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「企業イメージへの影響は避けられない」セブン&アイがクシュタールの大麻関連ビジネスに懸念を表明 《7兆円買収合戦に新たな火種》

文春オンライン / 2024年12月2日 6時0分

「企業イメージへの影響は避けられない」セブン&アイがクシュタールの大麻関連ビジネスに懸念を表明 《7兆円買収合戦に新たな火種》

コンビニ事業でも苦戦している ©︎時事通信社

 セブン&アイホールディングスに7兆円規模の買収提案をしているカナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールが、コンビニ事業などに加え、大麻関連ビジネスを手掛けていたことが、「 週刊文春 」の取材でわかった。セブン&アイ側は取材に対し、仮に買収された場合、「企業イメージへの影響は避けられない」との見解を示している。

クシュタールは決算発表会で「絶好の機会を見出している」

 クシュタールのアレックス・ミラーCEOは11月26日の決算説明会で、セブン&アイについて「私たちは共に成長し、世界中の顧客に対する商品やサービスを向上させる絶好の機会を見出している」などと述べ、買収に自信を覗かせた。他方、セブン&アイも創業家側からMBO(経営陣による買収)の提案を受けていることを発表。伊藤忠商事などが出資を視野に入れ、国内5行が融資を検討していることも報じられている。

 セブン&アイの買収を狙うクシュタールだが、果たして、どのような企業なのか。「週刊文春」が徹底調査したところ、様々な実態が明らかになった。

サークルK店舗の隣接地に大麻販売店をオープン

 クシュタールはこれまで、サークルKを傘下に置くなど、相次ぐM&Aで成長を重ねてきた企業だ。時価総額も約8.2兆円で、セブン&アイ(約6.4兆円)を上回る。ただ、手掛けてきたのは、コンビニ事業だけではない。2019年には、大麻販売のライセンスを持つファイア&フラワーの株9.9%を取得。サークルK店舗の隣接地に大麻販売店をオープンするなど協業していた(ファイア&フラワーは2023年6月に破産)。2022年には、医療用及び嗜好用大麻を販売する企業と連携し、サークルK店舗に隣接する薬局などでの大麻販売事業を計画していたこともある。

「日本では麻薬の所持・使用は違法であるため」

 クシュタールに大麻関連ビジネスについて見解を尋ねたところ、広報担当者が次のように回答した。

「現在は一切、大麻関連商品は売っていません。もちろん日本では販売することはないですし、年齢制限がある商品には最大限、留意しています。関連事業に参入する計画もありません」

 一方、セブン&アイHDは以下のように回答した。

――日本では麻薬の所持・使用は違法だが、仮にクシュタールによる買収が実現した場合、企業イメージへの影響をどう考えるのか。

「仮定に基づくご質問につきましては回答を差し控えさせていただきますが、ご指摘の通り日本では麻薬の所持・使用は違法であるため、企業イメージへの影響は避けられないと考えております」

「週刊文春 電子版」では、 クシュタールが手掛ける大麻ビジネスの詳細のほか、クシュタールがこれまで重ねてきたリストラや店舗閉鎖に関する衝撃データ 、 セブン-イレブン社長が“上げ底”発言を釈明した会議の様子などについて報じた内幕レポート を配信中。

  伊藤忠・岡藤正広会長の本音や買収をサポートする企業の実名などを報じた記事 や、 セブン&アイ・井阪隆一社長らへの直撃取材を報じた記事 など、セブン&アイの買収問題に関する記事を多数配信している。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル)

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