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「あたし子供産めんのかな」「結婚願望もない」→23歳で結婚&出産…仲里依紗(35)を変えた石垣島での出来事〈『おむすび』では“カリスマギャル”役〉

文春オンライン / 2024年10月18日 12時0分

「あたし子供産めんのかな」「結婚願望もない」→23歳で結婚&出産…仲里依紗(35)を変えた石垣島での出来事〈『おむすび』では“カリスマギャル”役〉

主人公の姉・歩を演じる仲里依紗。10月18日の放送回で、ついに実家に帰ってきた(NHK『おむすび』公式Xより)

 先月30日にスタートしたNHKの連続テレビ小説『おむすび』では、橋本環奈演じるヒロイン・米田結の8歳上の姉・歩を仲里依紗(なか りいさ)が演じている。歩は地元・福岡でカリスマギャルとして知られたが、結が高校に入学した2004年春の時点では東京に行ったまま音信不通だ。両親は歩にさんざん手を焼いたらしく、結も高校に入って早々、ギャルグループに誘われるはめになる。昨日(10月17日)放送の第14話では、そのグループの面々が結の家を訪ね、リスペクトする歩の部屋に入れてもらうや、まるで聖地に来たかのように興奮するさまが妙におかしかった。

平成元年生まれ、35歳の誕生日を迎えた

 歩はギャルたちのあいだでは「あゆ」と呼ばれていた。もちろん、ギャルの教祖的存在である歌手の浜崎あゆみのニックネームに引っかけたものである。演じる仲自身にとっても浜崎は憧れの存在だった。3年前の女性誌でのインタビューでは、《私の青春の半分は浜崎あゆみさんで形成されている、といっても過言ではないかも。ファンクラブも入って、ずっと追いかけていました。ショートヘアもヒョウ柄ファッションも、あゆがやれば全てかわいくなってみんな真似していた。あゆは私にとって、時代を作った女神なんです》と熱く語っている(『ViVi』2021年6月号)。

 浜崎だけでなくギャルへの憧れもいまにいたるまで強い。上記の発言は、『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ! 花の天カス学園』にギャル役で出演したときのもので、《ギャルって気持ちが無敵で、見ていて負ける気がしないじゃないですか。その強さが好きなんです》とも話していた。ちなみに実年齢でいえば、仲は『おむすび』のヒロインの結と同じ平成元年(1989年)生まれである。きょう10月18日、35歳の誕生日を迎えた。

小学校でおしゃれに目覚め、芸能界に興味はなかったが…

 長崎県東彼杵町(ひがしそのぎちょう)出身の仲は、両親がアメリカンカジュアルのセレクトショップを経営しており、自身も小学生高学年くらいからおしゃれに目覚める。小学校の卒業式にはバーバリーのスカートを穿いて出席したとか。

 芸能界に興味はなかったが、中学2年のとき、優勝するとテレビがもらえる少女コミック誌主催のモデルのオーディションがあり、ちょうど妹の部屋にテレビがなかったので、それ目当てで応募したところ、みごと賞を射止める。これをきっかけに芸能事務所のアミューズに入り、中学を卒業するとすぐ上京した。

109の店員になりたかった

 ただ、事務所からはこのとき東京へ来なくていいと言われていたらしい。それでも上京したのは、渋谷の109の店員になりたかったからだという(仲里依紗『Palette』宝島社、2018年)。その後もファッションへの夢は捨てがたく、高校卒業後は服飾学校に進もうかとも考えたが、周囲から「無理だよ」と言われ、自分のなかにも不安があって断念し、のちのち悔やむことになる。

 上京してからはローティーン向けのファッション誌『CANDy』の専属モデルを務めながら、CMやドラマに出演を始めた。高校2年生だった2006年には、アニメ映画『時をかける少女』でヒロインを演じて注目される。高校卒業後はさらに俳優の仕事が増えていった。当時から役の幅は結構広く、ドラマ『ハチワンダイバー』でミステリアスなメイド喫茶店員を演じたのと同じ2008年には、反対にメイド服を絶対拒否するパンチの効いた少女を映画『純喫茶磯辺』で演じた。ただ、駆け出しのころは「女優はこうあるべき」というイメージに悩まされ、《女優のお仕事における常識や自分の見られ方、周りの意見を気にして、やりたいことにストップをかけることも多》かったという(『non-no』2022年4月号)。

大きなエポックとなったダークヒロイン・ゼブラクイーン

 そんな時期に出演したのが、映画『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』(2010年)だった。彼女の役は、主人公のゼブラーマンと戦うダークヒロイン・ゼブラクイーン。ゼブラーマンを演じる哀川翔はアクション映画の大先輩とあって、足を引っ張ってはいけないと撮影中は必死だったという。

 ワイヤーアクションも初めて経験した。監督の三池崇史は本番当日まで何をやるのか教えてくれず、ある日現場に行ったら巨大なクレーンが置かれているので「荷物でも運ぶのかな」と思ったら、そのクレーンに吊るされるのは自分だった……ということもあったとか。

 ゼブラクイーンは人気歌手でもあり、殺陣とあわせてダンスのレッスンやボイストレーニングも受けた。歌で感情やセクシーさを表現するのが難しくて、レディー・ガガなどのミュージックビデオを観て研究した。正直、歌やダンスは苦手だったが、本番で《音楽がかかったら何かが降ってきたんです。恥ずかしいし、何やってんだろ自分?って感じだったのに、後から見たらこんなことやってたんだ!?って》思うほど役にのめり込んでいたという(『週刊プレイボーイ』2010年5月10・17日号)。

 おかげで映画公開に際しては、《スケジュールも、チャレンジしたことも過酷だったのに、一度も嫌だと思わず、撮影期間中ずっと楽しかったんです。ここまで楽しめた撮影は、もしかして初めてだったかも》と振り返った(『仲里依紗×ゼブラクイーン写真集』宝島社、2010年)。俳優の仕事を面白いと思うようになったという意味で、同作は彼女にとって大きなエポックとなる。

「壊れてしまうのではと心配したほど」役に入り込んだ

 このときには演技へのアプローチも確立しつつあった。上でも引用した写真集のインタビューでは、《役のことは常に考えてるけど、現場で衣装を着て、セットの空気に触れ、共演者の方とセリフを交わすことで、演技が生まれる、と最近、思うようになりました。あんまり作り込んだり、考えすぎたりして撮影に臨むと、不自然さが出てしまう。『時をかける少女』あたりから、その意識が強くなりましたね》と語っている。

 ここに出てくる『時をかける少女』とは、先述のアニメ版に続いてヒロインを演じた実写版(2010年)のほうである。同作の監督の谷口正晃によればこのときの仲は、《『役を生きる』ような芝居ができていました。生の感情を演技に乗せる野生の感覚があるんです》といい、中尾明慶演じる青年との別れのシーンを、あえてリハーサルせずに一発本番で撮ったところ、仲が蛇口を捻ったように涙を流すので、《あまりの役への入り込み方に、彼女が壊れてしまうのではと心配したほどです》と明かしている(『週刊文春』2023年2月23日号)。

「あたし子供産めんのかな」→石垣島の撮影で…

 現在の夫である中尾とはこれが初共演だった。ただ、すぐに結婚を意識したわけではない。翌2011年には映画『ハラがコレなんで』で初めて妊婦役に挑戦したが、公開を前に撮影中を顧みて《あたし子供産めんのかなって、今から心配になるくらい大変でしたよ。正直、役だけでもう十分かも(笑)》とぶっちゃけ、《ひとりが好きだし、結婚願望もないですね。興味の向くまま風に流されて、一生バタバタして、人生それで終わりそう》とまで語っていた(『週刊文春』2011年11月10日号)。

 しかし、このあと、ドラマ『つるかめ助産院』(2012年)で中尾と再び共演、撮影のため石垣島で3ヵ月間すごし、彼を含む共演者のみんなでしょっちゅう食事に行くうちに距離が縮まっていった。ちょうどこのとき彼女が演じたのは若い妊婦で、《産むか産まないか、命とは、みたいなのがテーマで、それもちょっとリンクしてます》と、作品の内容が中尾との関係にも影響を与えたらしい(前掲、『Palette』)。翌2013年には、妊娠がわかったことがきっかけで結婚する。

「血統書付きの“お女優”にはなりたくないんですよ(笑)」

 結婚して第一子である長男を出産したあとも、ますます演技の幅を広げていった。これ以前、『ハラがコレなんで』の公開時には《血統書付きの“お女優”にはなりたくないんですよ(笑)。型にはめられたくないですし、はまるつもりもない。私は雑種でいたいと思っています。いろいろなモノが交じっているほうが面白みがあるじゃないですか》と語っていたが(『週刊プレイボーイ』2012年5月14日号)、まさにそのとおりとなったといえる。同じインタビューでは、人生をソフトクリームにたとえながら、こんな抱負も口にしていた。

《ソフトクリームってアイスの下のほうは大きな円を描いていますが、上になるほど細くなっていきますよね。(中略)今の私はまだアイスの土台を作っているところだと思うんですけど、気がついたら溶けていたなんてことになるかもしれない。だから、カラダのメンテナンスをちゃんとして、少しでも長持ちするように踏ん張らなきゃ(笑)》

 そう誓ったとおり、子供を儲けてからも体を鍛えることに余念がない。撮影がないときは毎朝岩盤ヨガに通い、クロスフィットトレーニングを週1回、それ以外の日は自主的にジムに行き、さらには夫婦そろってパーソナルトレーニングも受けているという(『anan』2018年2月21日号)。

すっぴんで配信、赤裸々なトークを発信する理由

 他方、2020年にはYouTubeチャンネル「仲里依紗です。」を開設し、登録者数は現在までに200万人を超える。配信ではすっぴんで登場することもいとわず、息子の「トカゲくん」をはじめ家族も頻繁に登場する。トークの内容も、生理前のイライラをストレートに話したり、体重を公表したりと、芸能人にはタブーと思われるようなことにまでおよぶ。仲はその意図を、《ナチュラルな自分を出すことで、みんなと同じだってことを知ってもらいたかったから。芸能人だから特別で、自分はダメなんだと思わないでほしいんです。“みんな一緒なんだよ、安心して”って伝えたい》と説明している(『anan』2020年7月15日号)。

 他方で、俳優は演じている役のイメージで見られがちなので、本当の自分はそうではないと伝えるためにも、素顔を出しているところもあるようだ(「ORICON NEWS」2021年5月23日配信)。YouTubeばかりでなく、現在放送中のUber EatsのCMでは夫の中尾と共演している。これだけ私生活を明かすと、逆に演じる役をそちらに重ねて見られてしまったりもしそうだが、仲の演技力はその心配をあっさりはねのける。

 昨年放送された男女逆転版『大奥』では将軍・徳川綱吉を、時代劇初出演ながら堂々と演じてみせた。今年話題となったドラマ『不適切にもほどがある!』で演じたテレビ局の社員は、亡き祖父が昭和の時代からタイムスリップしてきたことからさまざまな騒動に巻き込まれつつ、自身が過去に行くことでやはりいまは亡き母と再会を果たした。いずれも現実にはありえない設定ながら、かつて『時をかける少女』の谷口監督が感服したように、彼女はまさにその役を生きるように演じており、まったく噓っぽさを感じさせない。

 近年の出演作では本来の彼女に寄せた役も目立つ。冒頭にあげた劇場版『クレヨンしんちゃん』でのギャル役もそうだし、Netflixの配信ドラマ『離婚しようよ』(2023年)では、仲演じる女優が松坂桃李演じる政治家の夫と一緒に動画サイトで生配信を行っていた。

育児にアパレル会社も…多忙でも「仕事を辞めようと思ったことはない」

 ドラマの撮影が始まると子供と満足に接することもなかなかできないという。しかし、やりたいことは絶対にあきらめないというのが彼女のモットーだ。子供のころからの夢だったファッションの仕事も、2021年にアパレル会社「RE.(アールイードット)」を家族とともに立ち上げることで実現した。ますます多忙をきわめながらも、昨年のインタビューではこんなふうに語っている。

《それでも仕事を辞めようと思ったことはありません。笑顔でいられるのは仕事があるから。私は私の人生を生き、夫も息子もそれぞれの人生を生きる。「子どもがいたからアレもコレもあきらめた」なんて言い訳、子どもに押しつけたくないんです。したいことは全部やる。だから笑っていられるんですよ。もちろん幸せは人それぞれで、私のすぐ下の妹は専業主婦ですけど、いつも笑顔で幸せそう。本人がしたいことができればいい、そういうことです》(『AERA with Kids』2023年冬号)

 もはや仲の人生は、ソフトクリームというよりは、何段も重ねられた色とりどりのアイスクリームにたとえたほうがふさわしい。だからといって他人にも自分の生き方を押しつけたりはしないところにまた、多様性が求められる現在、彼女が支持される理由がうかがえる。

『おむすび』で仲が演じる元ギャルの姉・歩は3週目の木曜の時点でまだ写真と回想シーンでしか出ていないが、おそらく妹との再会は前半の一つの山場となるのだろう。はたして歩はヒロインにどんなふうにかかわってくるのか。できることなら、物語を思い切りかき回すような活躍を期待したい。

(近藤 正高)

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