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《訃報》「2度の子供との死別」をきっかけに寝室は別々に…黙って女遊びを続けていた大山のぶ代(90)の夫・砂川啓介が支払った「浮気の代償」とは

文春オンライン / 2024年10月11日 16時47分

《訃報》「2度の子供との死別」をきっかけに寝室は別々に…黙って女遊びを続けていた大山のぶ代(90)の夫・砂川啓介が支払った「浮気の代償」とは

パートナーに浮気された声優の大山のぶ代さん ©文藝春秋

大山のぶ代さんが9月29日、老衰のため90歳で亡くなったことがわかった。生前は、おしどり夫婦として知られた、大山さんとパートナーの砂川啓介さん(2017年逝去)。2人はどんな人生を送ったのか? 

 

砂川さんの浮気が明らかになった際のエピソードを、砂川さんの著書『 娘になった妻、のぶ代へ 』(双葉社)より、一部抜粋して紹介します。

◆◆◆

娘が亡くなって以来、寝室は別々に

 おしどり夫婦――。

 僕たちは長いこと、そう呼ばれてきた。

 確かに僕たち夫婦は仲が良い。そりゃ、他愛もないことで口論になることもあったし、世間一般の夫婦がそうであるように、些細なケンカから“離婚危機”に発展したこともあった。カミさんが、母親から受け継いだという漬物の樽を抱えて、家出したこともあったっけ……。

 でも、二人ともネチネチ引きずらない性格ということもあって、すぐに仲直りもできた。だから、真剣に離婚を考えたことは一度もない。

 二人の共著で料理本も出版しているし、夫婦でのテレビ出演や講演の依頼も数えきれないほど受けてきたので、世間が「おしどり夫婦」のイメージを抱くのも当然かもしれない。

 だが、「正真正銘のおしどり夫婦か」と問われると……頷ける自信はない。

 実は、僕たちは娘の絵梨加を亡くして以来、今日に至るまでずっと、寝室を別々にしている。そう、いわゆる“夫婦生活”がまったく存在しなかったということだ。

 お腹に宿した二つの命を失ったカミさんは、妊娠恐怖症――つまり、セックスを怖がるようになった。

 もしも、また妊娠したら……。あの地獄のような苦しみと悲しみを経験することになるかもしれない。その恐怖は、男の僕にだって痛いほど想像できる。

「他の女性と浮気してもいいのよ」

 彼女はよく、こう言ったものだ。

「他の女性と浮気してもいいのよ。私はもう、あなたの子供を産んであげられないから、他の女の人と表で遊んできてちょうだい」

 ペコはどういった気持ちで、こんなことを言ったのか……。僕の心は深く痛んだが、カミさんの申し出を受け入れて、このときから、僕ら夫婦の寝室は別々となった。

 以来40年以上、僕たち夫婦は、ずっと別の寝室で休んできた。

 当然、肌の触れ合いもない夫婦だった。

「啓介さんに隠し子がいたら? いいのよ、あたし全然気にしないから。むしろ、啓介さんの血を引いた子なら、引き取って育ててみたいもん」

 酒に酔って「啓介は、どっかに隠し子でもいるんじゃないの?」と軽口を叩く悪友の前で、カミさんがそう言い放ったことがある。

 はたして、彼女のこの言葉は本心からの言葉だったのだろうか。

 もし、「実は俺には隠し子が……」と実際に切り出したとしたら、彼女はどんな顔をしたんだろう。今となっては謎だ。

 確かに僕は自分の子供を切望していたけれど、よそで子供を作ったことは一度もない。それは、カミさんへの最大の裏切り行為のような気がしていたからだ。

 正直に告白すると、30代から40代の男盛りの頃は、僕も人並みに女性と遊んでいた。浮気相手も、一人や二人ではなかった。

 ただ、「誘惑に負けた男が、何をエラそうに」と思われるかもしれないが、浮気はしても、絶対にカミさんには悟られないよう、最大限、気を配っているつもりだった。

 だが……。

 ある日突然、浮気相手の女の子が、家に電話をかけてきたことがあった。しかも不運なことに、在宅していたカミさんが受話器を取ってしまったのだ。

「あの人は、私の旦那です。あなたにこんな電話をかけてこられても、困るんですよ。私はいつも、あの人と一緒にいますから!」

 幸か不幸か、僕はその場にいなかった。後で浮気相手の女の子に聞かされて、初めて事の次第を知ったのだ。

“僕の浮気の代償”

 青ざめると同時に、僕の頭には疑問が浮かんだ。

 なぜ、カミさんは、そのことを僕に言わなかったんだろう?

 普通ならば、すぐさま「なんなのよ! あの子は!?」「信じられない!! コソコソと外で女を作っていたなんて!」と、怒りのままに僕を責め立てるものなんじゃないだろうか。だが、もしかしたら……。

 彼女が知らないフリをしていたのは、「夫を肉体的に満足させられない」という負い目からなんだろうか。

 カミさんの心の内を想像すると、僕はやりきれない思いに襲われた。

 正面切ってなじられるよりも、沈黙されるほうがずっとしんどい。ずっと切ない。カミさんの激しい苦しみが伝わってきてしまうから……。

 それを痛いほど思い知らされたことが、“僕の浮気の代償”だったのかもしれない。

(砂川 啓介/Webオリジナル(外部転載))

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