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障害のある息子を預けてリゾートホテルで男性客と…「母」と「女」の間で揺れ動く中年女性の恋愛 「山逢いのホテルで」を採点!

文春オンライン / 2024年12月3日 17時0分

障害のある息子を預けてリゾートホテルで男性客と…「母」と「女」の間で揺れ動く中年女性の恋愛 「山逢いのホテルで」を採点!

©GoldenEggProduction | Paraíso Production | Fox the Fox 2023 配給:ミモザフィルムズ

〈あらすじ〉

 1997年、スイスアルプスを望む小さな町で、仕立て屋のクローディーヌ(ジャンヌ・バリバール)は障害のある息子を1人で育てていた。毎週火曜日には、息子を隣人に預けて山間のリゾートホテルへ向かう。そこで短期滞在で単身の男性客を誘い、その場限りのアヴァンチュールを楽しむのだ。

 ある火曜日、彼女は水力発電研究家のドイツ人、ミヒャエル(トマス・サーバッハー)と出会い、強く惹かれ合う。2人は逢瀬を重ね、ミヒャエルは次の出張先のアルゼンチンにクローディーヌを誘う。

〈解説〉

 ファッションデザイナーから映画監督に転身したマキシム・ラッパズの初長編作品。母としての愛情と、女としての恋情の間で揺れ動く女性を描く恋愛映画。92分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆アルプスの麓の町。その清らかさと中年男女の不倫という対照の妙を狙ったのだろうか。女優にもう少し魅力があれば……。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆風景が異界へ通じるかと思ったが、意外に通俗的なメロドラマへ向かう。J・バリバールの笑みと肩胛骨に妙な粘着力。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆美しいヒロインの密やかな行動が、自傷行為に思えた。世間に甘えないプライドが孤独を深めるなら内面を裸にしては。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆一見定型の様で中年女性の生々しく微妙な揺らぎを、エレガントな色調を崩さず掬っていく。特に結末を興味深く思った。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆孤独の身に響く。女性像を内側から表現する主演女優の恐るべき表現力はサスペンスを超え謎に満ちた深層心理へも轟く。

INFORMATIONアイコン

山逢いのホテルで(スイス、仏、ベルギー)
11月29日(金)よりシネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
https://mimosafilms.com/letmego/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年12月5日号)

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