「国民を敵に回す覚悟を」秋篠宮さまが記者会見で洩らされた“苦悩”…悠仁さまを巡る「いじめ的情報」発言の真意とは
文春オンライン / 2024年12月6日 6時0分
三笠宮妃百合子さまの「斂葬の儀」に参列された秋篠宮ご夫妻 ©時事通信社
進学先が大きな注目を集める秋篠宮家の長男・悠仁さま(18)。筑波大学の推薦入試に臨まれたと報じられるなか、誕生日会見では秋篠宮さまが「いじめ的情報」と述べられたことが話題を呼んだ。秋篠宮さまはどのようなメッセージを込められたのか。近刊に『皇室とメディア』(新潮選書)がある、名古屋大学大学院人文学研究科准教授の河西秀哉氏が考察する。
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秋篠宮が11月30日に59歳の誕生日を迎えた。その誕生日を前にした記者会見で、最近の秋篠宮家に対する報道について、「秋篠宮家へのバッシングとも取れる情報について、妃殿下が誕生日に当たっての文書で『思い悩むことがあります』と記されました。殿下の受け止めや、宮内庁に求めていることもお聞かせください」と聞かれ、「一般的には、バッシング情報と言われております。ただ、本当にたくさんの情報があるわけですけれども、その中でのバッシング情報というのは、これは第三者と当事者では恐らく意味合いが異なってくるように思います。当事者的に見るとバッシング情報というよりも、いじめ的情報と感じるのではないかと思います」と答えた。
「いじめ情報」→「バッシング情報」に言い換え
このように、秋篠宮家に対するSNSなどで発せられる意見・情報を、秋篠宮は「いじめ情報」と述べたのである。宮内記者会に質問で聞かれた「バッシング情報」よりもさらに強い言葉で言い換えている時点で、秋篠宮がこの問題をより切実にとらえていることがわかる。
「いじめ情報」と語気を強めた結果に…
今回の答えがなされる前兆は、9月11日の紀子妃の誕生日に際しての文書回答のなかにもあった。記者会から紀子妃に対して、「ネット上などで秋篠宮家へのバッシングともとれる情報による批判が続いている状況をどう受け止めているか」との質問がなされた。これに対し、宮内記者会は「バッシングともとれる情報」と、あくまでバッシングであると断定していないにもかかわらず、紀子妃は「ネット上でのバッシング」と言い切った。
つまり、記者会があくまで「ともとれる」と質問したところ、紀子妃は、それは「バッシング」だとはっきり答えた。自分たちに向けられる意見・情報を、単なる批判ではなく誹謗中傷ととらえたのである。そして、それに対して「私たち家族がこうした状況に直面したときには、心穏やかに過ごすことが難しく、思い悩むことがあります」と答えた。やはり、本人はかなり切実に考えていたからだろう。
今回の秋篠宮への宮内記者会の質問は、この紀子妃の「思い悩む」という回答を受けてなされたものであった。そして、秋篠宮はそれをさらに「いじめ情報」と語気を強めたことになる。つまり、宮内記者会が当初は「バッシングともとれる情報」と断定していなかったものが、紀子妃によって「バッシング」となり、今回の秋篠宮によってさらに「いじめ情報」にも発展した。その意味は大きいように思われる。
国民を敵に回す覚悟を持った“賭け”
これは、ある種、ある一部の国民を敵に回す覚悟を持った賭けだったようにも感じる。Xを中心としたSNS、Yahoo!ニュースなどのニュースポータルサイトのコメント欄では、秋篠宮家に関する様々な意見が飛び交っている。平成のある時期までは、眞子内親王(当時)・佳子内親王の人気もあって、その声は好意的なものが多かった。それは、現在の天皇・皇后である当時の皇太子夫妻への逆風とは反比例するかのようでもあった。
悠仁さまの高校・大学進学で「疑念が疑念を呼び…」
ところが、これがシーソーゲームのように逆転する。小室圭さんとの結婚をめぐる騒動がきっかけであった。悠仁親王の高校進学をめぐる問題、そしてその後の大学進学に対する空気感もそれに拍車をかけた。疑念が疑念を呼び、秋篠宮家に関するニュースには批判的なコメントが集中するようになる。
平成のある時期まで、天皇・皇室に関係するニュースで問題があったとき、宮内庁のホームページにある「皇室関連報道について」というページのなかで、具体的に雑誌で書かれた記事内容に関する事実関係が説明されることがあった。それが、宮内庁や皇室が採れる反論手段だったとも言える。
しかしこれは、雑誌を発行する雑誌社といった組織に対する反論・批判でもある。近年問題になっているのは、SNSやコメントなどであるが、それをするのは基本的に個人であり、マスメディアではない。近年は誹謗中傷に対して、発信者情報開示請求などはできるものの、まだまだハードルは高い。しかも、もし宮内庁や皇室がそれを行えば、個人に対して反論・批判することにもなる。象徴天皇制下において、団体である雑誌社に対する反論・批判も慎重になされるべきであるが、個人へのそれとなるとさらにハードルが上がることが予想される。個人攻撃になる可能性があるからである。それゆえ、未だに進められないのが現状だろう。
誹謗中傷に対してさらに燃料を投下してしまう可能性も…
しかも、宮内庁が何らかの対策を採ったならば、誹謗中傷に対してさらに燃料を投下してしまう可能性もある。
だからこそ、秋篠宮は今回、「『いいね』じゃない方の、逆の、あれをとにかくクリックするぐらい、それ以外私はなかなか思い付かないですね」と言ったのではないか。なかなか対策が思いつかない状況を吐露したと言える。
とはいえ、「いじめ情報」と秋篠宮が述べたのは、誹謗中傷のような発言をしている少数の人に向けて批判したのではないと思われる。ハッキリ言えば、そういう人達に対しては何を言っても無駄だろう。むしろ、発言したり書き込んだりしていない多くのサイレントマジョリティの人々に対して、自分たちはこう感じているということを理解してほしかったのではないだろうか。そして、この局面を打開したかったのではないか。そうした秋篠宮の思いが今回の記者会見からは見えてくる。
(河西 秀哉)
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