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顧客に睡眠薬を飲ませて放火…“リア充エリート”野村証券マン(29)が2600万円を奪って道を踏み外すまで

文春オンライン / 2024年11月15日 13時10分

顧客に睡眠薬を飲ませて放火…“リア充エリート”野村証券マン(29)が2600万円を奪って道を踏み外すまで

野村証券は国内最大手

「元社員が逮捕されたのは極めて遺憾だ」

 11月1日の決算会見で、そう発表した野村ホールディングス。10月30日、広島県警に強盗殺人未遂と現住建造物等放火の疑いで逮捕された梶原優星容疑者(29)が、傘下の野村証券の元社員だと明かした。

◆◆◆

睡眠薬を服用させ、放火と強盗

 広島市内の閑静な住宅街で、悲劇が起きたのは7月28日のことだった。

「広島支店で営業職だった梶原容疑者は、顧客の80代夫婦宅を訪問。睡眠薬を服用させて意識を朦朧とさせた後、住宅に放火し、その間に現金約2600万円を奪ったと見られる。夫婦は火事に気が付いたので無事でした」(社会部記者)

 大胆に映る犯行には、こんな背景があった。

「夫婦は不動産関連会社を営んでおり、相応の資産を築いていた。しかも、現金での取引を好んでいました。実際、この日は事前に食事の約束をしており、大口の取引を持ち掛けていたのか、夫婦は現金を詰めたボストンバッグを用意していた。本人は『カネは奪ったが、放火はしていない』と供述していますが、県警は計画性があったと見て捜査しています」(同前)

法政大サッカー部では、愛されキャラ

 証券マンとしてあるまじき行為に及んだ梶原容疑者。一体、どんな人物なのか。

「神奈川県横浜市で育ちました。幼い頃からサッカーが好きで明るい快活な子でしたね」(家族の知人)

 法政二高を卒業後、エスカレーターで法政大に進学し、サッカー部に所属。元チームメイトが話す。

「法政大サッカー部は日本代表も輩出する名門ですが、レギュラーではなく、インディペンデンスリーグと呼ばれる2軍の公式リーグを中心に出場していました」

 ただ、チーム内では愛されキャラだったようだ。

「体育会というコミュニティでは、実力で友人関係が決まりがちですが、社交性が高かったので、レギュラー選手たちとも仲良くしていました」(同前)

誕生日の“リア充写真”。ハロウィンにはコスプレ。

 サッカー部のSNSには、そんな梶原容疑者の“リア充写真”がアップされていた(現在は削除)。誕生日にはメンバーに囲まれ、決め顔のようなキリッとした表情を見せている。

「友達も多く、ギャル雑誌『egg』の元モデルとも交流があった。お調子者で、ハロウィンにはコスプレをして参加するようなタイプです」(法政大関係者)

順風満帆の生活のはずが…

 卒業後は野村証券に入社した。激務で知られるが、入社7年目だった梶原容疑者の年収は1000万円以上だったと見られる。

「20代半ばで結婚し、子どもにも恵まれたと聞いています。順風満帆の生活を送っていると思っていましたが……」(前出・知人)

 道を踏み外していた。

「仕事で知り合った別の顧客に投資を持ち掛けたものの、数千万円の損失を出していた。今回奪ったカネも、損失を取り戻すべく、バイナリーオプション(一定期間後に為替レートが目標レートを上回っているか、下回っているかを予測するハイリスク商品)などにつぎ込んでいたと見られます」(前出・記者)

被害に遭った夫婦の嘆き

 一方、被害に遭った80代夫婦の自宅は壁の一部が焼け落ちていた。

「事件から約1カ月後、奥さんと会いましたが、憔悴した様子でした。家は原形を保っていますが、火事の影響で部屋中に悪臭が漂っているそうです。でも、修復はしないみたい。『あんな事件があって、この家に住むことはできない』と嘆いていました」(近隣住民)

 相場操縦事件など不祥事が続く野村証券。またも社員が一発レッドカードの蛮行に手を染めたのだった。

 ◆◆◆

「週刊文春」では、今回の事件について情報を募集しています。文春リークスまで情報をお寄せください。

 文春リークス: https://bunshun.jp/list/leaks

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年11月14日号)

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