〈運転免許証が話題に…〉頭は赤と黒、体は真っ黒にタトゥーを彫った男性が明かす、周りの意外な反応と病院での診察「看護師が何度も病室に来て…」――2024年読まれた記事
文春オンライン / 2025年1月6日 11時0分
2024年、文春オンラインで反響の大きかった記事を発表します。ライフ部門の第2位は、こちら!(初公開日 2024/07/20)。
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2022年、Xに投稿され、話題になった運転免許証のビフォーアフター画像。ちょんまげ姿から、目の周りや頭皮が赤や黒に彩られた男性は滋賀県で古美術商を営む大黒堂ネロ氏だ。
首から下も黒く全身タトゥーを施し、耳ピアス(軟骨拡張)は34mmで、世界一の大きさだという彼に、タトゥーを彫ったきっかけや耳ピアスを拡張し続ける理由、周りの反応などについて聞いた。(全2回の1回目/ 続きを読む )
◆◆◆
「何もない自分に何ができるか」すごく考えていた小さい頃
――最初にタトゥーを入れたのはいつでしょうか。
大黒堂ネロ(以下、ネロ) 18歳の時です。高校を中退して、通信制に通っていたんですけど、その時にタトゥーを入れている人が周りにいて。それでカッコいいなと思って、軽いノリで入れました。
――ご家族や同級生が入れていたり?
ネロ いえ、全然なかったです。小さい頃は「おかあさんといっしょ」や「天才てれびくん」を見ていたような子どもでしたし、タトゥーを見たことはありませんでした。
――小さい頃は何に興味があったんですか。
ネロ 特に趣味も好きなこともなかったです。自分に何も特徴がなくて、それが嫌で。何もない自分に何ができるかってことをすごく考えていました。
――意外です。
ネロ で、自分にできることは同じことを何回も繰り返すことだと思って。特別なことはできないけど、昔から何かに熱中することが多くて。
同じことを何度も繰り返すことによって一つのことをいろんな角度から見れるじゃないですか。そうすると自分の思考力も高まる。その経験が今の自分の元になっていると思います。
彫り師さんから「全身黒にしてみる?」と言われて
――以前は和彫を入れていたそうですね。
ネロ 最初は腕全体にタトゥーを入れてのですが、入れてもらった彫り師が失敗で、デザインが汚かったんです。それで、知り合いに彫り師を紹介してもらって。それからはずっとその人にお願いしています。
――今のような黒塗りのタトゥーにしたのはなぜでしょうか。
ネロ カッコ良くなるビジョンが見えたからです。もともと腕全体を黒くしていて。それが気に入っていたので、いつか全身真っ黒にしたいなと思っていました。
和彫を入れてから数年が経ったタイミングで、彫り師さんから「じゃあ全身黒にしてみる?」と言われてお願いしました。
――全身黒にするのにはどのくらい時間がかかるのでしょうか。
ネロ 結構かかりますね。マシンで入れていくので、普通のタトゥーに比べると時間はかからないんですが、真っ黒にするために何周も重ねて入れていきます。数年単位でかかったと思います。
そもそもタトゥーを入れているという認識がない
――顔にも赤と黒のタトゥーを入れていますが、なぜ顔に。
ネロ 身体の黒に対して頭部に差し色の赤が入るとバランスがいいなと思って。
――顔にタトゥーを入れるのに抵抗はなかったですか。
ネロ 僕自身はなかったですが、家族や友達から「顔だけはやめとけ」っと言われました。でも、元々ちょんまげ姿だったり、目につくファッションだったので、顔にタトゥーを入れたくらいでは全然変わらなかったですね。周りから何か言われることも特になく。というか僕自身、そもそもタトゥーを入れているという認識がないんですよ。
――タトゥーではない?
ネロ 僕は体一つで作品を作りたいと思っていて。キャンバスとして体を使っているという感じです。一つのテーマを体全体で表現して、それが終わったらまた次のテーマに向かって動いていく。
だから本来のタトゥーのイメージのように、1回入れたら終わりという感覚はなくて。その上に重ねることもできるので、どんどん進化していくイメージです。進んでいくうちに新しい自分を発見できると思っています。
――ちなみに高校卒業後、会社員として働かれていたんですよね。会社でタトゥーについては知られていたのでしょうか。
ネロ その頃は、まだ顔に入れていなかったので、会社の人は知らなかったと思います。会社では長袖長ズボンだったし、ちょんまげ姿は休日だけだったので。
タトゥーのメンテナンスと日焼け対策
――タトゥーを入れる際、痛みはどうでしたか。
ネロ 顔やあばらなど、皮膚の薄いところにも入れているので、痛みというか、感覚はもちろんあります。でも、痛みは超えるものだと思っているので。
――今のタトゥーはどのくらいお金がかかっている?
ネロ 1000万円くらいです。
――タトゥーのメンテナンスは必要ですか。
ネロ 色の見え方は肌の水分量によって変わるので、保湿をするようにしています。それでも色が落ちてしまったりして、今は真っ黒ではないので、新たなプロジェクトも計画しています。
――日焼け対策はどうしていますか?
ネロ 全身黒なので、日中外に出ると太陽の光を集めてすごく暑くなるんですよね。特に頭は危険で。なので、帽子を被ったり、日傘をさしたりして対策しています。日焼けによって色に変化が出ることもあるので気をつけています。
タトゥーのことで病院に拒否されたことはない
――病院にかかる時にタトゥーに対して何か言われたりしましたか。
ネロ コロナにかかって高熱でめまいがして階段から落ちてしまったことがあって。頭から滑って血がダラダラ出て、救急車で病院に運ばれたんですけど、特に拒否されることもなく。
コロナだったので隔離病棟に入院したんですけど、看護師さんが何度も病室に来るから僕の体調を心配してるのかと思ったら、「このタトゥーはなんでいれたんですか?」「なんで真っ黒にしたんですか?」って聞かれて。みんなそっちに興味津々でしたね。
――頭の怪我はタトゥーに影響なかったのでしょうか。
ネロ いやそれが、ちょうど頭の黒く入れている部分がぱっくり割れてしまったので、そこを10針くらい縫うことになったんです。先生に「縫うときに黒い部分を合わせてください」って言って。
先生もそんな注文初めてだったと思うんですけど、ちゃんと合わせてくれました。病院に拒否されるっていう経験は僕はしたことがないですね。
――街中で歩いていて話しかけられることはありますか?
ネロ ありますけど、見た目のことを聞かれたらスルーしています。世間話だったら話しますけど。
でも、すれ違いざまにカッコいいと良く言われますね。
写真=橋本篤/文藝春秋
(「文春オンライン」編集部)
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