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《THE ALFEE50周年》「最初はテレビに出ることも、僕たちは不本意で…」今明かされる名曲「メリーアン」誕生秘話

文春オンライン / 2024年10月17日 6時0分

《THE ALFEE50周年》「最初はテレビに出ることも、僕たちは不本意で…」今明かされる名曲「メリーアン」誕生秘話

デビュー50周年を迎えたTHE ALFEEの高見沢俊彦さん ©文藝春秋

デビュー50周年を迎えたTHE ALFEE。メンバーの3人が、初のヒットソング「メリーアン」にまつわる貴重なエピソードを明かした。

◆◆◆

『ザ・ベストテン』初の衛星中継でアクシデント

 ——1983年9月、『ザ・ベストテン』(TBS)で、ヒットしたばかりの「メリーアン」を披露しました。

 坂崎 『ザ・ベストテン』に初ランクインしたときが、番組初の国内衛星中継だった。

 高見沢 南紀白浜のサファリパークから中継。でも、映像と音がズレちゃった。

 桜井 現地で流した音に合わせて歌ったからズレたんだ。映像から0.6秒遅れた音に合わせている。追いかけるように自分の声が聞こえてくるんだよなあ。

 坂崎 司会の黒柳徹子さんのトークもズレていて、「あれっ? なんか変だな」と。

 高見沢 おかしいなと思ったんだよ。それで「ランキングが下がるかな」と思ったら、翌週上がるという……。ライブもレコーディングも忙しかったから「スタジオには行けない」って言ったのに、テレビの人たちは「こちらはどこでも行く」って。

 坂崎 製作費に余裕があった時代だからね。

 高見沢 それで色々な場所からの中継を経験したんだけど。たとえば「その日は新大久保でレコーディング中だからダメ」と断っても、「近くなので」と言われて、新宿の京王プラザホテルの屋上から、命綱を付けて「メリーアン」を歌ったこともあった。

 桜井 命綱まで付けるんだったら、やらなきゃいいだろうと。

 高見沢 しかもそこまでするなら、テレビ局まで行けばいいだろうと(笑)。

ファン宅をサプライズ訪問したが……

 ——『ザ・ベストテン』の中継では、サプライズで愛知県犬山市のファン宅を訪問したところ、まさかの留守。その留守宅の前で犬に吠えられながら「恋人達のペイヴメント」を歌ったという「犬山事件」(1984年)もありました。

 高見沢 その日が誕生日だというファンの家に行ったら、犬しかいない(笑)。

 桜井 しかも、電源車の電力が足らなくなって、用意していた演奏のオケのテープがかからない。電圧のことを考えないでライトをパッと……。

 高見沢 焚いちゃった。

 桜井 内緒のロケだからリハーサル無しで、本番でいきなりライトを点けたんだよ。そうしたら、電気が足りなくてテープが回らなくなった。だから、音声さんが手で回してた。それに合わせて歌ったんだから、俺ら偉いよね。

 高見沢 よく歌えたよなあ。ボヨ~ンと鳴っているオケでバラードの「恋人達のペイヴメント」。最後は、さすがに「バカやろう」って言ったもんな。犬に向かって(笑)。

 桜井 言ってた、言ってた。坂崎が「接触が悪いのかな」って、一生懸命機材を直してるところも映ったんだよな。

 坂崎 みんな必死。しかもリクエストしてくれた子はいないし。サプライズでも家族にくらいアポ取っておけよって。

 高見沢 「行きますよ」ぐらいは言えばよかったのに。すごいテレビ番組だったよね。先輩のバンドはテレビ中継を拒否していたらしいよ。「俺らも拒否していいんだよな」と思ったんだけど……。

 坂崎 断り切れなかった。

 高見沢 出演して「これで済んだな」と思ったら、一度出ると、ほかの番組も断れなくなった。

 桜井 『NHK紅白歌合戦』まで出ることになっちゃって。

 高見沢 最初はテレビに出ることも、僕たちは不本意でしたからね。

 坂崎 僕らはヒット曲なしで武道館のステージに立ったライブバンド。だから、もう、「シングルヒットはいらないかな」とか思ってた。

 高見沢 「シングルヒットなんかもうできない」と、諦めてました。

 坂崎 そもそも、ヒットした「メリーアン」は、ポニーキャニオンのディレクターがシングルに選んだ曲だったしね。

 高見沢 そう、そう。アルバム用に作った曲を、シングルとして出したんだよ。「メリーアン」の前に出した「暁のパラダイス・ロード」がヒットしなかったから、「もういいや」って思っていたんだけど。

 テレビみたいにメジャーなところじゃなくて、ライブバンドとして地道にやっていこうと思っていた。ところが「シングルヒットは狙わない」と思った途端にヒットするでしょ? 

 坂崎 これも遠回りなんですよ。

 高見沢 諦めたときにヒットする。狙っているとできない。人生ってわからない。

 桜井 お前の気持ちも分かるよ。だって、ポニーキャニオンでは3カ月に1枚ずつ出して、4枚出したわけじゃない? だから、プロモーションのために日本全国を4周も回った。当時の社長だった羽佐間重彰さんまで応援してくれて、必死に曲を書いていたのに駄目で、もういいよと諦めたら、自分たちで選ばなかったシングルが売れちゃうんだから。

 高見沢 「えー!?」という気持ちだよね。びっくりしましたよ。

 坂崎 その当時、『ザ・ベストテン』とか、『ザ・トップテン』(日本テレビ)とかに出られたのもファンのリクエストが多かったからなんです。ハガキがたくさん来るんだよ。レコード売上のランキングはもう下のほうに落ちているのに、リクエストが1位とか2位だから、ランキングのトップ10に入る。

 桜井 当時のテレビ番組のランキングは、売上だけでなくて、リクエストも加味されていたからね。芽が出ないかもしれない種を蒔いておいたら、意外に芽吹いたという。

 坂崎 まあ、回り道もいいもんじゃないですか。

(聞き手・内田正樹、構成・文藝春秋編集部)

◆THE ALFEEのメンバー3人が、高校での出会い、ブレイクまでの苦難、成し遂げてきた快挙まで語り尽くした座談会「 THE ALFEE デビュー50年の20大ニュース ノーカット2万2000字 完全版 」。全文は、「 文藝春秋 電子版 」に掲載されています。

 

座談会では、次のテーマについて語られています。

[目次]

【デビュー前(~1973)】
 1 学生運動に翻弄された高校での出会い
 2  坂崎、フォークソング同好会を創設
 3 桜井の美声デビューは村内放送だった!
 4 桜井、「古典4点事件」
【ブレイクまでの道程(1974~1982)】
 5 疑問符だらけのデビュー
 6 “大人の事情”でレコードが発売中止
 7 桜井、「角刈り事件」
 8 高見沢・坂崎、ギターをエレアコに持ち替える
 9 坂崎、『オールナイトニッポン』でレギュラーに
【ブレイク後の足跡(1983~2023)】
 10 『ザ・ベストテン』初の衛星中継でアクシデント
 11 ファン宅をサプライズ訪問したが……
 12 東京ベイエリアで10万人ライブ
 13 横浜スタジアムでライブ中止命令
 14 サイモン&ガーファンクルの“聖地”でライブ
 15 明治学院大学を“名誉”卒業
 16 「髙見澤俊彦」が作家デビュー
 17 高見沢、タマネギ事件
 18 コロナ禍で「顔を合わせない期間」最長記録
【デビュー50周年、これからの“ニュース予告”(2024~)】
 19 100回目の武道館、2025年にはライブ3000本に
 20 デビュー50周年のライブ、「青森ねぶた祭」に山車

(桜井 賢,坂崎 幸之助,高見沢 俊彦/文藝春秋 電子版オリジナル)

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