マックでもモスバーガーでもない...味部門で唯一の星5だった「月見バーガー」は?《月見メニュー21種類食べ比べ》
文春オンライン / 2024年10月29日 11時10分
©NOBU/イメージマート
〈 全8社21種類の「月見バーガー」を食べ比べ! 差が付きやすいのは卵、しかしパイナップルで勝負する“異色店”も… 〉から続く
夜長を照らす月は秋の風物詩のひとつだ。この時期、飲食店ではたまごを月に見立てる“月見メニュー”が並ぶ。そのなかで高い認知度を誇るものといえば、マクドナルドの月見バーガーシリーズだろう。
しかし、それ以外の月見メニューについて知っている人がどれだけいるだろうか。今回、月見系バーガーをはじめとした21種類の月見メニューを実食しランキング化。「もう一度食べたい月見メニュー」を決した。
前編ではKFCやロッテリア、バーガーキングの月見メニューを実食レビュー。後編ではマクドナルドやコメダ珈琲店の月見メニューを紹介する。(全2回の2回目/ 最初から読む )
◆◆◆
食べ比べの条件は、できたての商品を店内で食べることと、残さず食べること。同じ日に何個も食べると評価に影響する可能性があるので、9月中旬から1日1~2店舗を巡った。評価基準は以下の通りだ。
<評価の基準>
コスパ…満腹感と値段の兼ね合い
味…もう一度食べたい味か
ジャンク感…食べた後の罪悪感
食べやすさ…口や手を汚さずに食べられるか
メニューごとに色が違うマックの包み紙
【マクドナルド】9月4日~10月中旬予定
33年前に登場し、今や“秋の風物詩”となっているマクドナルド(以下、マック)の「月見バーガー」。開発時に「バーガーに入っていると嬉しいと感じる人気食材」を調査し、たまごが人気だと判明したのがはじまりだという。たまご不足や値上げにも負けず、今年も本物のたまごを使用している。また、包み紙をバーガーごとに変えるなど、こだわりがうかがえる(※価格は地域によって異なる)。
●月見バーガー/単品440円~
コスパ:★★
味:★★★
ジャンク感:★★★
食べやすさ:★★★★
<コメント>
定番の月見バーガーには、マック特製のトマトクリーミーソースを使用。それまでの店でたまご加工品のバーガーを食べてきたからか、マックの月見バーガーを食べた瞬間に“たまごの味”を感じた。卵加工品の是非とは関係なく、感慨深いものがあった。
◇
●チーズ月見/単品470円~
コスパ:★★
味:★★★
ジャンク感:★★★★
食べやすさ:★★★★
<コメント>
月見バーガーにチーズが加わった分、ジャンク感がアップ。これに限らず、マックの月見シリーズには野菜類が入っていないため、どれもジャンク感が感じられる。「月見バーガー」と同じく小ぶりだ。
◇
●芳醇ふわとろ月見/520円~
コスパ:★★★
味:★★★★
ジャンク感:★★★★
食べやすさ:★★★
<コメント>
今年の新作月見バーガー。バター風味の黄色いバンズは、食感がもちもち。また、ほかの月見バーガーにはない「スクランブルエッグ」が入っているのも高ポイント。
それぞれが悪目立ちすることなく、全体の味のバランスも良好だった。スクランブルエッグはバンズからこぼれやすいので食べにくいが、具材が盛りだくさんなのでコスパは良い。
◇
●月見マフィン/400円~(※朝マック限定)
コスパ:★★★
味:★★★★
ジャンク感:★★★
食べやすさ:★★★★
<コメント>
開店から午前10時30分までに提供される「朝マック」の月見メニュー。期間限定、時間限定の特別感がある月見メニューだ。イングリッシュマフィンのもちっとした食感とたまごは相性が良く、酸味の効いたトマトクリーミーソースもおいしい。イングリッシュマフィンが素朴な味なのでしつこさはなく、朝からでも食べられるメニューだった。
もちが入ったファーストキッチンのボリューム月見
【ファーストキッチン】9月5日~10月2日(※終売は店舗により異なる場合あり)
パインバーガーと並び、異質な存在感を放つファーストキッチンの丸餅入りバーガー。同店では3年前から月見の時期に丸餅を入れ始め、昨年は「みそダレソース」、今年は「てりやきしょうがソース」と、こだわりの和風ソースで勝負している。ただし、実施店舗は全国35店舗のみで、この記事が公開される頃にはすでに販売が終了している可能性が高い。レア度が高いバーガーでもある。
●月見もっちてりやきしょうがバーガー/890円
コスパ:★★★★★
味:★★★★★
ジャンク感:★★★
食べやすさ:★
<コメント>
実物は丸餅が膨らんでおり、厚みがあるので口に入るのか不安になる。さらに、少し固い餅なので噛み切るのに難儀した。だが、丸餅のおかげで“腹持ちの良さ”は、トップクラス。
特筆すべきは「てりやきソース」。公式情報では隠し味に八丁味噌を使い、しょうがの風味をプラスしたとあり、しっかりしょうがの味がついていた。後味がさわやかでおいしい。
●月見もっちてりやきしょうがチキン竜田バーガー/790円
コスパ:★★★★★
味:★★★★★
ジャンク感:★★★
食べやすさ:★
<コメント>
チキン竜田はパティよりも厚みがあり、食べやすさはあまりない。同店特製の出汁で下味を付けたチキン竜田は、丸餅に負けない存在感を放ち、衣はサクサク。
先のバーガーと同じくしょうががしっかり効いており、チキンのしつこさを和らげ、全体的に和風の味にまとまっている印象。丸餅効果による腹持ちの良さと、チキン竜田の満足感でコスパは星5つだ。
コラボ店限定、アメリカンな濃厚ソースの「月見B.B.P.バーガー」
【ウェンディーズ・ファーストキッチン】9月5日~10月2日(※終売は店舗により異なる場合あり)
アメリカ系ハンバーガー店・ウェンディーズは、2016年に前出のファーストキッチンを買収した。以来、ファーストキッチンのみの店舗は、続々と「ウェンディーズ・ファーストキッチン」というコラボ店舗に生まれ変わっている。
しかし、コラボ店を訪れても「もっちり月見バーガー」は食べられず、ウェンディーズ・ファーストキッチン限定の「月見B.B.P.バーガー」のみの提供なので注意が必要だ。
●月見B.B.P.バーガー/990円
コスパ:★★
味:★★
ジャンク感:★★★★★
食べやすさ:★★
<コメント>
本物のたまごも入っているが、アメリカ系バーガーショップの矜持なのか「ラウンド型のハッシュポテト」が月見要素を担当している。小さめのハッシュポテトが2個入っているが、食べている途中に崩れてしまうので食べにくい。
味に関してはハッシュポテトの主張が強く、そのほかの具材の良さを飲み込んでいた。野菜は入っておらず、かなり濃い目のソースなのでジャンク度は高い。ただ、値段の割に満腹度は低いので、コスパは星2つだ。
●月見B.B.P.チキンフィレバーガー/890円
コスパ:★★
味:★★
ジャンク感:★★★★★
食べやすさ:★
<コメント>
ウェンディーズオリジナルの「ホームスタイルチキン」を使用した月見B.B.P.チキンフィレバーガー。“シンプルな味わい”との情報があるように、KFCのチキンに比べると淡白だった。
そのため、やはりハッシュポテトの味がメインになっていた。また、ハッシュポテトに加えてチキンも崩れやすいので、食べにくさがアップ。
和風のバーガーはファーストキッチンに任せて、ウェンディーズ・ファーストキッチンはハイレベルなジャンクフードに徹している。そうして差別化を図っているのかも?
最大級サイズのバンズに半熟“風”たまごでフルムーン、コメダ珈琲
【コメダ珈琲店】9月4日~
コーヒーチェーン店のコメダ珈琲でも、2022年から月見系バーガーの期間限定販売を恒例化している。コメダといえば大きなパンにカツをはさんだ「カツパン」が有名だが、フルムーンバーガーのバンズもかなり大きい。
すべての月見系バーガーと比較したわけではないので断言できないが、最大級のサイズだったのはたしかだ。ちなみに、エッグオムレツには半熟“風”たまごを使用している。
●お月見フルムーンバーガー/750~820円(※地域により異なる)
コスパ:★★★★★
味:★★★
ジャンク感:★★
食べやすさ:★★
<コメント>
バンズが大きすぎて、ひと口目ではハンバーグに届かなかった。バンズの大きさに気を取られたが、挟んであるハンバーグには厚みがあり、とてもジューシー。パティを使用したバーガーに比べて食べ応えもあった。
ハンバーグに乗ったエッグオムレツの黄身ソースによって、全体の味はマイルドに。見た目に比べて味のパンチは弱いが、1つで十分満腹感が得られたのでコスパは◎。
◇
●お月見フルムーンてりやきバーガー/750~820円(※地域により異なる)
コスパ:★★★★★
味:★★★
ジャンク感:★★★
食べやすさ:★★
<コメント>
先のフルムーンバーガーと同様に、コスパは星5つ。肉汁があふれる厚いハンバーグと甘めのてりやきソースが、ジャンク感をアップさせている。
ただ、半熟風たまごのまろやかな黄身によって、てりやきソースもやさしい味に。ちなみに、どちらのバンズもふんわりと軽い食感なので、見た目ほど重たさはない。
モスは月見バーガーではなく「月見フォカッチャ」
【モスバーガー】9月11日~11月中旬
例年、バーガーではなく、フォカッチャを秋限定で販売するモスバーガー。2022年には同社のオリジナルたまご加工品・半熟風たまごを挟んだ「月見フォカッチャ」を販売したところ、当時は好評を博しすぎて食材調達が間に合わず“一時販売休止”となった。
現在は定番化され、今年も月見フォカッチャが登場。さらに今年は“裏月見”と称した「メンチカツフォカッチャ」も展開している。
●月見フォカッチャ/580円
コスパ:★★
味:★★★
ジャンク感:★★
食べやすさ:★★
<コメント>
オリジナルの半熟風たまごは、とろみは強いが味の主張は弱く、酸味が強いバーベキューソースに負けている。
また、パリッと食感が楽しめるソーセージだが、Uの字に曲がっているので食べにくさも感じた。全体的にやさしい味なので、物足りなさを感じる。
◇
●メンチカツフォカッチャ/460円
コスパ:★★★★
味:★★★★
ジャンク感:★★★
食べやすさ:★★★
<コメント>
メンチカツと千切りキャベツをはさんだシンプルなフォカッチャ。甘めで濃厚なカツソースを絡めたメンチカツは、衣がサクサクで肉汁もあふれている。
ほんのり感じるアメリカンマスタードの辛さもちょうどいい。これで400円台はかなりお得。
“もう一度食べたい月見メニュー” ベスト3を発表!
ここまで、合計21種類の月見メニューを食してきた。21種の実食をもとに、最後に“もう一度食べたい月見メニュー”を発表する。
3位 ファーストキッチン 月見もっちてりやきしょうがチキン竜田バーガー
しょうがが効いたソースと醤油を加えたバンズ、そしてサクサクのチキン竜田は、和風味のバーガーとして、ハイクオリティだった。丸餅ナシでレギュラーメニューに加えてほしいほどだ。すでに販売が終了している可能性が高いのでご注意を。
2位 モスバーガー/メンチカツフォカッチャ
バーガーではなくフォカッチャであり、たまご系の具材もない変化球な月見メニューだが、メンチカツがとてもおいしかった。素朴な味わいのフォカッチャと、ジューシーなメンチカツは相性がバツグン。
1位 マクドナルド/芳醇ふわとろ月見
30年以上ものあいだ、たまごとバーガーの可能性を追求してきただけあり、具材のバランスの良さが際立ち1位に。それぞれの個性を消さず、見事にまとめあげていた。この月見バーガーだけに挟んでいるスクランブルエッグは、食感も味も◎。販売期間中にもう一度食べにいきたい。
あくまで一般人のいち感想なので、異論反論もあるだろう。月見系バーガーの季節も終盤に近づいているが、ぜひ自分の舌で確かめてほしい。
※記事中の情報は10月25日時点のものです。販売時期などは変更になっている可能性があります
(清談社)
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