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「女性が性を語るな」過去には出自などで炎上したことも…水原希子が「どんな自分でも好きでいられる」納得の理由

文春オンライン / 2024年10月19日 6時0分

「女性が性を語るな」過去には出自などで炎上したことも…水原希子が「どんな自分でも好きでいられる」納得の理由

撮影 杉山拓也/文藝春秋

 選ばれた人間だけが延命治療を受けられる独特な世界の描写。『 徒花-ADABANA- 』で臨床心理士を演じた水原希子は、その役にどう向き合ったのか。

◆◆◆

作品参加への思い

─今作のオファーを受けてまず、どう思われましたか?

 繊細で唯一無二の世界観を生み出す、甲斐(さやか)監督作品に参加できるという喜びがとても大きかったです。もちろん、いつか共演してみたいと思っていた俳優のおひとりでもある井浦新さんとご一緒できるというのも光栄で。脚本を読む前から「このお二方がいる世界に行きたい!」と強く思い、「ぜひやらせていただきたい」とお受けしました。

役作りについて

─今回、水原さんが演じた臨床心理士のまほろは、甲斐監督が「アイデンティティの不確かさに苦しみながら、成長していく難しい役」と言及されています。役作りはどのようにされたのでしょうか。

 まずは役を理解するために、臨床心理士をご紹介いただき、実際にカウンセリングも受けてみました。ただ、今回私が演じたのは、病院に勤務している臨床心理士という設定だったので、YouTubeで見つけた病院勤務経験のある臨床心理士からもお話を聞きました。

 その方のお話で衝撃だったのは「自分の担当している患者さんが実験材料に思える瞬間があった」というお言葉。この仕事の繊細さや微妙な立ち位置、患者さんとの距離感などが見えた気がして、非常に勉強になりました。

一番難しかったシーンは?

─前半は感情を表に出さず、淡々と演じるシーンが多いものの、後半では感情が爆発するシーンも出てきます。どのシーンが一番難しかったですか?

 後半で、まほろにとって非常にショッキングな事実が明らかになるシーンの撮影時は前日からナーバスでした。

 でも井浦さんに「希子ちゃんが考えるままにやればいい」と励ましていただき、ふっと肩の力が抜けました。甲斐監督もこのシーンの撮影が終わった時に、走ってきて私を抱きしめてくださり、愛しかない現場に参加できたことに、あらためて感謝しました。

まわりからどう思われようと自分が幸せな気持ちでいることが一番強い

─「もうひとりの自分」という設定である「それ」の存在にも大きな愛を感じました。

 本作に登場する「それ」が、みな幸せそうなのは、彼らが小さな幸せを見つけるために生きているからではないかと思います。結局、誰かの身代わりであろうと、まわりからどう思われようと、自分が幸せな気持ちでいることが一番強いのではないかと思うのです。

 私はいま、瞑想にハマっているのですが、瞑想って自分の心の奥底に何があるかをみていく作業なので、自分が潜在的に何を考え、何に執着しているのかがわかってくると、それを捕まえて手放せるようになるんです。

 例えば瞑想中に、過去に失敗した記憶が何度も出てきたら、そこにトラウマがあったんだ、と素直に認めて手放せるので、生きるのがラクになります。

 私は過去に、自分の出自やアウトサイダー的な生き方で炎上したこともありますし、女性向けセルフプレジャーアイテムブランド「イロハ(iroha)」のブランドアンバサダーに就任した当時は「女性が性を語るな」と言われたりしたこともあります。でも、自分が幸せで最高の仲間と最高の仕事をしていたら、まわりに何を言われても揺るがないし、どんな自分でも好きでいられる。そういうふうに考えると、「無駄な花(徒花)」なんて本当はないのかもしれないですね。

相澤洋美=取材・文
杉山拓也=写真
池田奈穂=ヘアメイク

みずはら・きこ 1990年、アメリカ生まれ。10代前半からモデルとして活躍し、『ノルウェイの森』(10年)で映画俳優デビュー。その後、NHK大河ドラマ『八重の桜』(13年)、『失恋ショコラティエ』(14年)などテレビドラマにも出演する。『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』(15年)ではアクションにも挑戦。『あのこは貴族』(21年)で、第35回高崎映画祭にて最優秀助演俳優賞を受賞している。

INTRODUCTION
長編映画デビュー作『赤い雪 Red Snow』(19年)で国内外から高く評価された甲斐さやか監督の、5年ぶりとなる長編第2弾。タイトルの「 徒花 」は、咲いても実を結ばずに散る「無駄な花」の意味。主演の井浦新をはじめ、日本映像界に欠かせない実力派俳優陣が集結。『落下の解剖学』(23年)のロラン・セネシャルと『ドライブ・マイ・カー』(21年)の山崎梓といった世界第一線で活躍するスタッフが編集を担当した。

STORY
裕福な家庭で育った新次(井浦新)は、死の危険を伴う病に冒され、国家による“最新技術”を用いた延命手術を受けるため、病院で療養していた。治療の一環として、臨床心理士のまほろ(水原希子)とともに、過去の記憶をたどりはじめた新次。やがて選ばれた一定階級以上の人間のみに与えられる「それ」という存在に関心を持つようになる。自分とまったく同じ姿の「それ」と対面した新次は、次第に「それ」にのめりこんでいく。

STAFF & CAST
監督・脚本:甲斐さやか/出演:井浦新、水原希子、三浦透子、斉藤由貴、永瀬正敏/2024年/日本/94分/配給:NAKACHIKA PICTURES/©️2024「徒花-ADABANA-」製作委員会/DISSIDENZ

(相澤 洋美/週刊文春CINEMA)

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