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ダブル不倫の末に恋人を殺害、2000万円を盗んだだけじゃない…《静岡2女性殺害事件》犯人男のヤバすぎる人柄(2010年の事件)

文春オンライン / 2024年12月30日 17時0分

ダブル不倫の末に恋人を殺害、2000万円を盗んだだけじゃない…《静岡2女性殺害事件》犯人男のヤバすぎる人柄(2010年の事件)

〈 母親を殺した男をなぜ「良きパパ」と呼ぶのか…?」《静岡2女性殺害事件》長女しか知らない「犯人男のもう一つの顔」(2010年の事件) 〉から続く

 不倫関係にあった女性を殺害しただけじゃない…2010年、静岡で2人の女性を殺したことが明るみになった桑田一也死刑囚。男の犯行はなぜバレたのか? そして事件を探るなかで明らかになった、その恐るべき犯行手口とは? ノンフィクションライターの高木瑞穂氏の新刊『 殺人の追憶 』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/ 最初 から読む)

◆◆◆

明るみになる残忍性

 発端は2010年4月、桑田が詐欺容疑で逮捕、起訴されたことにさかのぼる。そのとき小さなリフォーム会社を経営し、事業に行き詰まり生活に困った桑田は、知人女性に対して約90万円の詐欺を働いた。逮捕時に写真週刊誌に載った桑田の本人写真は、パンチパーマに色付きのメガネをかけいかにも強面風だったが、犯した罪からすれば単なる小悪党だと当初は見られていた。

 だが、後に、過去に女性2人を殺めていたという、隠れたもう一つの顔が明るみになる。一人目の被害者は、2005年当時に桑田と不倫関係にあった日比野かおりさん(当時22歳)だった。

 桑田は、妻子ある身でありながら、2005年7月から日比野さんと沼津市内の自宅で同棲生活を始めた。が、住宅ローンの返済や生活費に困り日比野さんの郵便貯金口座から合計990万円を無断で引き出した。後に桑田の仕業だと発覚し、日比野さんは桑田を責めたが、返済を確約したことから被害届を提出することはしなかった。

 同年10月26日夕方、事件当日。桑田と日比野さんは、カネの返済を巡り口論となった。現場は自宅寝室で、日比野さんはベッドに腰掛け、桑田は立っている状況だった。

 日比野さんが「いつお金が用意できるかはっきりして」と詰め寄った。桑田が「それはできない」と拒むと、日比野さんは痺れを切らして「警察に事情を話して、訴える」と言って立ち上がり、寝室から出ようとした。

 桑田は日比野さんを落ち着かせようと両肩を押さえ、座らせるようにしながら「警察は勘弁してくれ」と懇願した。日比野さんは「ふざけるな」と大声で怒鳴り、桑田の頬を平手で2度叩いた。すると桑田も頬を平手で叩くなどやり返した。

 それでも部屋を出ようとする日比野さんを、桑田は両腕を掴んでベッドに引き戻した。ベッドに仰向けに倒れ、後頭部をベッド傍の壁に打ち付けた日比野さんが「これは傷害だし、お金をとって返さないのは泥棒だ」と騒ぎ始めたため、桑田は日比野さんの口を塞ごうとして右手を伸ばした。だが日比野さんは腹部を蹴るなどして抵抗した。

 桑田は日比野さんの腹部に馬乗りになり、ついに頸部を両手で強く圧迫し窒息死させた。そして日比野さんの遺体を自動車のトランク内に隠した。その後、遺体をドラム缶内に移し替えて、当時借りていたアパートから徒歩で5分もかからない資材置き場に放置した。

 日比野さんの遺体は死ろう化した状態で発見された。発端は、紘子さん殺害の報道を見た日比野さんの母親が、テレビ報道で桑田の顔を見て「娘が交際していた男だ」と警察に連絡したことだった。殺害から5年近くも発覚しなかったのは、桑田が日比野さん名義の携帯で、日比野さんの母親にメールを返信するなどの隠蔽工作をしていたからだった。

 桑田は、偽造の疑いがある委任状を使って日比野さんの銀行口座から2000万円もの大金を引き出していた。それらは生活費、出会い系サイトの使用料、遊ぶ金などに使っていたことも分かっている。

第二の被害者

 二人目の被害者は紘子さんだった。

 日比野さん殺害後も妻を顧みない生活を続けていた桑田は、2009年1月頃から紘子さんと同棲を始めた。いわゆるダブル不倫だった。

 その後、夫と離婚した紘子さんが桑田との結婚を望むようになったため、二人の間でケンカが生じた。同棲自体は継続したいと考えていた桑田は、妻に内緒で離婚届を提出した上、結婚式まで挙げた。だが、甲斐性のない桑田にあって、結婚後もその生活苦からケンカが絶えなかった。

 桑田は、紘子さんから元妻にカネを出させるなどと言われたことから嫌気がさし、ついに別れ話を切り出した。対して憤慨した紘子さんは、元妻Aのところに行くなどと息巻いた。

 それを阻止すべく犯行を決意した桑田は、詐欺容疑で逮捕される同じ年の2月、紘子さんの首を絞めて殺害した。遺体は、元妻Aと住んでいた静岡・御殿場市内の空き家まで車で運搬した上、物置内にブルーシートに包んで隠していた。

 ブルーシートに梱包したり、ドラム缶に詰めたとはいえ、桑田は、元妻Aと子供たちが暮らしていたであろう敷地内や近所に死体を遺棄し、のうのうと生活を送っていたようなのである。死体は、多くの事件では土地勘のない山中などに遺棄されるところ、行き当たりばったりを剥き出しにしたような犯行だった。ちなみに桑田の蛮行は、2010年5月に紘子さん殺害、2010年8月に日比野かおりさん殺害と、順次発覚している。

結婚の目的は金か?

桑田が殺人・死体遺棄容疑で逮捕されるまでの道のりを整理すると、こうだ。

・2000年12月、静岡・御殿場市内に自宅を購入。元妻Aと子供3人で暮らし始める
・2002年、日比野かおりさんと出会い、交際。静岡・沼津市内のアパートで暮らし始める
・2005年10月、日比野かおりさんを殺害
・2009年6月、元妻Aと書類を改ざんして離婚
・2009年10月、紘子さんと再婚
・2010年2月、紘子さんを殺害
・2010年3月、紘子さんとの離婚届を提出。御殿場市内の自宅一軒家が競売にかけられる
・2010年4月、知人女性への詐欺容疑で逮捕
・2010年5月、リフォーム業者が、競売にかけられていた御殿場市内の住宅敷地内で、紘子さんの遺体を発見
・2010年8月、日比野かおりさん殺害が発覚

 いずれも標的は女性。しかも日比野かおりさんのケースでは、殺害した上、後妻業事件の逆バージョンのようにしてカネまで手に入れた、となれば、紘子さんともカネ目的で結婚し、果ては殺害までしたことになるのか――。
 

(高木 瑞穂/Webオリジナル(外部転載))

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