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「ベッドシーンの練習をしないと」芸能プロの顧問(57)が19歳のタレントの卵を“食い物”にした卑劣すぎる手法とは「もう一生、出てきてほしくない」

文春オンライン / 2024年11月22日 11時30分

「ベッドシーンの練習をしないと」芸能プロの顧問(57)が19歳のタレントの卵を“食い物”にした卑劣すぎる手法とは「もう一生、出てきてほしくない」

©AFLO

 芸能プロダクションの顧問だった星政則被告(57)が、所属タレントの女性Aさん(28)に対する準強姦、準強制性交の罪に問われている東京地裁の裁判で、11月15日に証人尋問が行われた。被害にあったAさん自身が当時の被害状況を証言した。

◆◆◆

 Aさんの口から語られたのは、芸能界で一定の立場にある男性が、立場の弱いタレントを狙うあまりにも“卑劣な手法”だった。

 この日、証人として法廷に現れたAさんは、パーテーションで目隠しされた状況で証言した。黒のスーツとワイシャツを着て、黒の靴下を履いていた星被告は被告席に座り、Aさんの証言中はやや前方に視線をやり、表情を崩さずに聞いていた。何を考えていたのか、表情からは読み取れなかった。

 Aさんは小学6年生のときに芸能事務所に所属し、中学3年からは主にモデルとして仕事をしていた。しかし高校3年のときに摂食障害を患い、一時入院していた時期もある。

 高校を卒業後に上京し、大学に入学。しかし摂食障害が悪化して再び入院することになり、大学を中退することに。その後、芝居の仕事がしたいとオーディションを受けるようになり、19歳の頃に星被告が顧問を務める事務所に「預かり」という形で所属することになった。仕事をする中で、先輩の俳優から「みんなから信頼されている」と星被告を紹介されたという。

「売り出すことも、消すこともできる」「ヤクザとつながりがある」

「星被告と初めて会った時は、先輩の俳優さんと一緒にカフェで会いました。そのときに『ドラマや映画の仕事がしたい』などの話をして、LINEや電話番号を交換しました」

 それからしばらくして、Aさんは星被告から2人で食事をしようともつ鍋屋に呼び出された。先輩俳優から「星さんとのワークショップがある」との話を聞き、その説明という理由だった。

「このとき、星被告からは『昔から(芸能界の中で)力がある』、『売り出すことも、消すこともできる』、『ヤクザとつながりがある』、『そういえば、●●●がいなくなったな』などの話があり、ヤクザの事務所の名前も出していました。私は、『気に入らないと消される。怖いな』と思いました。『彼氏がいるのか?』とも聞かれました。私はレズビアンで、一度も彼氏がいたことがないことも伝えました」

 話が一段落したところで星被告はAさんに「プロデューサーに紹介するのでカメラチェックをしたい」と伝えた。同時に「売れている子はみんな経験している。大丈夫だよ」と言ったというが、Aさんはそれが何を意味しているかとっさにはわからなかったという。なんの経験なのかは具体的な説明はなかった。

「その後、スタジオに行くかと思ったらラブホテルに連れて行かれました。『テーブルの前に立って』と言われてそうすると、『拒食症で痩せたことがあるから体型を見たい。脱いで』と言われました。抵抗がありましたが『女優さんになりたいんだよね。やる気あるの?』と言われ、下着姿になりました。さらに『売れたいんじゃないのか?』と怒鳴られました。星被告は指で四角を作って“カメラチェック”のようなことをしていました。そのときカメラはなく、撮影はしていません」

「ベッドシーンの練習をしないと」「みんな経験をしているから大丈夫だよ」

 このとき、Aさんの頭を星被告がしていたヤクザの話がよぎったという。

「ヤクザとのつながりの話もされていたので断れませんでした。『頑張っていこう』と怒鳴られてすごく怖くて、脱がないと終わらないと思いました。服を脱いでいるとベッドに押し倒され、いつの間にかショーツも脱がされて『綺麗だね』、『ベッドシーンの練習をしないと』、『みんな経験をしているから大丈夫だよ』と言われました。私は性体験もなく、何が起きているかわからず、体が固まって逃げることができませんでした。星被告は上半身も下半身も脱いでいて、いきなり、陰茎を(膣に)入れてきました。コンドームを使っていません。性交後は、星被告から『こういうことはみんな誰にも言わない』などと言われました」

 その日以降、Aさんは星被告のワークショップに通ったが、何度もラブホテルにも呼び出された。Aさんは星被告と2人で会った日は手帳にメモを残している。

「連絡を絶ったら消されると思っていましたし、『芸能界に力がある』と言っていたので、会うのを拒否したら他の事務所にも行けなくなると思っていました。ラブホテルには10回くらい行き、行為中の写真も撮影されました。撮影用のカメラはなく携帯で、撮った写真を見せられることもありました。逃げられないと思わされました。結局、仕事を紹介されたことは一度もありませんでした」

 しかし、19歳当時の被害については星被告のスマホに写真も残っておらず、復元もできなかった。その後、星被告と2人では会わなくなり数年が経ったが、Aさんが22歳になった2019年2月6日に、再びホテルへ誘われた。

「星被告と2人で会うことになりました。会う時はいつも突然で、ホテルに行くときは従わざるを得ませんでした。星被告は『これまでずっと我慢してきた。いよいよだね』と言っていました。今思うと、毎回、同じようなことを言われていましたし、自分でもこれで最後だと思っていました」

 ホテルに入ると星被告は、まずAさんと2人で写真を撮ったという。

「星被告は『ベッドシーンがあるかもしれない。どういう作品に出るかわからない。プロデューサーやキャスティングする人に見せる』と言って、この日も性行為をしました。したくなかったですが、逃げたら消されるかもしれないし断ることは考えられません。『自分を超えないといけない』と思わされていました。この時点でも、芸能界を辞める選択はありませんでした。母も応援してくれていますし、ヤクザの話もありました。怖かったんです」

「マネージャーがお金に困っている」とお金まで奪われ…

 そして23歳の頃に、Aさんは事務所を辞めることを決断する。そして星被告が新たに設立した事務所に所属する。しかも星被告のワークショップには通い続けていた。

「事務所を辞めた後に星被告からアイドルの仕事を勧められたのですが、自分がやりたい方向性とは違っていました。映画の話もあったのですが結局出演できず、その後の仕事も与えられることはなかったです。それでも、星被告とのワークショップは続いていました。しかも、『もっと売り出す必要がある』と言われ月謝が値上げになりました」

 その後、Aさんは、星被告と性的関係はないものの、お金を騙し取られた。

「星被告から『マネージャーがお金に困っている。助けてあげないと』と言われ、20万円を貸しました。新しい会社の設立に必要と言われて50万円、他にも事務所代や経費なども貸しました。さすがに詐欺ではないかと思い母と一緒に弁護士事務所に相談に行きました。母が席を外しているときに性被害の相談をしたら弁護士さんに警察に連絡したほうがいいと言われて、警察署に電話をしました。でも男性の警察官が『仕事をもらえたのか?』、『逃げられたのではないか?』とまともに取り合ってもらえず、誰にも理解されないと絶望しました」

「テレビも見ません。芸能界自体、見たくないです」

 精神的に不調になったAさんは日本を脱出し、誰も自分のことを知らない海外に7カ月ほど滞在した。そこで知り合った人に勧められ、性暴力被害の相談窓口に電話をした。

「窓口の人は男性の相談員でしたが、話をきちんと聞いてくれました。法テラスも紹介されました。帰国後、同じ被害を受けている人はいないか、所属していた女優に連絡をしたところ、他にも被害を受けている人がいることがわかりました」

 それから2年がたちAさんは28歳になったが、今でも性被害の後遺症が消えないという。

「コーヒーを飲むとき、もつ鍋を見たとき、車高が低い車に乗るときなどに星被告のことを思い出して呼吸が荒くなることがあります。自分と自分以外の間に膜があるような感じです。それに、日本のドラマや映画は見れなくなりました。出演している女優さんも私と同じような目にあっているのではないかと思ってしまうからです。だからテレビも見ません。芸能界自体、見たくないです」

 星被告にどんな気持ちでいるのか。Aさんは絞りだすようにこう話した。

「私が傷ついたのはその時だけではありません。一生ずっと、ずっと忘れられないんだなと思っています。(星被告が)反省するとかしないとかではないです。もう一生、(刑務所から)出てきてほしくない。こっちの世界に出てきてほしくない」

 星被告は容疑の一部を否認している。芸能の世界には不透明な権力関係がついて回るとはいえ、それを悪用する人間は罰を受ける必要があるのは確かだろう。

(渋井 哲也)

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