高田馬場のスタミナそば、戸越銀座のホルモンそば、板橋の牛肉そば…2025年にブレイク間違いなしの「超人気立ち食いそば」5店
文春オンライン / 2024年12月31日 11時0分
わかりにくい入口が特徴の「蕎麦たつ」
2024年、大衆そば業界も波乱に満ちた一年だった。大衆そば業界にとって、2025年はどんな年になるのだろうか。
そこで、東京近郊で2024年に惜しまれながら消えていった一杯と、2025年ブレイクしそうな一杯を眺めてみようと思う。題して「東京ゆくそばくるそば」。
浜松町「蕎麦たつ」の「冷し春菊天そば」は絶品だった
都営地下鉄大門駅から徒歩5分位のところにあった「蕎麦たつ」は2024年7月31日に閉店した。ヒガシマルの薄口醤油を使ったやや甘めのすっきりしたつゆ。
朝いちで揚げている自家製の天ぷらは絶品。特に「春菊天」「紅しょうが天」「かき揚げ」「とり天」は人気があった。そばは「むらめん」製の生そばの茹で立てを提供していた。2024年前半でもっとも通った店であった。またどこかで再開を期待している。
有楽町帝劇地下「都そば」の「春菊天そば」を忘れない
有楽町の帝劇地下2階の「都そば」が2024年10月31日に閉店した。帝劇ビルが隣の国際ビルとともに建て直しをすることが閉店の理由だ。長年、食べていた味なだけに残念であった。帝劇店では天ぷらは自家製。朝9時台に行けば、「春菊天」、「ごぼう天」、「かき揚げ」などをたくさん揚げていた。
つゆは鰹節の厚削りで出汁をとり、濃口醤油と薄口醤油で関東つゆと関西つゆを作っていた。麺は「むらめん」製の茹で麺を使用していた。華美な味は一切なく、毎日食べても飽きないタイプだった。ベテランの大姐さんは自由が丘駅にあった都そば系の店「田園」の時からお世話になっていた。これで東京近郊の「都そば」はなくなって、大阪界隈での営業となる。
他にも東京都千代田区外神田にあった「きぬそば」が2024年6月27日に閉店した。店主は「キッチン南海」からの独立で「カレーライス」が絶品だった。閉店した大衆そば店の皆様、今までおいしい一杯をありがとうございました。そしてお疲れ様。
西武池袋線の富士見台駅「麺処盛盛」の大人気メニュー「肉そば」
ここからは2025年に人気になりそうな店を紹介しよう。西武池袋線の富士見台駅すぐにある「麺処盛盛」がオープンしたのは2023年12月25日。2024年から本格営業したまだ新しい店である。しかし、そのユニークな作り方や味が評判となり、西武線沿線の肉そばブームを巻き起こした。出汁は鰹節、宗田鰹、鯖節、鰺、うるめ、昆布、椎茸など多種類を使う。返しは濃口醤油で生返し。そして、つゆは一杯ずつラーメン方式で作る。
つまり、返しと出汁を別にしてどんぶりで合わせる方法だ。つゆ薄めや濃いめにも対応できる。そばはむらめん製の田舎そばを使用している。
「肉そば」には炊飯器で保温している炊いた豚肩ロース肉がどっさり入る。その上に細切りにしたねぎがのって提供される。その味はフレッシュなつゆとマッチしていてテンションが上がる。
TVニュースやYouTubeの黙飯にも登場し、今や人気店である。最近は「もつ煮込み」にチカラを入れているそうだ。2025年も大人気間違いなしだ。
INFORMATION
麺処盛盛
住所:東京都練馬区貫井3-6-3
営業時間:平日6:00~20:00
土祝 6:00-15:00
定休日:日曜日
https://www.instagram.com/tachigui_morimori/
板橋区役所前の「えんば」で感動した「おかひじき天そば」
板橋区役所前駅からすぐに「立ち喰いそば・うどん えんば」が2024年4月22日にオープンした。こちらの店主はフレンチ出身で和食の総調理長だったそうだ。寿司屋や割烹で働いていたこともある和食の達人。身近な日常の食べ物、日々忙しく働いている人が手頃な価格で喜んでもらえるような食べものを、肩肘張らず提供したいと始めた店である。
返しは3種類の醤油をブレンドして作っているのだが、その1つが江戸時代後期創業の熊本県山鹿市の「卑弥呼のやまとしょうゆ」。そして丸勝かつおぶし製の本枯れ節の厚削りと薄削り、鯖節、宗田節、さらに昆布や椎茸を使いじっくり出汁をとっている。返しと出汁のバランスは朝、昼と変えている。
天ぷらは自家製で種類が豊富。しかも変わり種の天ぷらも多い。中でもその味に驚いたのが「おかひじき天そば」。天ぷらにするとホクホクの食感になり甘みも増す。唯一無二の天ぷらに出会える店である。
INFORMATION
立ち喰いそば・うどん えんば
住所: 東京都板橋区板橋2-61-16コスモ和光102
営業時間:
月~金 5:00~9:30、 11:00~15:30
土 7:00~14:00
定休日:日祝
板橋区役所前の「蕎麦食堂 いけち」で爆誕した「牛華麗Z定食」
板橋区役所前駅からすぐのところにもう一軒ある「蕎麦食堂いけち」。2024年秋に発売した新メニューが「牛華麗Z定食」だ。創業は2023年4月24日。オープン後は地域にも定着し人気店となっている。最近はセットメニューが人気で、特に牛肉を使ったメニューが人気となっている。
「もりもり牛おろしそば」、「牛丼セット」、牛丼のアタマとかけそば、生玉子、ごはんなどが付いた「牛玉定食」など。そんな中登場したのが「牛華麗Z定食」。これは牛丼のアタマとカレー粉をつゆに入れて温めたつけ汁に冷たいそばをつけて食べる「カレーつけそば」をベースに生玉子、ごはんなどが付いた定食。
この牛カレーのつけ汁が絶品だ。トロミはなくカレー粉の味がダイレクトに広がる。そして牛丼のアタマの甘味が広がる。そばを食べた後はごはんを入れて「カレーおじや」として食べてもいいし、玉子かけごはんとして食べてもいい。なかなかよく考えられたメニューだ。
INFORMATION
蕎麦食堂 いけち
住所:東京都板橋区板橋2-61-4
営業時間:月~土 9:00~18:00(一部15:00に変更になる場合あり)
定休日:日
https://www.instagram.com/ikechi0201/
高田馬場「松石」でブレイク間違いなし「スタミナそば」
2024年9月18日、高田馬場駅前の名店ビル地下1階に「立ち喰いそばうどん松石」がオープンした。立ち食いそば好きの2人で始めた店だけあって、昭和のテイストが満載なメニューが並ぶ。天ぷらは横浜の「天ぷらいわた」(神奈川県横浜市戸塚区小雀町)製の「かき揚げ」「紅しょうが天」「春菊天」「いか天」「ごぼう天」などがずらっとそろう。
そばはむらめん製の「粗挽き」「白」「田舎」などがそろう。つゆは鰹節、鯖節、昆布、椎茸などで出汁をとり、鹿児島産の醤油を使い、返しの濃い甘めのしっかりした味。そんな「松石」で誕生したのが「スタミナそば」である。そのビジュアルが緑一色でたまらない。炊いた豚バラ肉あるいは鶏肉に一束の生のニラがどさっとのり、さらにたまごをのせる。薬味ににんにくが付く。
ニラは根元近くは5ミリ程度に、葉の部分は長めに切られている。まずそばと食べるとはじめはシャキッと、そして次第につゆに馴染んでしんなりしてくる。そこに肉のうまみがONされて、濃いめのつゆがパンチを与える。途中でにんにくを入れて味変するとさらにパンチ力が増す。
ニラを使ったそばといえば、栃木県鹿沼地方の郷土そば「ニラそば」が有名だが、こちらは湯がいたニラがもりそばにのって登場するタイプ。生のニラがどさっとのったそばはあまりみたことがないし、すごくうまい。現在密かに人気上昇中。2025年には大ブレイク間違いなしだ。
INFORMATION
立ち喰いそばうどん松石
住所:東京都新宿区高田馬場1-26-7 名店ビル地下1階
営業時間:月火、木金 7:00~21:00
水・土 7:00~15:00
定休日:日祝
https://x.com/matsuishi_soba
戸越銀座「立喰いそば でん」で大人気の「マルチョウそば」
2024年11月11日、戸越銀座駅すぐにオープンした「立喰いそば でん」。都内などに7店舗出店して人気のある「もつ焼きでん」の経営だ。
開業してから徐々に人気になり、男女問わず来店者が増えているとか。さとりん店長が揚げる天ぷらもうまいのだが、こちらではやはり牛の小腸を使った「丸チョウそば」がブレイク中とか。しっとりとした脂身が、あご出汁30%、かつお30%、さば20%、煮干し20%で出汁を作っているつゆと出会うことでうま味が一気に広がっていく。ここだけで味わえる一杯だ。
INFORMATION
立喰いそば でん
住所:東京都品川区平塚1-5-9
営業時間:月~金7:00~21:00
土日祝 8:30~16:00
https://www.instagram.com/tachiguisobaden/
JR常磐線綾瀬駅東口すぐのLieta内に「立ち食い蕎麦・酒処 稜」が2024年12月7日に、都営新宿線大島駅すぐに「そばうどん処福太郎」が2024年12月9日にオープンした。コロナ禍を経て2025年にブレイクしそうな大衆そば・立ち食いそば屋は増えそうな予感だ。
(坂崎 仁紀)
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