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「多少太るとか、薄くなるとかあるけど……」藤井フミヤが考えるミュージシャンがいつまでも若々しくいられるワケ

文春オンライン / 2025年1月14日 17時0分

「多少太るとか、薄くなるとかあるけど……」藤井フミヤが考えるミュージシャンがいつまでも若々しくいられるワケ

©三浦憲治

〈 「ボーカリストがたくさんいて、すごい楽しそうだなと」藤井フミヤが奥田民生をうらやましい、と思った瞬間 〉から続く

 なぜミュージシャンは変わらずに若さをキープできるのかーー60代になってもかわらない藤井フミヤに聞くと……。(全2回の後編/ 最初から読む )

◆◆◆

ロックな曲を書いてもらうなら、やっぱり民生くんがいい

――これまでフミヤさんに対して、民生さんは曲を2曲提供していますよね。

藤井 最初はアルバム『F's KITCHEN』(08年)の「SUNNYで!」という曲で、2曲目が『F's シネマ』(09年)の「嵐の海」ですね。そこから、どこかで会えばお互いに「最近どうなのよ?」みたいな関係になった感じかな。

――『F's KITCHEN』はフミヤさんがソロ15周年を迎えたときのアルバムで、さまざまなアーティストがフミヤさんを料理するというコンセプトだったはずです。

藤井 そうそう。

――そのなかでなぜ民生さんに曲の提供を依頼したんですか?

藤井 ロックな曲を書いてもらうなら、やっぱり民生くんがいいんじゃないかっていうことだったんですね。「SUNNYで!」はレコーディングにも参加してもらってるし、「嵐の海」は民生くんがひとりで演奏したデモ音源を、そのまま使わせてもらいました。

 ついでにMVにも出てもらったら、ミック・ジャガーとキース・リチャーズじゃないけど、バンド感を感じましたよ。実際、屋敷豪太がプロデュースする京都のイベント「chidoriya Rocks 2022」でも一緒にやったけど、そのときもいい具合にバンド感があって。

――音楽的にも共鳴する部分があるんですね。

藤井 意外とそうですね。短期間バンドを組んでもいいかも、って思うくらい。

キャーキャー言われてた自分を消したいと思ってるのかも

――「SUNNYで!」はカラッとしたロック、一方の「嵐の海」は艶やかなロッカバラードでしたが、フミヤさんから見て民生さんの曲の魅力はどこにありますか?

藤井 曲のタイプは違っても民生節がありますよね。コード進行もそうだし、メロディの癖っていうのかな。歌詞もね、民生くんは真剣なラブソングとか書けないでしょう?(笑)。そこが民生節なんだよね。ラブソングだとしても、絶対に真正面からじゃない。どうやって女の子を口説いてたんだろう?(笑)

――民生さんはモテるタイプですか?

藤井 どうなんだろうな。「最近ビジュアルの劣化が早い」って、このあいだ自分で言ってたけど(笑)。もちろんキャーキャー言われてたと思うよ、とくにユニコーンのころは。どちらかと言うと、そういう自分を消したいと思ってるのかもしれない。

――なるほど。「SUNNYで!」も「嵐の海」も、民生さんがセルフカバーするくらい民生さんらしい曲でしたが、フミヤさんにとっては歌いやすい曲でしたか?

藤井 意外と歌いやすかったですね。

2人とも基本はビートルズだし、洋楽を普通に聴いてきた世代

――フミヤさんと民生さんはボーカルスタイルが違いますよね。

藤井 全然違うね。

――音楽のスタイルも違うと思いますが、なにかしら共有できるところがあって。

藤井 世代も近いし、聴いてきたものがそんなに変わらないっていう部分はあるかな。基本はビートルズだし、洋楽を普通に聴いてきた世代だから、音楽の会話も自然にできる。年齢がもう少し離れると、その辺の距離感が変わると思うけど、MTVや『ベストヒットUSA』が登場して、それを観ていた世代だからね。

――フミヤさんも民生さんもライブが好きですよね。

藤井 そうね。俺は完全にステージの人間なので。レコーディングはステージで歌うための道具を作ってるようなもので、歌ってなんぼなんですよ。ミュージシャンのなかにはレコーディングが好きな人もいるけど、民生くんはどうなんだろう?

――民生さんも、ツアーをやるために「どんどんアルバムを出さないといけないと思っていた」と話していますね。

藤井 じゃあステージの人だ。そういう人たちは、ステージに取り憑かれたようなところがあるんだよね。

――ミュージシャンでないとわからない快楽なのかもしれません、それは。

藤井 あれに勝るものはないと思うよ。コロナ禍でライブができなくなったときに、余計に感じました。それまで普通のことだと思っていたけど、あんなに楽しいことをやっていたんだって。

 ツアーと言ってもいろいろなものがくっ付いていて、まず旅じゃないですか。さらに歌うことは肉体を使うことなので、スポーツのような爽快感や充実感もあるし、ましてや観客が喜んでくれる。それでビジネスになるわけでしょう? 

 葉加瀬太郎がうまいこと言ってたんだよね、「こんなに楽しいことをしているのは、本当はあまり人に言ったらダメ」みたいな(笑)。もちろん疲れるし、苦労もあるけど、ステージで歌っているときがいちばんミュージシャンをしている実感がありますね。

ステージがいちばんのアンチエイジング

――ステージを続けることは、ずっと若々しくいられる秘訣でもありますか?

藤井 ステージがいちばんのアンチエイジングだと思う。ポール・マッカートニーもミック・ジャガーも、ステージをやらなくなったら玉手箱を開けた浦島太郎みたいになるはず(笑)。あまり老けないんだよね、ミュージシャンって。多少太るとか、薄くなるとか、そういうのはあるけど、みんな若々しいのはステージが理由じゃないかな。

 ステージに立って、いいパフォーマンスをするためには、健康でないといけない。昔は「セックス&ドラッグ&ロックンロール」とか言っていたでしょう。でもそんな考え方はもはやないよね。いまは「ヘルシー&ビューティー&エクササイズ」だから、ロックですら(笑)。

 ただ酒やタバコはやめられないもんだよね。とくに民生くんの世代は、みんなバカスカ吸って、酒も飲んでるから。俺らの世代もまだ飲んだり吸ったりしてるけど、上の世代は酒もタバコもほぼやめた人が多い。

――フミヤさんはどうなんですか?

藤井 酒は飲むよ。タバコもときどき吸う。あまりストイックにならないタイプだね。でも量は減った。民生くんもそうとう減ってるもん。ほら、「この俺がこんなに飲まなくなった」って自慢してたくらいだからさ。それ、自慢にならないよって言ったんだけど。

――お酒やタバコは声に影響しますよね。

藤井 とくにアルコールはね。アルコール疲労っていうのがあるから、翌日がライブだとそんなに飲めない。でも民生くんは、声が嗄れようがなんだろうが関係ないんだよ。だからライブの延期や中止がほぼないもんね。本人が言ってた、それでもがなり声で歌っちゃうって。音楽のスタイル的にも、それで全然オーケーでしょう。透き通るような声で、ラブソングを歌うわけじゃないから。

俺と民生くんは役割が違うから相性がいいと思う

――今後、民生さんと一緒にやってみたいことはありますか?

藤井 本当はもっと接点を持ちたいんだけど、いかんせんもうそんなに行動的じゃないっていう、お互いに(笑)。どっか飲みに行こうぜみたいな、そんなのがなくなってくる年齢でもあるし。ましてやコロナ禍以降、そういうことが急激に減ったよね。家でちびちび飲みながら、好きなことをしていたほうがいいや、くらいな年齢になってるから。

――先ほど、「短期間バンドを組んでもいいかも」とおっしゃっていましたが――。

藤井 俺と民生くんは相性がいいと思うんだ。民生くんが同年代の仲間とやってるバンドは、ちょっと主役が多すぎるよね。ハンバーグとカツと、エビフライにフライドチキンが乗ったカレーみたいな(笑)。でも俺と民生くんは役割が違うから案外いいと思う。

――イメージとしては、どんなバンド編成ですか?

藤井 やるとしたらフォーピース。ドラムとベースとギターとボーカルで、俺は楽器を持たない系だろうね。サウンド的には完全にロック。いぶし銀な感じになると思うよ、年齢が年齢だけに。本当にやるとしたら70代になる前かな。だとすると、もういまのうちにやっておくしかないんじゃない?

◆◆◆
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(門間 雄介)

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