〈16歳で妊娠〉中卒のシングルマザー(20)が語る、出産後の生活と離婚の理由「養育費は『考えとく』と言われて…」――2024年読まれた記事
文春オンライン / 2025年1月8日 11時0分
じゅんなさん
2024年、文春オンラインで反響の大きかった記事を発表します。家族部門の第2位は、こちら!(初公開日 2024/06/08)。
* * *
高校2年生で妊娠し、17歳で出産した、雑誌『I LOVE mama』のモデルのじゅんなさん(20)。現在は3歳になる娘のシングルマザーとして実家で生活しながらモデルやインフルエンサーの仕事をしている。
そんなじゅんなさんに10代での結婚や出産、子育て、シングルマザーになった経緯などについて詳しく話を聞いた。(全2回の2回目/ 最初 から読む)
◆ ◆ ◆
人生で一番痛かった日
ーーじゅんなさんは17歳になった2日後にお子さんを出産されたんですよね。初めての出産はいかがでしたか。
じゅんな 予定日のちょうど1週間後に出産しました。自然分娩でした。
陣痛は家にいた時に来て、急いでタクシーに乗って病院に行って。促進剤を打ったんですけど、子宮口がなかなか開かず、帝王切開に切り替えることになったんです。そしたら急に破水してそのまま自然分娩でした。
ーー出産後の痛みはいかがでしたか。
じゅんな 子宮口が狭くて、ギリギリの出産だったので骨盤がすごく痛かったです。病院に到着してから9時間で生まれたので、出産自体は安産だったとは思うんですけど、今でも思い出せるくらい人生で一番痛かった日でした。それにコロナ禍で付き添いができず、1人での出産だったので、寂しかったですね。
ーーまだ17歳とのことで、体へのリスクはありましたか。
じゅんな 先生からは、若いとまだ体が準備できていないこともあって、低出生体重児や早産児が生まれる確率が高まると言われました。でも、お腹の赤ちゃんもすくすく成長してくれて無事に出産できましたし、私も出産後すぐに歩けるくらい体力が回復したので、何もなくてよかったです。
ーー17歳同士で育てていくことに経済的な不安はありましたか。
じゅんな ありました。彼はすぐに高校をやめて働いてくれましたが、それでも子どもにかかるお金と自分たちが生活していくお金を考えたらどうしたらいいんだろうと。でも最初のうちは彼の実家が家賃や生活費などを負担してくれたので、最初の頃はなんとかなりました。
ワンオペ子育ての日々
ーー基本的にはワンオペだったのでしょうか。
じゅんな 彼も積極的に手伝ってくれてはいたんですが、日中は仕事だったので、ほとんどワンオペ状態でした。でも、休みの日や仕事終わりには娘と遊んでくれていましたね。
ただ、娘の夜泣きには一切反応しなくて。よく、「お母さんには聞こえるけど、お父さんには聞こえない」っていうけど、まさにそうだなって思いました。隣でギャン泣きしているのにほとんど起きなかったですね。
ーー育児面で辛かったのはどんなところでしたか。
じゅんな 完全母乳で育てたんですが、哺乳瓶を一切受け付けなくて、それが一番大変でした。絶対にママのおっぱいじゃないと嫌だったみたいで、片時も離れられなくて。両親に預けるということもできず、用事がある時も連れて行っていました。ミルクを全く飲まなかったので、卒乳するのが本当に大変でしたね。
相手のDVとモラハラで離婚
ーー妊娠中、若いということで偏見があったということですが、育児中も若ママに対する偏見を感じることはありましたか。
じゅんな 髪を染めたり、ネイルをすると「ママなのにオシャレしてる」とか「衛生的にどうなの?」と言われますね。あとはTikTokのライブ配信中に子どもがぐずっている声が入ってしまうとすぐに「育児放棄だ」と言われたり。若いってだけで、子育てができていないと思われがちなので、人一倍マナーや礼儀に気をつけています。
ーーじゅんなさんは昨年9月に、出産から約3年で離婚を発表されましたが、その経緯は。
じゅんな 初めて公表するのですが、相手のDVが主な原因です。口論になってヒートアップすると手を出してきて。相手はスポーツをずっとしていたので、力も強くて、それがすごく痛くて。それに元々亭主関白的な考え方だったので、「家の中で一番偉いのは夫だ」みたいな考え方でした。
同い年なんですが、常に下に見られるというか。「金を稼いでいるのは俺だから」みたいな。そうはいうけど、お金を払ってくれない月もあって。金銭的にも大変でした。
それで別居をし始めて、その間に離婚の話も何回か出ていたんですが、親権をどっちが持つかで揉めて。別居してから1年半くらい経った昨年、離婚をしました。
ーーお金を家庭に入れてくれない月もあったんですか。
じゅんな そうですね。私の貯金を使う月もありました。それもあったので、早く自分で働きたいと思っていました。
子どもが少し大きくなってからは美容サロンでバイトをしたりしていましたね。
TikTokライブがきっかけで『I LOVE mama』モデルに
ーー2022年には、“キラキラ輝く全国のママを応援”をコンセプトにしている雑誌『I LOVE mama』のモデルとして活動を始めたんですよね。
じゅんな ワンオペで子育てしていると、どんどん不安になってきてしまって。何か自分でも発信したいなと思って、家でもできるTikTokライブを始めたんです。
最初は子どもがいることを明かしていなかったんですけど、子どもの泣き声でバレてしまって。それで、17歳の主婦で子どもがいることを公表して配信したら、同じ境遇の方や同世代の方からいろんな応援コメントをいただいて。
そしたら、それをたまたま見ていた『I LOVE mama』の編集部から声がかかったんです。モデルとしてスカウトしていただいて、そこからお仕事をするようになりました。
家族にも手伝ってもらって、子どもを育てながら月に1回くらい東京に撮影に行っています。自分で働く道を見つけられたから離婚を決意できた部分はあったと思います。
ーー離婚後、養育費はもらっているのでしょうか。
じゅんな 一切もらっていないです。離婚するときも「養育費どうする?」って聞かれて。私はどうするも何も、「払います」って言って欲しかったんですけど、そう言われたんでムキになって「いらない」って言ってしまって。
でも、養育費は娘のためのものだから、離婚後に「やっぱり娘の養育費の足しにしたいので、月に1万円くらいは払ってくれない?」って言ったんです。そしたら「考えとく」って言われて。その後、何も連絡はないです。娘との面会も最初の頃はしていたんですけど、最近は全く会っていないです。
若ママへの偏見を乗り越えて
ーーシングルマザーとして生きていくことを決めた時の心境はいかがでしたか。
じゅんな 不安もあったんですけど、それよりも娘のためを思ったらこの選択でよかったと思います。元々DV気質があったのと、家でも私に対してモラハラのような発言があったので、その生活から離れられてストレスはなくなりました。若かったので仕方ない部分もありますが、もう少し将来のことを考えたらよかったと思います。
ーー改めて高校生で妊娠・出産したことを振り返ってみていかがですか。
じゅんな 最初は不安が大きかったですし、若ママに対する偏見もあったので、精神的にすごく辛かったんですが、今は同年代と比べても考え方が大人になっているのかなと思います。子どもを育てることで気づけたことや子どもから教えてもらったことがいっぱいあるので、そういう面ではよかったのかなと思いますね。今の仕事に繋がったのも、出産した経験があるからなので後悔はないです。
高校を退学した時は、将来の夢を諦めていたんですが、育児中に美容サロンでバイトをしてエステティシャンと脱毛の資格を取得しました。育児をしながらでも、努力して自分の夢を叶えられたので、頑張ってよかったと思います。若ママに対していろんな声があると思いますが、これからも自分の行動で見せていきたいです。
写真=平松市聖/文藝春秋
(「文春オンライン」編集部)
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