花嫁が義父と“一夜を過ごす”「ヤバい奇習」の最中に怪死…宮城県「仮の一夜」事件に残されたナゾ(1883年の事件)
文春オンライン / 2024年11月25日 17時0分
写真はイメージ ©getty
〈 花嫁と義父が「一夜を過ごす」理由とは…かつて日本にもあった“ナゾの奇習”の正体(1883年の事件) 〉から続く
「父さん! いい加減に起きなさらぬか! もう夜が明けちまうぜ!」――初夜において新郎よりも先に新婦と性交することができる、そんな「初夜権」を巡る日本で起きた奇妙な事件を紹介。結婚式当日、花嫁と新郎の父が“怪死”した理由とは…? 新刊『 戦前の日本で起きた35の怖い事件 』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/ 最初 から読む)
◆◆◆
一向に戻ってこない2人…
仮の一夜は形式的なもので、短時間で儀式を終えた花嫁と父親は元の衣装で宴の場に戻ってくるのが慣例だった。しかし、なぜか1時間が経過しても2人が一向に戻ってこない。最初のうちは父親が花嫁を気に入り通常より時間をかけて行為に勤しんでいるものと思われたが、さすがに2時間が過ぎると参列者は異変を疑う。
さらに不思議なことに、奥の間からは物音すら聞こえてこない。それでも事が事だけに、様子を窺いに出向くのははばかられる。そして、さらに1時間が過ぎた午前0時になったところで、ようやく仲人の男性が奥の間の前へ足を運ぶ。そこで彼が覗き見たのは、抱き合ったまま横になっている父親と花嫁の姿だった。
仲人はまだ行為の最中だと思い、仕方なく宴席へ引き返す。しかし、その後も2人が姿を現す気配はない。午前2時が過ぎ、新郎の堪忍袋の緒が切れ、彼は直接、奥の間に出向く。
「父さん! いい加減に起きなさらぬか! もう夜が明けちまうぜ!」
叫べども返事はない。いったいどうなっているのか。新郎は2人に近づき腰を抜かす。父親、花嫁ともにすでに死亡していたのだ。すぐに警察が呼ばれたが、死因がはっきりしない。
外傷はなく、そもそも花嫁と義理の父が一緒に死ぬ理由がない。では、男女揃って腹上死か、あるいは毒を使った心中か。様々な憶測が流れるも、奇習の最中での突然死だっただけに真相は解明されぬままお宮入りとなった。
(鉄人ノンフィクション編集部/Webオリジナル(外部転載))
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