「抗がん剤を使えば13カ月、使わなければ…」最愛の夫が死去、元ピンク・レディー増田惠子が明かした“一番苦しかった時間”
文春オンライン / 2024年12月30日 6時0分
元ピンク・レディーの増田惠子氏。亡くなった夫・桑木知二氏のことも語った Ⓒ文藝春秋
“時代を作った人たち”の本音に迫る対談企画「有働由美子のマイフェアパーソン」(月刊誌「文藝春秋」で連載中)。
今回は元ピンク・レディーの増田惠子さんが出演し、2024年8月に膵臓がんで亡くなった夫との日々を振り返った。
◆◆◆
抗がん剤治療を選ばなかった
有働 44歳の時にご結婚されたサウンドプロデューサーの桑木知二さんが、今年(2024年)8月21日、膵臓がんで亡くなられました。ケイさんのブログでのご報告、涙なしには読めませんでした。3月にがんが見つかり、4月にステージ4の末期と診断され、抗がん剤を当然のように勧められたけれど、お二人でしっかり話し合われて、抗がん剤治療を選ばなかったそうですね。
増田 もともと互いの死生観はよく話していました。主人は薬嫌いで、どんなに熱があってもできるだけ飲みたくない人。だからがんになっても、抗がん剤治療は受けたくないと考えていた。そういう死生観は理解していましたが、いざ膵臓がんで末期とわかった時にはやっぱり迷いました。今思えば、結論を出すまでの時間が一番苦しかったですね。
有働 その結論を出す前夜に、ケイさんが勇気を出して……。
増田 言わないと後悔するかもしれないと思ったので「抗がん剤治療を受けてほしいと思っている」と伝えました。主人はとても穏やかな笑顔で私の話を聞いて「受けるつもりではいるよ。だけどまだ説明を聞いていないことがあるんだ。それを納得したいんだ」と答えてくれて。翌日、病院の面談で一番怖かった質問をすると、お医者さんから「抗がん剤を使わなければ4カ月、使えば13カ月」と説明されました。それを聞いて思いが一致したんです。抗がん剤治療を受けたからといって何年も延命できるのではない。まだ元気だったし自覚症状もなかったので、抗がん剤を使わずに今までと同じ生活をし、お互い一日一日を大切に楽しく笑顔で暮らしていこう、と。
有働 「命の長さではなく、生活の質を選ぼう」と2人で決めたとブログに書かれていました。ただ、そこからが大変ではなかったですか?
増田 主人はすごく前向きな考え方をする人でした。末期がんと宣告されたら、いくら主人でもちょっとは落ち込むかなと思ったんですけど、ずっと夜はぐっすり。枕に頭を付けたら5秒で寝ちゃうんですよ。宣告後もいっぱい食べて、タバコは隠れて吸っていた(笑)。アマチュアでバンドをやっていたのですが、練習後の飲み会も変わらず参加してお酒も飲み、発表会もやり。本当に今までと変わらないように生活していたので、宣告は何かの間違いじゃないか、と思うくらい元気だったんですよ。
有働 強靭な精神力ですね。
増田 それまでもずっと主人のことが大好きだったので、どうしたら主人が毎日笑顔で幸せに暮らしてくれるかなと思って生きてきましたが、限りがあると聞いてからはもっともっと……。主人の姿勢には、私を動揺させたくないという思いもあったのでしょうね。
支えてくれた同期の友人
有働 がんは、患者さんの一番そばにいる人が、痛みを代わってあげられない無力感や不安にとらわれることも多いですよね。
増田 私の場合は、芦川よしみちゃんという同期デビューの友達が、旦那さまがドクターということもあって、心配してわが家によく来てくれていたのが大きかった。膵臓がんが見つかった直後の検査入院の時も病院まで同行してくれて、帰りに言ってくれた「一緒に頑張ろうね」という一言がすごく心強かったです。
有働 ケイさんもまた、ご友人に支えられていたのですね。
増田 彼女がいてくれたので私は壊れずにいられました。主人は最後の10日ほど痛みで苦しんだので、息を引き取った時には、悲しみより「痛みから解放されてよかった」という気持ちの方が強かったです。
※本記事の全文(約8600字)は「文藝春秋」2025年1月号と「文藝春秋 電子版」でご覧ください(増田惠子×有働由美子「 忙しくても『嫌だ』と思うことはなかった 」)。全文では、下記の内容をお読みいただけます。
・ 実はトントン拍子ではなかった
・ もし生まれ変わったら……
・ イヤモニを使わなかった理由
・抗がん剤治療を選ばなかった
・ 支えてくれた同期の友人
・最近、歌詞が飛ぶことも
・解散してイメージが変わった
(増田 惠子,有働 由美子/文藝春秋 2025年1月号)
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