母親から虐待を受けた遠野なぎこ(44)が、15歳で摂食障害になったワケ「母が不倫相手の局部写真を、幼い私に見せつけて…」――2024年読まれた記事
文春オンライン / 2025年1月2日 11時0分
遠野なぎこさん ©佐藤亘/文藝春秋
2024年、文春オンラインで反響の大きかった記事を発表します。重病・難病部門の第3位は、こちら!(初公開日 2024/05/05)。
* * *
15歳で摂食障害となり、現在もその症状と闘っている俳優の遠野なぎこさん(44)。発症のきっかけは、母親に虐待されて育ったことが大きく影響しているという。彼女は、どのような母娘関係のもとで子ども時代を過ごし、摂食障害を患うことになったのか――。遠野さんに話を聞いた。(全3回の1回目/ 2回目 に続く)
◆◆◆
きょうだいの中で自分だけ虐待されていた幼少期
――まずは、遠野さんとお母さんの関係性について、改めて教えていただけますか。
遠野なぎこさん(以下、遠野) 幼少期の記憶というと、母親から虐待を受けていた記憶しかないんです。小学生くらいからの記憶なのかな。殴られたあと、いつもバケツを渡されて、その中に鼻血が溜まっていくのを見ていました。
そのときのことは、マンションの風景も間取りも、どこでどうやってバケツを抱えていたかもはっきり覚えています。母からは体の暴力もありましたし、心の暴力もありました。
――心の暴力は、どういったことが行われていましたか。
遠野 小学生の頃から容姿や性格について「醜い」「お前なんか」というようなことをずっと言われてきました。どれだけ私が劣っている人間かというのを、陰湿に、悪魔のように言い続ける人でしたね。
あとは、彼女が不倫をしている相手との話をよく聞かされていました。「今日キスしたの」とか、不倫相手の男性器の写真を見せられたこともあります。私はまだ幼かったから、何をされているのかさえわからなかったけれど、そういう虐待がずっと、きょうだいの中で私だけに行われていました。
アクセサリーのように扱われても、母を喜ばせたかった
――どうして遠野さんだけだったのでしょうか。
遠野 うーん、わからないけど、好きじゃなかったんじゃないですか。私のことを、女として敵視していたように思います。子役のときから芸能界にいるので、私に活躍してほしい、アクセサリーみたいに扱いたい気持ちがある一方で、私がオーディションに受かったりすると「お前が輝くのは嫌だ」と言わんばかりに足を引っ張りたい気持ちもあったようです。
私は私で、母に見てもらいたいから「受かりたい、活躍したい」と思って頑張っていたので、すごく複雑な関係性だったと思います。
――遠野さんが年々女性として成長するにつれて、お母さんとの関係は悪化していきましたか。
遠野 はい。ただ、私が女優をしていることが彼女にとってステータスであり、アクセサリー感覚であることは変わらずでした。例えば私がお付き合いしている有名人の方を、母が働いているスナックに連れていくと、大喜びしたりみんなに見せびらかしたりするんです。
逆にそうしないと、ものすごい言い方で「あんな男」などと非難したりもしますし、振り回されっぱなしで。それでも「母を喜ばせたい」という考えからは、当時は抜け出せなかったですね。
母の不倫相手の奥さんが家に怒鳴り込んできて…
――遠野さんは、ずっと見続けている悪夢があるそうですね。
遠野 いい夢なんて見たことないですね。私は4人きょうだいの長女なんですけれど、下の子たちを守る夢をすっごくよく見るんです。もうみんな大人なのに、私の中ではあの子たちはまだ小学生や中学生で、そんな彼らを何かから守ろうとして庇っている夢で。起きると体がこわばって身体中が痛いし、とても疲れます。
あとは、母もたまに出てきますけど、いつも顔は覚えていなくて。多分自分を守るために記憶から消そうとしているんだと思います。内容も、母という存在と戦おうとするのではなく、彼女を守ろうとしてるんですよね。
――子どもの頃、お母さんの不倫相手の奥さんが、家に押しかけてきたことがあるそうですね。その経験がトラウマになっているから、ごきょうだいを守ろうとする夢を見るのでしょうか。
遠野 どうだろう。当時、まだ中学生だったんですが、母の不倫相手の奥さんがインターホンを鳴らして怒鳴り込んできたことがあって。母はそのときいなくて、私がきょうだいを守らなきゃ、という気持ちでいっぱいでした。体が震えるくらい怖かったのだけれど、「母はいません、帰ってください」と応答すると、私のすすり泣く声に気づいたのか、何も言わずに帰って行きました。
ただ、その経験からというよりも、私が子どもだったとき、母はラブホテルに行ったりして家を空けていることが多かったんですね。だから下の子たちのご飯を作ったり、お世話したりして「この子たちを育てていかなきゃ」という気持ちがとても強かったんです。その責任感というか、プレッシャーが根強く残っているのが悪夢に影響しているんじゃないかと。
――そういう幼少期のトラウマとはどのように付き合っていますか。
遠野 寝る前にお酒を飲んだり、睡眠薬を飲んだり、どっちかですね。あまり良くないんですけど、やっぱりお酒には頼ってしまいます。でも今通っている病院の先生は事情をわかってくださっているので、無理にやめてくださいということもなく「ゆっくり計画を立てて、付き合っていきましょう」と仰ってくださっています。
なんか、私の心には穴があるんですって。母のことや幼少期のことで空いてしまった穴を、男性だったり、アルコールで埋めようとしているらしいんです。「依存」と自分の口からは言いたくないですけれど、でも本当にその通りだなと思います。
15歳で摂食障害になった“きっかけ”
――遠野さんは15歳で摂食障害になられたそうですが、その経緯について教えてください。
遠野 それくらいの年頃って、ちょっと体型がふっくらするじゃないですか。今思えば健康的な体型だったんですけど、自分で悩んでいた時期に、母から「吐けば太らないのよ」と教えられて。当時は摂食障害なんて言葉も知らないし、そんな方法があるなんて思っていなくて。
吐きやすい食材はこういうもので、指を突っ込んでトイレで吐きなさい、と教えられて吐いたのが最初のことでした。
ガリガリになり、母からは「色気がない」と…
――初めて吐いたとき、どのような気持ちでしたか。
遠野 「いいことを教えてくれた」と思ってしまいました。摂食障害の方って、1回目はそうだと思います。吐いちゃえば、食べたものが魔法みたいにゼロになるんだと思ってしまうし、子どもでしたから、それがいいことなのか悪いことなのかも判断ができなかったんです。
何より、母がそんな体に悪いことを教えてくれるわけがない、と思っていたんでしょうね。今思えば、彼女は本当に鬼ですよ。
――遠野さんが食べ吐きを続けるなかで、お母さんはどのような反応をされていたんですか。
遠野 体型がガリガリになっていったんですが、それはそれで「少年みたいな体だ」「色気がない」なんて言ってきたりして。何をどうしても、私を認めてくれないといいますか。自分の「物」としか思っていなかったんだろうなと思います。
撮影=佐藤亘/文藝春秋
(吉川 ばんび)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「入れ墨で肌をもっと可愛くしたい」“高校を特待生で卒業した女性”が20歳で入れ墨を彫るまで――仰天ニュース傑作選
日刊SPA! / 2025年1月3日 15時45分
-
初潮を迎えた日から、父は何度もレイプし、母は傍観した…実父の性加害を顔出し実名で告発し続ける理由【2024下半期BEST5】
プレジデントオンライン / 2025年1月3日 7時15分
-
「“義理の父親”と一緒にお風呂に入れば?」10歳のとき性的虐待を受けた女性。実の母親に打ち明けた結果…衝撃の一言
日刊SPA! / 2024年12月31日 15時53分
-
「1時間以上ビンタされ続けたことも」父親から虐待を受け続けた25歳女性。彼女を救った「担任の一言」
日刊SPA! / 2024年12月30日 15時52分
-
遠野なぎこ「ゾンビみたい」→「お粥食べられましたっ!」 家事こなす姿に「無理しないで」
J-CASTニュース / 2024年12月6日 16時0分
ランキング
-
1滝沢秀明氏が声明 TOBE巡り「SNS上に事実と異なる投稿がある事を確認」「関係各所確認を取り対応」
スポニチアネックス / 2025年1月4日 21時36分
-
2“裸に見える”橋本環奈、『紅白』の安定した司会ぶりが高評価も330万円ドレスが奇抜すぎて物議
週刊女性PRIME / 2025年1月4日 17時0分
-
3不倫報道の西武・源田壮亮は“雲隠れ”? 誕生日のSNS投稿すら途絶えた「元乃木坂妻との深刻状況」
週刊女性PRIME / 2025年1月4日 19時30分
-
4中居正広 出演番組の差し替え相次ぐ TBS「金スマ」SP、テレ朝「土曜日な会」が番組表から消える
スポニチアネックス / 2025年1月4日 21時2分
-
5オズワルド伊藤 妹・沙莉の結婚発表後、初のX更新も…まさかの内容に「怖すぎるって!」
スポニチアネックス / 2025年1月4日 16時26分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください