「肝心なときに、リーダーが何やってんだよ」SMAPメンバーが現行犯逮捕され…そのとき中居正広がとった“意外な行動”――2024年9月の読まれた記事2位
文春オンライン / 2024年10月28日 17時0分
中居正広
2024年9月、文春オンラインで反響の大きかった記事5本を発表します。第2位はこちら!(初公開日 2024/09/29)。
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2024年3月に放送作家を引退したのを機に、「小説SMAP」をうたった『 もう明日が待っている 』を刊行。SMAPの素顔を余すところなく描き出したのが鈴木おさむさんである。
テレビの世界を離れて半年。いまこそ語れる「SMAP論」を、存分に披露していただこう。今回はSMAPのリーダー、中居正広について。(全2回の1回目/ 後編に続く )
◆ ◆ ◆
だれよりもグループのことを考えた
中居正広さんといえば、言わずと知れたSMAPのリーダー。いつも先頭に立って明るい笑顔をふりまき、グループを引っ張っていました。同時にそんな立場だからこそ、SMAPという人気グループを維持していくためにだれよりも苦しみもがいてきたのだとも思います。
SMAPは1988年に結成、1991年にCDデビューしますが、当初は鳴かず飛ばずでした。なんとか突破口を見つけようとして、テレビのバラエティー番組へと進出します。先頭に立って切り込んでいったのは、リーダーの中居さんでした。
その路線を進むうえで転機となったのは1994年のこと。中居さんと香取慎吾さんが、『笑っていいとも!』のレギュラー出演者になったときでしょう。
人気番組への抜擢ではあるのですが、これは前例のないイバラの道でした。というのも、当時はお笑いがいまよりもっと神格化されていた時代。『笑っていいとも!』というお笑いの檜舞台に、なぜアイドルなんか混ぜるんだ? という声もかなりあったのです。
従来のアイドル像を脱ぎ捨てる覚悟
中居さんも香取さんも、そういう空気を肌で感じていたのだと思います。だから決意を固め、決死の覚悟で参入する必要がありました。
それまでのアイドルといえば、お笑いをしても限界があった。大人がそれを見て笑うことはなく、結果「かわいい」ということばかり。
SMAPの面々は、それじゃ足りないと最初からわかっていた。バラエティーの世界で受け入れられるためなら従来のアイドル像なんて脱ぎ捨て、全身タイツを着るのもバカげたメイクをするのも厭わない覚悟がありました。
中居さんたちが『笑っていいとも!』に参入した時期は、番組自体も変化のタイミングにありました。そのすこし前から、1982年以来続くお化け番組もさすがに失速し、視聴率が落ちていたのです。
中居正広が出会った“ある人物”
そこでまずはプロデューサーが入れ替わる。登板したのは荒井昭博さん。SMAPがレギュラー出演していた『夢がMORI MORI』も担当していた方です。荒井さんは『笑っていいとも!』のテコ入れ策をどんどん実行します。その一つとして、SMAPのメンバーを入れようとなったのでした。
同時に、ディレクターも一気に若返りさせました。20代も混ざる若き人材に曜日ごとの担当を任せて、好きなことをやっていいと言い渡します。
新ディレクター陣は自由を得て、各々思うがままに企画をつくっていきました。当たったりハズしたりしながらも、「最近『いいとも』が変わったぞ、いろんなことをやっていて活気がある」との評判をとることには成功しました。
中居さんはそこで、片岡飛鳥ディレクターと出会います。飛鳥さんは、敬老の日の前週に会場のお客さんを高齢者だけにしたり、江頭2:50さんを番組に起用して客席へダイブさせたりと、当時から大胆かつ計算され尽くした企画を連発。のちには『めちゃ×2イケてるッ!』、通称「めちゃイケ」を立ち上げ、長寿人気番組にした方です。
バラエティー演者としての能力を開花
片岡飛鳥さんとの出会いは、中居さんにとって相当大きい刺激となりました。飛鳥さんは徹底した「理論の人」で、番組のあらゆる細部に至るまですべて明快に説明できねばならないと考えます。それまで必要に駆られてアイドルとしてバラエティーをやってきた中居さんは、飛鳥さんのもとで笑いはどうやったら起こるのか、笑いに至るフリはどうつくっていけばいいかを、学び吸収していったはずです。
そうして中居正広さんは、アイドルでありながら演出側の視点を持った、バラエティー・モンスターとして飛躍を遂げていくのです。
『笑っていいとも!』の共演者に、ナインティナインのふたりがいたのもよかった。よき友でありライバルとなる同世代の仲間を得て、中居正広さんはバラエティー演者としての能力をより開花させていきました。
もちろん資質もあったのでしょう。中居さんは僕と同い年ですが、この世代は「テレビの時代」に育っており、とんねるずなどのお笑いに皆が夢中になったものです。同時に少年隊や光GENJI、男闘呼組らの男性アイドルの活躍も目撃している。お笑いもアイドルも好きというハイブリッドな趣味嗜好が、中居さんの原点にあるのを僕は感じます。
中居さんのバラエティー開眼は、SMAPのメンバーにも好影響を与え、1996年から始まる彼らの冠番組『SMAP×SMAP』へとつながっていきます。
中居はピンチのときこそ先頭に立った
中居正広さんの成し遂げたことは、アイドルがバラエティーでも活躍するという流れをみずからつくり上げただけに留まりません。そこで獲得したプロデュース能力を、リーダーとしてSMAPというグループを引っ張っていくことにも、大いに発揮していきました。
例はいくらでも挙げられますが、メンバーの森且行さんが脱退するときの会見も、素晴らしかった。
1996年、人気絶頂のSMAPから森さんが脱退し、オートレースの世界へ飛び立つこととなりました。そのことが世間に知られるようになり、森さんの囲み会見が開かれることとなりました。
大いに注目される会見、いざ始まるぞとなったとき、会場に姿を現したのは森さんではなく、中居さんでした。第一声で、
「あいにくモリクンのスケジュールの都合がつかず、欠席となります」
と言い出し、記者たちに「おかしいでしょ」とツッコまれ笑いをとる。そう、空気を和ませ、森さんを助けようと、いっしょに会見に出て場を回すことを買って出たのです。
森さんが登場してからも、本人が答えづらいだろうなという質問に対しては、中居さんがギャグにして返していく。もちろん言わなきゃいけないことはしっかりと主張しながら。
中居さんはこのときまだ23歳です。こんなことができる23歳が、世にどれほどいるでしょうか。
メンバーの稲垣吾郎さんが逮捕されたときもそうです。
稲垣さんは2001年に渋谷の路上で、道路交通法違反と公務執行妨害での容疑で現行犯逮捕されてしまいます。
マネージャーの飯島三智さんのもと、渋谷のホテルに「対策本部」のような場所が設けられ、スタッフとメンバーがただちに招集されました。SMAPはコンサートツアーの最中で、次の公演はもちろん中止だろうと思ったのですが、会社の方針は「絶対にやる」というものでした。
「肝心なときに、リーダーが何やってんだよ」
スタッフたちの深刻な話が続くなか、メンバーがひとり、またひとりと集まってきます。木村拓哉さんが来て、香取慎吾さん、草彅剛さんと続き……。中居さんだけが、その後1時間ほど待っても姿を現さない。「肝心なときに、リーダーが何やってんだよ」という雰囲気になったとき、ひょっこり登場しました。
そうしてメモを取り出し、こう言います。
「とりあえず吾郎がいない場合の構成、考えてきたから。異論があったら何でも言って」
中居さんはその1時間あまりで、稲垣さん抜きのコンサート構成案をつくってきていたのです。グループの進むべき道を見極め、次にやるべきことを先んじて示す。これぞまさにリーダーのふるまい。間近に見ていた僕は、中居さんの言動にシビれました。
「徹底的に厳しい内容にしてほしい」
稲垣さんはしばらくの謹慎を経て、『SMAP×SMAP』で復帰します。その回は生放送となり、稲垣さんが登場する前に、まずはこれまでの経緯をVTRで見てもらう構成となりました。
そのVTRについて、中居さんがスタッフに要求をしました。徹底的に厳しい内容にしてほしい。いけないことをしたのは事実なのだから、それをちゃんと世の中に包み隠さず伝えなくちゃいけない、ニュース素材も入れ込みながら検証に堪えるものにしたいとのこと。
それで、スタッフ側がつくったVTRの構成をいったん破棄して、イチからやり直しました。放送前日には、中居さんが編集室にまで顔を出して、「この場面の映像は外さないでね」「ナレーション、こうしよう」と細部までともに確認していきました。
放送後、このVTRは非常に高く評価されました。SMAPというのは、ガチガチに守られた単なるアイドルじゃない、自分たちの言葉で語れて、しっかりとした意志を持つ、自立した大人たちの集団なんだという認識が広がりました。
反省を示す場できちんと説明責任を果たし、けじめをつけることによって、グループの価値を一段高めてしまう。どこまで狙ってやったのかはわかりませんが、中居正広さんの天才的なプロデュース力が光る結果となったのでした。
(山内 宏泰)
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