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《紀州のドン・ファン殺人公判》「若いね、20歳?」「ダンナがいるんだろ?」須藤早貴(28)が真夜中の路地で覚醒剤密売人と交わした言葉、ついた嘘

文春オンライン / 2024年11月11日 10時0分

《紀州のドン・ファン殺人公判》「若いね、20歳?」「ダンナがいるんだろ?」須藤早貴(28)が真夜中の路地で覚醒剤密売人と交わした言葉、ついた嘘

77歳で亡くなった野崎氏

〈 「アクロバティックなセックスを楽しんで…」“紀州のドンファン妻”須藤早貴(28)が夫の20年来の愛人に送っていたメールの中身「俺を勃たせられるのは彼女だけ」〈被告人質問〉 〉から続く

 和歌山地裁で行われている須藤早貴被告(28)の裁判員裁判。元夫で和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助氏(享年77)に対する殺人罪と覚醒剤取締法違反の罪に問われた須藤は初公判で「殺していないし、覚醒剤も飲ませていない」と無罪を主張した。

 これまで検察側は総勢28人の証人尋問を実施。うち2人が、覚醒剤の密売人仲間であるAとBだった。11月8日から始まった被告人質問。須藤は密売人らとの接触を認めつつも、野崎氏の命を奪った覚醒剤について、 性的機能が衰えた野崎氏本人から購入を依頼されたと証言した 。続けて密売人たちとのやりとりを振り返った。

「今日中に和歌山まで…」

 野崎氏から購入費用として20万円を渡されたという須藤。現金はちゃっかり自分の口座に入れていたが、後日、野崎氏から催促され、「マジなの!?」とネット掲示板の「裏2ちゃんねる」を漁り始めた。

〈鮮度のいい氷、野菜あります。 全国対応可〉

 氷は覚醒剤、野菜は大麻を表す違法薬物の隠語。そこに掲載されていた密売人Bの連絡先に須藤が電話をかけたのは、事件の約1か月半前、4月7日午後7時16分。

「電話が繋がって『サイトを見たんですけど』と言うと、Bさんが『何のサイトですか?』と。『1(グラム)、2.8(万円)』と答えたら話が伝わりました。『今日中に和歌山まで持ってくることはできますか』と言ったら郵送を提案されました。でも先払いだというので、詐欺で騙されるかもしれないと思い、配達をお願いしました。Bさんは『配達してもいいけど、ドライバーがいるし、高速代、ガソリン代もかかる。急に持って来いというなら、その分のお金はもらうよ』と」(須藤の証言内容より)

 須藤の記憶だと、提示されたのは1グラム10万円。かたや、法廷でAは「4グラムから5グラム、10万円から12万円」、Bは「3グラム15万円」と証言している。なお、Aは「本物の覚醒剤を売った」と言い、Bは「氷砂糖を砕いた偽物」と言い張った。

 須藤の証言が続く。

「サイトには0.3、0.5、1とあったので、選べるのはこの3択しかないと思い、何回も買いに行かされるのはイヤなので、一番多い1を選びました。だから買った量は1グラムだと思います。全部で10万円を要求されました。社長(野崎氏)からもらっている金額の範囲内なので、Bさんに『お願いします』と。受け取る直前に、待ち合わせた田辺市のコンビニのATMでぴったり10万円を降ろしているので、その金額で合っていると思います。Bさんには『今日の午後10時までに来てください』と伝えました。すると『無理だと思うけど、日付が変わるまでには。がんばります』と言っていました」(同前)

密売人との合流直前に視聴していた番組

 一方、大阪市内で注文を受けたBは、須藤が「ダンナにバレるから」とやたら配達を急かしてくることから「クスリが切れかかっているか」あるいは「背後にギャングがいてタタキ(強盗)が目的ではないか」と警戒。注文の品を用意すると、護身用のヌンチャクを持参し、Aらと車で田辺市へ向かっている。

「『ダンナにバレるから』というのは私が作った(嘘の)設定でした。午後10時前ならまだ人通りはあるけど、田舎なのでそれ以降は人がいなそうだなと。逆に24時を過ぎると、外に出るのが怖いと思いました。それをBさんに正直に伝えたら『そんな理由で急がせるんじゃねえよ』と言われそうで、ダンナを口実にしました」(同前)

 密売人らが田辺市に到着するまでの間、須藤はテレビを見たり、スマホでYouTubeを再生したりしていたという。その時の検索履歴が、

〈ダメ絶対。薬物多量摂取した人が見る世界〉

〈危険ドラッグの本当の怖さ〉

〈アフガニスタンの12歳の麻薬中毒少女〉

 など。検察側はこうした検索履歴を須藤の犯人性を示す証拠として提出しているが、須藤は自ら検索ワードを打ち込んだのではなく、覚醒剤の購入を調べた履歴から、お薦め動画として表示されたものを再生しただけと主張する。密売人らと合流する直前は「警察24時」を視聴していた。

「若いね、20歳?」

 待ち合わせ場所は野崎氏の自宅から徒歩5分、普段からよく利用しているコンビニだった。4月8日の午前0時過ぎ、密売人たちが到着。コンビニから少し離れた路地で、覚醒剤の受け渡しを担当したのがAだった。

「落ち合ってすぐ、私はコンビニで降ろしたばかりの10万円が入った封筒を彼に渡しました。Aさんも封筒を渡してきて、中に白い塊があるのをチラッと見ました」(同前)

 須藤が目にしたのは、覚醒剤または氷砂糖の結晶入りのパケを包んだ、ティッシュペーパーだったと思われる。取引が終わると、Aが話しかけてきた。

「Aさんが『若いね、20歳?』と聞いてきたので、私は本当は22歳(当時)だけど、ウンウンと適当に返事をしました。Bさんには夫がいると話してあったので、Aさんが『ダンナがいるんだろ?』と。『注射器はいらないか』とか『炙りで使うのか』と言われましたが、私は聞き流しました」(同前)

 密売人と別れた須藤は封筒を持って帰宅。8日の夕方、野崎氏に渡した。お礼を言って受け取った野崎氏は翌日9日、「あれ、使いもんにならん。ニセモンや。もうお前には頼まん」と通告してきたという。以後、須藤は野崎氏と覚醒剤に関する話をしていないと証言した。

 野崎氏の命を奪った覚醒剤は、この公判のキーワード。だが、弁護側の被告人質問を通して、須藤が法廷で認めているのは、密売人と接触した事実のみ。購入したのが本当に覚醒剤だったかどうかは確かめる術はなく、須藤に入手を依頼した野崎氏は後日、「あれはニセモンや」と話したというのだ。須藤の主張を裁判所側はどう受け止めるのか。

 3期日に分けて行われる被告人質問は、11月11日、15日と続く。11日からは検察側からの質問が始まる予定だ。

(「週刊文春」編集部/週刊文春Webオリジナル)

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