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〈教団関係者と満面の笑みも〉旧統一教会施設で撮影された自民党候補たちの“証拠写真”を公開する《2021年衆院選》

文春オンライン / 2024年10月24日 20時0分

〈教団関係者と満面の笑みも〉旧統一教会施設で撮影された自民党候補たちの“証拠写真”を公開する《2021年衆院選》

旧統一教会が自民党議員を選挙支援したことを記す内部資料

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会。以下、統一教会とする)が2021年の衆議院総選挙で、自民党議員を選挙支援したことを記す内部資料が波紋を拡げている。

 ジャーナリストの鈴木エイト氏が入手したのは、統一教会のフロント組織である世界平和連合(FWP)の中部地区常任講師のS氏が、組織内の会議のために作成した資料、『激動の2021年「政治決戦 総選挙と日本の行方」』だ。

「 文藝春秋 電子版 」が10月23日に報じた「 全公開『極秘 旧統一教会内部資料』33ページ 2021年衆院選、旧統一教会に支援された自民候補者実名リスト 」では、全33ページを公開。婦人部や青年部、壮年部までが時間制で電話掛けやビラ撒きを行う“総力戦態勢”や、愛知県から新潟県に至る「中部地区」候補者の“格付け一覧”、さらには、自民党議員と統一教会との関係を示す“決定的証拠写真”が掲載されている。

各候補者の当落予測や当選戦略まで記載

 内部資料の2頁には、「勝共推進国会議員」4名の全員当選について本部から要請があったことや、各候補者の当落予測や当選戦略までが明記されている。

「勝共推進国会議員」とされる4名のうち、愛知4区の工藤彰三氏といえば、消費者庁を担当する内閣副大臣として23年11月17日の国会で、教団の韓鶴子総裁との5回にわたる面会、21年選挙での電話作戦応援を認めるなど、教会と深い関係にある人物である。5区の神田憲次氏、3区の池田佳隆氏、12区の青山周平氏も、関連団体会合について出席・挨拶や会費支出があったことを認めている(青山氏は会費支出のみ)。「勝共推進国会議員」とは、既に関係性が構築されている議員を指す用語といえるだろう。

 3頁は、「勝利への戦略」として東海ブロック(愛知・岐阜・三重・静岡)32小選挙区の情勢を分析し、「東海32小選挙区で21勝11敗」と「比例8議席復活」のための「絶対条件」を掲げる。その上で惜敗率の低い順に静岡5区(吉川赳氏)、三重3区(石原正敬氏)、愛知2区(中川貴元氏)を挙げている。いずれも比例復活を果たした候補者で予測の正確性が窺える。

 つづく4頁には、「選挙結果」として21年衆院選での東海ブロック32小選挙区の投開票結果が記され、選挙前の予想を遥かに上回る結果が得られたことが示されている。

 9頁には、「新しくUPFに繋がった東海ブロック国会議員10人」が記されており、統一教会のフロント組織である天宙平和連合(UPF)と世界平和連合(FWP)が一体となった政界工作であることが示されている。

教団関係者と撮影した「記念写真」の数々

 資料の後半、20頁から32頁には教団関係者が各候補者と撮影した「記念写真」が掲載されている。これらは、各議員が「組織的な選挙支援」を受けていたことを示す“決定的証拠”ともいえ、「統一教会とは知らずに参加し挨拶した」「ボランティアとして信者が偶然、選対本部に紛れ込んでいた」などの常套句的な言い訳が通用しないレベルの衝撃的な内容である。 

「丹羽秀樹先生を迎えて国政報告会」は公示直前の21年10月17日に行われている。見えづらいが、写真中央奥に統一教会の21年10月のカレンダーが掲げられていることから、教会施設である可能性が高い。しかし、丹羽氏はこれまで統一教会との関連について「接点あり」としか答えず、詳細を明かしてこなかった(事務所によれば「祝電を送ったと回答」)。

 教団関係者と満面の笑みの丹羽氏だが、当選後から県連会長として教団との関係遮断を確認する「誓約書」への署名を公認候補者に求めてきた立場だ。丹羽事務所は、この会合について、「旧統一教会関連会合に出席した記録は確認できませんでした」と回答。「これまで、旧統一教会及び関連団体への選挙支援の依頼、及び組織的支援などの依頼をしたことはありません。また、ボランティアを受け入れる際、信教・思想信条の確認はおこなっておりません」と続けた。

 写真の国政報告会については、この期に及んで「統一教会のものとは知らなかった」と言うのだろうか。県連会長の認識がこの程度のものであれば、党の方針の徹底順守も甚だ疑わしい。

 愛知13区の石井拓氏も公示直前の21年10月14日に「石井拓先生衆議院選勝利決起集会」を開催している。写真は、統一教会のシンボルマークのついた演台に上がり、石井氏が壇上から出席者に挨拶している姿をとらえている。主催は「拓世会」とあることから、後援会を結成してもらっている可能性がある。統一教会は候補者の名前の1字と「世」を後援会名にするのが特徴だ。石井氏はこれまでの調査で、関連団体の会合に出席し挨拶したことを認めているが、教団主催の会合への出席や、教団による選挙支援、後援会の結成については一切言及していない。

 石井事務所に決起集会の開催趣旨や「拓世会」の結成趣旨について問い合わせたが、「旧統一教会及びその関係団体とのかかわりについては、党本部から適宜公表されているとおりです」とだけ答えた。写真を提示し詳細を問うと、「知人の呼びかけで挨拶依頼があり、選挙前に参加した。“拓世会”の名称は先方が決め、決起集会を開くとの説明ではなく、石井さんを応援したいので人を集めておきますとの説明でしたので参加しました」とし、これまでの説明と矛盾する理由については言及しなかった。

統一教会なしで選挙を戦えるのか?

 内部資料から読み取れる問題点は3つだ。第一に、自民党と統一教会との組織的な協力関係への疑い。第二に、自民党の点検調査が不十分であること。第三に、こうした組織的な選挙支援は中部地区のみならず、全国規模で行われていると推測されることである。統一教会による全国5地区の区分けのうち、残りの4地区でも、自民党議員への当選活動が同時期に日本全域で行われていたのではないだろうか。また、統一教会信者たちによる献身的かつ組織的な選挙運動が、今回の選挙では行われていないと、誰が断言できるのだろうか。

「 文藝春秋 電子版 」には、石破茂内閣の現役閣僚や副大臣、政務官と統一教会との関係を示す“決定的証拠”となる衝撃的な写真が多数掲載されている。加えて、統一教会による中部地方議員の“格付け”の詳細や「全員当選」のための具体的選挙戦略が詳述されている。

(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 電子版オリジナル)

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