「なんと途中まで普通のプロレスを行い、時間が経過すると…」“日本で一番殺したい人間”ダンプ松本が貫いたヒール役
文春オンライン / 2024年10月13日 6時10分
ネットフリックス配信の日本発のドラマが絶好調だ。『地面師たち』、『サンクチュアリ-聖域-』などタブーに切り込む骨太な作品が大きな話題を呼んでいる。満を持して公開された『極悪女王』も、それらに連なる新たな名作だ。
80年代に長与千種とライオネス飛鳥のタッグ「クラッシュ・ギャルズ」が巻き起こした空前の女子プロレスブーム。彼女たちと抗争を繰り広げたのが当時、「日本で一番殺したい人間」とまで言われた“極悪女王”ダンプ松本だ。彼女の生い立ちから引退までを濃密な全5話で描いている。
当時の全日本女子プロレス(全女)には耳を疑う逸話が多い。例えば、「ピストル」。男子プロレスで言う「セメント」、つまりガチンコ(真剣勝負)を指す隠語だ。なんと全女では途中まで普通のプロレスを行い、ある時間が経過すると“真剣勝負の抑え込み(フォール)”で勝敗を決する試合が組まれていたという。真の実力が試され、序列が決まる虚実混沌とした世界。当然、ファンの期待やテレビ局の意向と異なる結果になることも……。それが全女のリングに独特な緊張感を生んでいた。本作では当時行われた実際の試合の“裏側”まで躊躇無く描写されている。
ダンプ松本を演じるのは、芸人ゆりやんレトリィバァ。見所はなんと言っても第3話で彼女が悪に“豹変”する姿だ。同期入門の長与や飛鳥らに先を越され、一向に芽が出ない松本。デビル雅美率いるデビル軍団に入り、ヒール(悪役)へ転向するも根が優しい性格の彼女は悪になり切れない……。だが、同期への嫉妬、先輩との軋轢、実父への憎しみがある時、沸点に達し、敵味方関係なく悪逆非道の限りを尽くす稀代のヒールに変貌する。真面目な人はこうと決めたらトコトンまでやり切る。彼女は私生活でもベビーフェイス(善玉)とは一切、口をきかない姿勢を貫いたという。虚実を越えた、熱き女たちの青春物語だ。
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『極悪女王』
https://www.netflix.com/jp/title/81351263
(佐々木 健一/週刊文春 2024年10月17日号)
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