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「中2の春に理科準備室で…」「卒業後もラブホテルに連れ込まれた」被害者A子さんが初公判で証言 準強姦致傷で逮捕の練馬区わいせつ校長(57)の「鬼畜の仕業」

文春オンライン / 2024年11月24日 18時0分

「中2の春に理科準備室で…」「卒業後もラブホテルに連れ込まれた」被害者A子さんが初公判で証言 準強姦致傷で逮捕の練馬区わいせつ校長(57)の「鬼畜の仕業」

教育関係者からは評価が高かったという

〈 女子トイレをうろうろ、教え子と‟不倫”再婚、マッサージで性的暴行…練馬わいせつ校長(55)「近すぎた女子生徒とのキョリ」《準強姦致傷容疑で再逮捕》 〉から続く

「マッサージ器を直接陰部に押し当てられました。ローターは膣の中に入っていたと思います」

 東京地裁に出廷した教え子が次々と性被害を明らかにしていく。被告人席に座った白髪頭の男に「理科教育のエキスパート」として知られた元校長の威厳はない。その視線は虚空を彷徨っていた。

 昨年9月10日、勤務する中学校の校長室で少女の裸の画像を所持したとして、東京都練馬区立中学校の北村比左嘉校長(57)が逮捕された。捜査の端緒となったのは、かつての教え子からの通報だった。

「2022年11月、都の教育委員会の相談窓口に『過去に北村先生からわいせつな行為を受けた』と電話があったのです。2023年2月、都教委から中学校を管轄する練馬区教育委員会に情報が共有され、同年7月14日に練馬署へ通報が入りました」(社会部記者)

押収されたデータには性的行為が収められていた

 強制捜査の末、校長室で掘り起こされたのは、余罪の痕跡の数々だった。

「通報者の教え子は、当時13、14歳の中学2年生。押収された動画データ29点、静止画データ19点には、北村被告が彼女の性器に触れたり、陰茎を挿入しているシーンが収められていました。被害者は彼女だけではなく、当時14、15歳の中学3年生だったA子さんに対する性的行為も記録されていた」(同前)

 北村被告は調べに対し、「自慰行為をするために保存していた」などと供述。鬼畜の仕業が明らかになったのだ。

「理科準備室でA子さんを仰向けにして陰部を触り、胸を舐めるなどの行為をした末、ピンクローターを膣に挿入。さらにマッサージ器を強く押し当てるなどの性的類似行為を行い、彼女がうめき声をあげても行為を継続した。その結果、A子さんに全治約1週間の粘膜傷害を負わせ、北村は準強姦致傷の疑いで再逮捕されました。調べに対し、北村は『姦淫の意識はなかった。被害者のことが好きになり、性的欲求を抑えられなかった』と供述していました」(同前)

理科実験室で全裸で寝かされて…

 北村被告の初公判が行われたのは、11月20日のことだ。同日午後、かつて壮絶な性被害に遭ったA子さんの証人尋問が遮蔽措置のもとで行われた。

 中1の頃から公立トップ高を目指していたA子さんは、学年主任だった北川被告の進路相談を受ける立場だった。部活動の傍ら学習塾に通い、日々勉学に励んでいた彼女は、異性と性行為をした経験は皆無。部活動の顧問でもあった北川被告は、当初から従順なA子さんに目をつけていたようだ。

「(北村被告が身体を触れられるようになったのは)中2の春。『身体のメンテナンスをしてあげる』みたいな文句で呼ばれました」(A子さん)

 第一理科準備室は、理科の教師だった北村被告の私物などが置かれ、他人が踏み入ることがない“城”だった。A子さんは週1回以上部屋に呼ばれ、マッサージと称して太腿などを触られた。教師として尊敬していた北村被告についてA子さんは「心底嫌な人になった。軽蔑していました」と語り、悔しさを滲ませる。

 中2の夏になると、次第に行為はエスカレートしていった。

「直接下着の中に手を入れて触られるということがありました。されていることを見るのが嫌だったから、その辺を視界に入らないようにしていました。中2の秋になると、(北村被告から)『脱いで』と言われるようになった」(同前)

 理科準備室で北村被告が手にしていたのは、電動マッサージ器とピンクローター。いつの間にか部屋にはソファベッドが設置され、彼女は促されるがまま全裸で寝かされた。

「服を脱がされて陰部を触られて。マッサージ器は強い振動があるので、下腹部が痛かったです。ローターは入れるときに痛いと思った。振動も嫌だなと不快だった。膣に無理やり入れるときに、何か引き裂かれる感じはありました。痛みは、2、3日。耐えるしかない痛みだった」(同前)

内申書に響くから、部活を辞められなかった

 検察官がA子さんに対し、「嫌という気持ちを証人が被告人に伝えたことは?」と繰り返し尋ねると、彼女は当時の葛藤を吐露した。

「伝えていません。勇気がなかったのと、言ったら被告人が不機嫌になるんじゃないかなと。関係が悪くなってしまうと、今後の中学校生活でいろいろ不便だと思ったんじゃないかな。(北村被告とは)部活動だったり、うまくコミュニケーションがとれないと他の人に影響してしまうからと思った」

 それでも部活動を辞めることなく続けたのは「内申書に響くから」という理由だった。次第に彼女は「中学校生活の間だけやり過ごせばいいんだ」と心に決め、無言の抵抗を続けた。

「自分の中で精一杯の表現、表情をしたり、あとはできるだけ被告人のことを手で押してみたり、体を捻ってみたりそのときできる精一杯の抵抗はしました。『部活のメニューの相談をしよう』ということで理科準備室に行かされ、全裸で陰部を触らされる。『やっぱりこうなんだ』と思いました。されているときは、この時間が早く終わるようにと思っていました」

 校長室から押収された動画には、北村被告がA子さんに陰茎を挿入するシーンが収められていた。当時、北村被告はA子さんに対し、性行為の意味をこう告げていた。

「好きな人とやることをやって素敵なことなんだよ。運動にも効果がある。(性行為は)使っている脳の部分が違うから、違う部分を使うことで勉強の能率が上がるよ」

 純粋なA子さんは「理科の先生が言っていることだから、本当のことかなと思いました」と当時を振り返る。キスをされ、「好きだ」と好意を告げられる日々。蛮行の現場は理科準備室だけはなかった。

卒業後も制服姿でラブホテルへ…

「土曜日、部活が終わった帰りに『学校に来られていない生徒の様子を見に行こう』と私だけ残されたことがあります。その子のところには結局行かなくて、ラブホテルに連れて行かれました。第一理科準備室と同じことをされました。時期は中2の冬だと思います」(前出・A子さん)

 中学卒業後も北村被告の呪縛は解けなかった。

「中学校の在校生に高校生として話をしてほしい。在校生に向けたビデオレターを作成するから」

 そんな目的を告げられ、学校に呼び出されたこともあった。

「中学卒業後、駅で待ち合わせをして、そのままラブホテルに連れて行かれたことがありました。制服でホテルに入ろうとしてホテルの受付の人に入室を断られたこともあります。(中学卒業後は)連絡をとりたくなくて、中学校の卒業式のときに(北村被告から)連絡先を聞かれて教えたのを凄く後悔しました」(A子さん)

 だが、被害者はA子さん一人ではない。A子さんが卒業した翌年から同じ中学校に通っていた当時13歳の中学2年生を毒牙にかけ、同様の性的行為を繰り返していた――。

 前出の社会部記者が言葉を続ける。

「北村被告は児童ポルノの所持については罪を認めていますが、準強姦致傷については否認しています。具体的には、A子さんが抵抗できなかったとする点、彼女が抗拒不能の状態だったことを認識していたとする点、また自身の行為によって彼女の身体に傷害が生じたという点について今後争っていく方針です」

 現在、北村被告は保釈され、ビルの清掃員として働いている。A子さんの悲痛な訴えに対し、どのように向き合うのか。

(「週刊文春」編集部/週刊文春Webオリジナル 電子版オリジナル)

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