悠仁さまの進学先は「初めから東大ありきではない」「海外も視野に」…秋篠宮さま(59)異例の“留学発言”の意味は
文春オンライン / 2024年11月30日 11時0分
秋篠宮さま59歳のお誕生日に際してのご近影 宮内庁提供
11月30日、秋篠宮さまが59歳の誕生日を迎えられた。誕生日に際しての会見では、成年皇族になられた長男・悠仁さまについて「ついこの前までチャイルドシートに乗っていた子供が、もう成年なのかと思うと実に時の流れが速いということを実感いたします」「一つ一つ自分が関わる仕事を大事に思って取り組んでほしい」と語られた。
来春には高校を卒業される悠仁さまの進路への思いとは。秋篠宮さまの貴重な肉声をつづった『秋篠宮』(2022年/小学館)などの著書をもつ、ジャーナリストの江森敬治氏が寄稿した。
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悠仁さまに「海外で学ぶ機会を得てほしい」
「長男には、海外で学ぶ機会を得てほしいと思っています」
「海外で学びを深めてくれたら嬉しいなと、親としては思っております」
日本とトルコの外交関係樹立100周年の節目に当たり、トルコを公式に訪問する秋篠宮ご夫妻は11月25日、東京・元赤坂の赤坂東邸で記者会見した。将来、皇族として国際親善を担うことになる長男で筑波大学附属高校3年生の悠仁さまについて、海外への留学を勧めるかなどと、記者から尋ねられた秋篠宮さまはこのように答えた。
学習院大学を卒業した秋篠宮さまは、1988年から約2年間イギリスのオックスフォード大学大学院動物学科で学んでいる。自らの体験を踏まえこの会見では、より具体的に海外留学の必要性などについて次のように語っている。
「本人が大学生になったら学びたいと言っている、自然誌の分野なわけですけれども、もし、自然誌の分野をさらに深めようと思う時、私の経験からでも言えることではありますけれども、欧米は資料をものすごく、日本と比べものにならないくらい持っています。私自身も若い頃に、資料をいろいろ調べるときに、とにかく見たいものがすぐ出て来るというような、日本では考えられないような経験をしました」
「今、暮らしている所と違う場所、違う文化の所に行って、そこから、日本を見直すこともできましょうし、また、その機会を使っていろいろな所を回って、見聞を広めるという意味でも大事だと思います」
悠仁さまも海外で学ぶことの必要性を感じるように
父親の研究や勉強の関係で、アメリカやオーストリアで暮らしたことがある紀子さまは、「遠く海の向こう側から、日本を見て考える。そしてそこからまた学んでいく。そういう機会もあってもいいのではないかと思っていることを、長男に限らず娘たちにも話してきました」と答え、両親は同じ考えの下、悠仁さまたちに外国への留学を勧めていることを明かした。また、最近悠仁さまも海外で学ぶことの必要性を感じるようになってきたようだとも話した。
「平成」から「令和」へと、代替わりしてから間もない2019年8月、お茶の水女子大学附属中学校1年生の悠仁さまは、両親に連れられて私的にブータンを旅行した。これが、悠仁さまにとって初めての外国旅行であり、海外体験の第一歩だった。その年の11月、54歳の誕生日を迎える前の記者会見で秋篠宮さまは、長男の教育方針などについて次のように語っていた。
「日本の国内、いろいろな場所を訪ねてほしいと思っています。これは、日本も地域地域でやっぱりそれぞれの興味深い文化があります。それから、その文化の背景になる自然環境もあります。そういうものを知っておくということは、将来的にも非常に有意義なことだと思います」
このように、日本各地を訪れることも望んでいた。こうして見てくると、外国に限らず国内もよく見て歩き、とにかく見聞を広めることが、若い悠仁さまにとっては特に大切なのだと秋篠宮さまは考え、それを本人にも伝えているように思う。
「初めから東大ありき」ではない
「今恐らく最も忙しい時期ですね。高校3年生の秋ですから、多くの高校3年生と同じように毎日を忙しく過ごしています。進路については、これはもちろん話し合うことはあります。以上です」
11月30日の59歳の誕生日に際した会見で、秋篠宮さまはこのように悠仁さまの近況を紹介している。父親の言う通り、高校3年生の悠仁さまは、今、受験勉強の真っただ中にいる。東京大学をはじめ、幾つかの有名大学が世間では取りざたされているが私は、「初めから東大ありき」ではなく、国内各地の特色のある大学や海外の大学にまで視野を広げて、進路を選ぶのではないだろうかと期待している。
進路に関する発表〈幅広い視野を身に付けることを目指し〉
今年3月、宮内庁皇嗣職は悠仁さまの進路に関し、以下のように発表した。
〈ご自身が非常に関心をおもちのものの一つが自然誌で、昆虫などやそれらの生息環境の観察や調査をされたり、書物を調べられたり、専門家の話をきかれたりしながら、フィールドワークを行ってこられました。(略)ご自身が探求されたいことを更に学び、幅広い視野を身に付けることを目指し、ご関心のある分野を学ぶことができる大学への入学を目標に、熱心に勉学に励まれているようにお見受けいたします〉
前述の記者会見でも秋篠宮さまが触れたように、悠仁さまは自然誌に関心を持ち、大学では自然誌の分野を学び、さらに勉強を深めたいと考えているらしい。自然誌とは一般的に、自然界に存在する動物や植物、鉱物、天体、気象などについて総合的に研究する自然科学の一分野のことを指すが、漠然としていて何だか捉えどころがない。
私はそれよりも、後半の〈幅広い視野を身に付けることを目指し〉という箇所に注目したい。専門分野を究めるのは、大学院に進んでからでも遅くはない。大学時代は、幅広い教養や学問を身に付けてほしい。そして、何より大事なことは、外国や国内を見て回り、広い世界から自分や日本を見つめ直し、考えを深めてもらいたい――。秋篠宮さまは、このように願っているのではなかろうか。
昨年の誕生日会見でも、秋篠宮さまはこう述べていている。
「本人が何をしたいかということがやはり1番大事なのだと思います。そういうことができるような場所に行ってくれたらいいのではないかなと私は思います」
最終的には、悠仁さまが学びたい大学を、自分で決める。しかし、その前に、これまで紹介してきたような秋篠宮さまたちの意見を十分に聞き、それを尊重しながら、悠仁さまは自分の進路を慎重に決めて行くことになるだろう。
悠仁さまの成年式は高校卒業後に
悠仁さまは、2024年9月6日の誕生日で、18歳の成年を迎えた。民法の改正で成年が18歳に引き下げられたため、高校3年生の悠仁さまも成年皇族の仲間入りを果たした。しかし、宮内庁は「進学に向けての勉学に励まれる大切な時期」として成年式などを高校卒業後に持ち越すことを発表した。
来年、40年ぶりに行われる悠仁さまの成年式は、どのようなものとなるのだろうか。今から39年前、1985年11月30日の秋篠宮さま(当時は礼宮文仁親王)の成年式を振り返りながら確認してみよう。秋篠宮さまが20歳の誕生日を迎えた当日、皇居で荘厳な成年式が催された。
当時の報道によればこの日、秋篠宮さまは、皇居・宮殿「春秋の間」で「加冠の儀」に臨んだ。裾の長さが6メートルを超す、未成年者用の伝統的な装束「闕腋袍(けってきのほう)」を着て、頭には黒絹の額当て、手には笏(しゃく)を持っていた。秋篠宮さまの頭から侍従次長が黒絹の額当てを外し、成年用の燕尾纓(えんびのえい)が付いた冠を被せた。続いて、東宮侍従が、冠に掛緒(かけお)をかけて顎で結び、緒の両端をはさみで切り落としていった。
この後、成年用の伝統装束姿の秋篠宮さまは、2頭立ての儀装馬車に乗って宮中三殿へと赴き、参拝した。
続いて、正殿「松の間」では「朝見の儀」が行われた。昭和天皇の前に進んだ、燕尾服に着替えた秋篠宮さまは、「成年皇族としてのつとめを自覚し、勉学にいそしみご恩にお報い申し上げたく存じます」と、緊張しながら述べると、昭和天皇は、「ますます身を鍛え心をみがき、皇族の本分を尽くすことを希望します」と、励ました。
来年行われる悠仁さまの成年式もまた、父親のそれを踏襲した厳粛で、華やかな儀式となるだろう。
〈 佳子さま(29)の結婚に「目立った動きは感じられない」秋篠宮ご夫妻を悩ませる小室眞子さんと圭さんの“影響” 〉へ続く
(江森 敬治)
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