母親を殺した男をなぜ「良きパパ」と呼ぶのか…?」《静岡2女性殺害事件》長女しか知らない「犯人男のもう一つの顔」(2010年の事件)
文春オンライン / 2024年12月30日 17時0分
都内某所で取材に応じる長女・結海さん(写真:筆者撮影)
実の母親を殺されたにもかかわらず、犯人を今も「良きパパ」と評するのが遺族で長女の結海さん(仮名、20代前半)。かつての母親の恋人で、加害者でもある桑田一也死刑囚にいだく「複雑な思い」とは…? ノンフィクションライターの高木瑞穂氏の新刊『 殺人の追憶 』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/ 後編 を読む)
◆◆◆
「私のなかでは『良きパパ』だった」
被害者遺族から見た男の素顔は、意外なものだった。
「母が結婚、離婚を繰り返したなかで、桑田は、父親らしいことをしてくれた唯一の人でした。私のなかでは『良きパパ』だったんです。だからこそ、なんで殺しちゃったんだろう、という思いがあるんです」
2024年6月、当時のことを振り返り結海さん(仮名、20代前半)が事件以来、初めて語った。いまから14年前に起きた、女性2人を殺めた殺人事件で、桑田一也死刑囚(59歳)により殺められた被害者の一人、久松紘子さん(当時25歳)の長女だ。
「私が小学校1年生の頃のことです。授業が終わると、よくパパが車で学校まで迎えに来てくれていました。家に着くまでのなかで、友達のことや給食のメニューのことを話したり、帰ってからも宿題を見てもらったり。そこだけ考えると、別に殺しをしてなければいい人だったし、っていう」
なぜ母親殺しの憎き犯人を「良きパパ」と呼ぶのか。
そう、血こそつながっていないが、母が亡くなるまで桑田も静岡・沼津市清水町の自宅アパートで一緒に暮らす家族だったからである。連れ子であっても実の娘のように優しく接してくれていたからである。こうして結海さんのなかでの桑田は「良きパパ」としてだけ強く記憶に残っていた。
桑田は紘子さんと出会う前、別の女性Aと結婚し、子供もいた。
理解できないのは、桑田は紘子さん家族との生活を送りながら、離婚したはずの元妻Aやその子供とも何食わぬ顔で暮らしていたことだ。正式には離婚しておらず、離婚届を改ざんし、勝手に提出して紘子さんと再婚していた。
桑田は何のために、そうまでして2人の女性と同時に結婚生活を送ったのか、それはある事件をきっかけにして徐々に捲れていく。
〈 ダブル不倫の末に恋人を殺害、2000万円を盗んだだけじゃない…《静岡2女性殺害事件》犯人男のヤバすぎる人柄(2010年の事件) 〉へ続く
(高木 瑞穂/Webオリジナル(外部転載))
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ダブル不倫の末に恋人を殺害、2000万円を盗んだだけじゃない…《静岡2女性殺害事件》犯人男のヤバすぎる人柄(2010年の事件)
文春オンライン / 2024年12月30日 17時0分
-
逮捕後に不倫相手に届いた手紙には「一分一秒でも早くあなたの元に帰ります」 妻子殺害などの罪で無期懲役の判決を受けた男 裁判で明らかになった殺害の経緯と動機
BSN新潟放送 / 2024年12月30日 6時0分
-
「ノーコメント」「あっけないですね」 加害者の元少年からの回答 並んでいたのは信じられない言葉 娘を殺害された母の苦しみ、加害者に伝わらない悲しみ
RKB毎日放送 / 2024年12月28日 12時3分
-
母を殺された息子、刑事となり、13年かけて犯人を追い詰めた…韓国、執念の検挙に「映画のよう」
KOREA WAVE / 2024年12月10日 18時0分
-
「袴田さんの死刑執行を命じられたら、クビを覚悟でボイコットします」当時の警備隊職員たちが語っていた本音
プレジデントオンライン / 2024年12月5日 11時17分
ランキング
-
1維新提唱の1人区「予備選」に壁 参院選、野党内の反応鈍く
共同通信 / 2025年1月3日 17時26分
-
2愛知県内の「特殊詐欺」被害額 過去10年で最悪に…去年1月から11月までに37億円超
CBCテレビ / 2025年1月3日 19時52分
-
3福島、津波被災の町に移住者増加 住宅価格が手頃、子育て支援も
共同通信 / 2025年1月3日 17時3分
-
4神戸の民家に男女3人の遺体 親族間でトラブルか 現場にはハンマー
毎日新聞 / 2025年1月3日 17時11分
-
5「クチャラー」から抜け出す簡単な3つの習慣 「音をたてて食べる」はウザがられる
J-CASTニュース / 2025年1月3日 16時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください