『イッテQ』復帰→13人組グループに電撃加入…手越祐也(36)、4年前の“衝撃発言”からみえる「独自のアイドル論」
文春オンライン / 2024年11月10日 17時0分
手越祐也 ©時事通信社
来たる11月11日、37歳の誕生日を迎える手越祐也さん。去る10月13日には、4年ぶりに『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)に登場しました。手越さん復活の報が放たれると、「今日は残業しないで帰る」「家族全員、茶の間で待機!」など、両手を広げて彼を迎える声がそこかしこから上がり、期待どおり“男祭り”をやりきってくれた姿は「やっぱ、手越じゃなきゃ」と思わざるを得ない強烈なインパクトを残しました。
同番組の世帯視聴率は13.5%(ビデオリサーチ調べ、前回から3.6ポイントアップ)、TVerの再生回数はバラエティー番組の歴代最高となる421万回を記録しました。
この衝撃が冷めやらぬ10月25日、手越さんがYOSHIKIさんプロデュースによる13人組ボーイズグループ「XY」に電撃加入することが明らかとなり、ファンは騒然となりました。
手越さんの決意を睨みつつ、もはや避けては通れぬアイドルの“ステップファミリー化”について考えたいと思います。
ジャニーズ退所後に記していた、グループに対する“独自の考え方”
さかのぼること4年前、手越さんがNEWSを脱退し、ジャニーズ事務所(当時。現STARTO ENTERTAINMENT)を退所した直後に記したフォトエッセイ『AVALANCHE~雪崩~』(双葉社)を改めてひもとくと、すでにグループの再構成について独自の考え方をもっていたことがわかります。
そのひとつが「NEWSとKAT-TUNの合体プロジェクト」です。
〈「もし自由にプロデュースできると構想をめぐらせたなら、NEWSとKAT-TUNを合体させて6人グループにしてみたいという合体プロジェクト構想があります。二つのグループを合体させるのはもちろん簡単ではありませんが、僕はそれが一番いい選択ではないかと思うときがあります。(中略)
NEWSとKAT-TUN、両方の曲を歌えるようになるわけですから、むちゃくちゃワクワクする、面白いライブが開催されるのではないでしょうか。言うなれば年末のジャニーズ事務所カウントダウンライブと同じことが起きるわけです。二つのグループがごちゃ混ぜになって、お互いの過去の曲をシャッフルして歌いまくる、想像しただけで興奮してきます」(『AVALANCHE~雪崩~』より)〉
「たとえ批判を招いても」元メンバーとしての思い
KAT-TUNは当初の6人から3人へ、NEWSは9人から3人へとメンバー構成の変化を経験しています。この2グループが合体して6人になればバランスの取れた陣容となり、ひいては「デビュー当時のようにCMのオファーや雑誌の取材が殺到し、新しい冠番組も決まるのではないか」というのが手越さんの見立てでした。
無論、メンバーは適当に組み合わせればいい“モノ”ではありません。ともに歩んできた歴史も愛しているファンにとっては、気持ちを逆なでされる提案だろうと思います。同じことを両グループをろくに知らない人が口にしたなら、たちまち非難を浴びるでしょう。
しかしながら、手越さんはNEWSの元メンバーです。内側から見て「たとえ批判を招いても、結果としてグループの幸せにつながることならビビらない」という思いに立った構想だったのかもしれません。
奇しくも現在、timeleszが追加メンバーのオーディションを行っています。timeleszもまた、5人だったSexy Zone時代から3人体制となりました。
メンバーの追加を決めた経緯について菊池風磨さん(29)は、「グループのかたちが変わるこの機会に、ファンのみなさんとこれまで以上の景色を一緒に見たいとの思いから今回の決断に至った」と語っています。
さらに「僕の中でのロジックで言うと、文化とかそういうものは大事に継承していきながら、自分たちができる挑戦とか壊せるものっていうのはどんどん壊したほうがいいと思っていて。そのひとつが今回のオーディションです」とも述べていました。
変化を恐れていては到達できない高みを目指す姿勢は、手越さん、菊池さん双方に共通しています。
ステップファミリー型のグループ
timeleszが新メンバーを迎え、手越さんがXYに加入すれば、ともにステップファミリー型のグループとなります。
ステップファミリーとは、「新しい環境へ踏み出すために“子連れ再婚”をした家族。もしくは親の新しいパートナーと過ごす子どものいる家族のこと」を指します。
それまでにグループで築いてきた歴史やファンといった“子ども”を持ちつつ、新たな家族を迎えて“その先”を歩まんとするスタイルは、グループの息が長くなるほど増えるかもしれません。
過去はA.B.C-ZやSnow Manのメンバー増員も
デビューを視野に入れてメンバーが増員されたケースは過去にもあり、橋本良亮さんが入って4人から5人になったA.B.C-Z(デビュー前はA.B.C.名義の4人組。橋本さんの加入で5人になり、現在は河合郁人さんが脱退して4人)や、向井康二さん、目黒蓮さん、ラウールさんが加入して6人から9人になったSnow Manもステップファミリー型に分類できます。
ただ、新加入したメンバーたちは元から同事務所の仲間だったので、その点は手越さんやtimeleszとは大きく異なります。
とはいえこの時代、オリジナルメンバーのみが“正しい家族”で、それ以外は認めないという風潮は変容していくのではないでしょうか。
手越が「ここ10年くらい常に気にかけていること」
手越さんは、XY加入への道をつまびらかにするドキュメンタリー『YOSHIKI SUPERSTAR PROJECT X SEASON2/エピソード1』の中で「(人数が)多いし、今から入れなくない? もうできあがった空気感とかファンの方との空気感とか、周りのスタッフの方もそうだし、メンバーもそうだし、そこに入るって受け入れられなくない? 俺のことをと、思いました。でも、自分のかねてからの夢を叶えるチャンスかもしれない。そう思って前向きに考えることにした」と語っています。
手越さんのかねてからの夢とは、「芸能界やアーティストやこの世界に夢をたくさん描いて、いろんなところに羽ばたきたいと思っている年齢も歴も後輩の人たちを、何か自分の経験でサポートすることができて、何か教えられることがあるなら、何か力になりたい」ということで、「もうずっとここ10年くらい、下の世代のことっていうのは常に気に掛けていることの大きいひとつで、それもこのXYというプロジェクトで叶う」と判断し、加入を決断するに至ったとのことです。
この、「下の世代をサポートしたい」という思いは、ジャニーズ事務所在籍時代から手越さんが抱いていたもので、『AVALANCHE』には、当時ジャニーズ事務所でジュニアを指導していた滝沢秀明さんの元へ「ジャニーズJr.の育成やプロデュースもやらせてほしい」と掛け合いに行ったエピソードが記されています。
「踊りも歌も両方大事だけど…」
滝沢さんから「Jr.のボイストレーニングをやってくれないか?」と依頼された手越さんは「もちろん踊りも歌も両方大事だけど、どっちかしかできないのだったら、オレは絶対歌を取るべきだと思う」とアドバイスして、ボイストレーニングの指導にあたったということです。
手越さんは、下の世代が伸び悩んだり、何かの理由でチャンスを得られずにいるのを見過ごせない性分なのだと思います。
中学時代に両親の離婚を経験
その思いが見える活動のひとつに、シングルファミリーへの支援が挙げられます。
たとえば手越さんのライブでは“シングルファミリーご招待”という制度が設けられています。エンタメに触れることが難しいひとり親家庭の親子にも、ライブの楽しさを味わってほしいと試みられたもので、好評を博しているようです。
また、2020年には新型コロナウイルスの影響で生活が困窮したひとり親家庭に無償でお弁当を届ける「INGプロジェクト2020」のボランティアに参加、自身が自転車に乗ってお弁当の配達も手がけました。
手越さん自身も中学時代に両親の離婚を経験し、「シングルマザーのお母さんのすごさ、大変さっていうのは自分自身が体感したからこそ知ってるんで」と、同活動への思いを語っています。
いずれの活動も、“下の世代のいい兄ちゃん”としての手越さんの人となりが見てとれます。
XYのメンバーも、「今までの(XY)のファンの人たちって、13人のカッコよさは知ってるけど14人のカッコよさは知らないだろうし。みんながみんな前を向いてるから、きっといいものを作れる。(手越さんが加わった)14人のライブパフォーマンスっていうものを早くみんなに見せてあげたい」(KICEさん/『YOSHIKI SUPERSTAR PROJECT X SEASON2/エピソード2』より)と、新しい“家族”を歓迎しているようです。
NEWSがデビューして間もない頃のエピソード
最後に、親子2代で手越さんファンという方のお話をご紹介します。
「NEWSがデビューして間もないころ、幼い息子と東京ビッグサイトで開催された握手会に参加しました。何時間も並んで疲れ果てた息子はぐずり、泣き出したらどうしようと思ったそのとき、手越さんが両手で息子の手を握り、満面の笑みで『今日はありがとう!』と言ってくれたんです。その瞬間、息子はケロッとしてごきげんになり、すごく救われたことを覚えています。手越さんのあの笑顔は、今でも忘れられません」
イッテQファミリーしかり、XYしかり、おそらくどのグループにジョインしても手越さんは“家族愛みなぎる兄ちゃん”として、大活躍してくれるのではないでしょうか。
下の世代を思う手越さんの動向は、アイドルの“ステップファミリー化”という道の大きな指針となりそうです。
(みきーる)
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