海外逃亡の途中で出逢った女性に一目惚れ…脱獄した詐欺師が自分と瓜二つの男になりすます 「カッティ 刃物と水道管」を採点!
文春オンライン / 2024年11月4日 18時0分
©Lyca Productions 配給:SPACEBOX
〈あらすじ〉
コルカタの刑務所からタミル人の詐欺師で泥棒の“カッティ(刃物)”ことカディル(ヴィジャイ)が脱獄した。海外逃亡を企てるが、空港で出逢った女性アンキタ(サマンタ)に一目惚れし、出国を取りやめる。
その夜、自分と瓜二つの男・ジーヴァ(ヴィジャイ/二役)の銃撃現場に居合わせたカディルは、ジーヴァになりすまし、ジーヴァのほうを追っ手に捕まえさせる。ジーヴァは、農民から土地を不法に奪い環境を破壊する多国籍企業と戦っていた。それを知ったカディルの心に変化が起き、農民たちと共に企業のトップと対決する。
〈解説〉
南インド・タミル語映画界の人気俳優ヴィジャイが一人二役を演じた2014年製作の社会派娯楽大作が日本初公開。監督・脚本は『ダルバール 復讐人』のA・R・ムルガダース。163分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆考えは浅いがイキオイだけはある男の奮闘。笑いあり涙あり恋もありだが、さすがにモタレた。音楽の入れ方、少々くどい。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆大盛の娯楽活劇だが、土台にあるのは任侠映画。文明批判の部分がやはりもたれる。もう少しカラッと揚げてほしかった。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆インド映画ならではのダンス場面は心も弾むが、現実的な大切な問題を辛辣に抉っている。水道管で闘う発想には脱帽。
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森直人(映画評論家)
★★★☆☆おなじみの様式の中で社会闘争が沸騰する。アニルドの音楽にも心躍る2014年作品。印度映画ファンなら観ておきたい。
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洞口依子(女優)
★★★☆☆多国籍企業によって資源が搾取され水不足な農民の実生活の闘争を上手くアンサンブル。タミル語の脚本と映像に注目。
INFORMATIONアイコン
カッティ 刃物と水道管(インド)
11月1日(金)より新宿ピカデリーほか全国順次公開
https://spaceboxjapan.jp/kaththi/
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年11月7日号)
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