流〉

 ここで事態は急激に「ブラック案件」に変貌する。

〈5 仕事内容が急変。強盗を指示される〉

〈6 犯行を躊躇するも、「個人情報を知っている」「どうなるか分かっているだろうな」「覚悟しろよ」等と脅され恐怖心から断れず犯行を決断〉

〈7 事件を敢行〉

〈8 報酬も受け取ることができず、早期逮捕〉

 に至るという。県警関係者が解説する。

「最初のうちはダイレクトメッセージ等でやり取りを開始。携帯電話で簡単にやり取りができてしまうため、小遣い稼ぎ感覚で募集に応じてしまう。やり取りの相手が急に変貌しても、家族等の事を考え、恐怖心から断れなかったようだ」

 別の県警関係者は「所沢の事件では実行役の男が、逃走中に指示役から『逃げてんじゃねえ』などと電話で脅され、現場に戻って逮捕された。警察は犯行の裏に反社会的組織の存在があることも視野に指示役の行方を追っている」と明かす。

 容疑者の一人は「やらなきゃよかった」と供述しているが、これほど「後悔先に立たず」という言葉がぴったりな事件はないだろう。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年10月17日号)

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