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「トークはほぼ敬語、いつもニコニコ…」紅白初出場の「B'z」稲葉浩志と松本孝弘が結成から今までずっと仲良くできたワケ

文春オンライン / 2024年12月31日 6時10分

「トークはほぼ敬語、いつもニコニコ…」紅白初出場の「B'z」稲葉浩志と松本孝弘が結成から今までずっと仲良くできたワケ

B'z(WOWOW公式サイトより)

「第75回NHK紅白歌合戦」特別企画としてB'zの初出場が決定した。連続テレビ小説「おむすび」の主題歌「イルミネーション」を披露する。ファンの間では今年の出場可能性が囁かれていたという待望の紅白でどのようなパフォーマンスをみせるのか。

◆ ◆ ◆

紅白に「ついに出るの!?」

 日本が誇るモンスター・ユニットB'zが、ついに紅白に出場する。デビュー以来、メガヒットを連発しながらも、一切出場がなかっただけに、反響はウルトラ級。Xでトレンド入りを果たしているのは当然ながら、多くのコメントに「ついに出るの!?」「これはすごい!」と、「!」「?」マークがついているのが、喜びと驚きの大きさを表している。

 ヴォーカル・稲葉浩志の出身地である岡山県津山市の市役所の電光掲示板に、31日まで「祝 紅白歌合戦 初出場 B’z稲葉浩志さん(津山市出身/市民栄誉賞受賞者)」とメッセージが表示されるというニュースも微笑ましい。

 常にトップを走り続ける彼ら。1988年と、昭和の終わりにデビューしたが、今なおその名を知らない人を探すほうが大変というレベルの知名度をキープしている。しかし考えてみれば、曲の多くは知っているが、彼らのプライベートは謎。あまり情報が流れてこない。なにより、仲たがいや解散危機のニュースをほとんど目にしたこともない。

YOSHIKIが伝えたB'zの魅力

 常に心に響く曲を、2人の揺るぎないパフォーマンスで聴ける、見ることができる。この安定感の継続こそ、何よりの偉業ではないだろうか。

 2023年7月19日に放送されたNHK「クローズアップ現代」「独占告白 B'z 時代を鼓舞する音楽のチカラ」で、YOSHIKIが彼らの魅力として伝えた「ちゃんと安定していい曲を作れる、バンドを続けていこうとする努力をされている」はまさにいい得て妙だ。

「一緒にバンドをやろう」なしで活動開始

 B'zの結成秘話を辿っていくと、なんと「一緒にバンドをやろう」という言葉が1回もないまま活動が始まり、今に至るという。

 松本孝弘は20歳で音楽業界に入り、浜田麻里やTM NETWORKのツアーサポートやスタジオ・ミュージシャンとして活動。さらにやりたい音楽を追求すべく、自分のバンドを作るため、メンバーの人選に苦労する中、長戸大幸に渡された稲葉浩志のテープに行きついたのである。聴いた時点でひらめき、彼と組むことを心に決めた、というエピソードはまさに運命的だ。

松本と稲葉のトークはほぼ敬語

 そして1988年5月、松本と稲葉が音楽スタジオでThe Beatlesの「Let It Be」「Oh! Darling」をヴォーカルとギターだけで初セッション。ここから自然とデビューに向けて進んでいく。ちなみに、2023年7月15日に放送されたWOWOW「B'z Live History Vol.3」では、彼らが当時を振り返りつつ「Oh! Darling」をセッションするという、「B'z LIVE-GYM Pleasure 2008 -GLORY DAYS-」のワンシーンが流れた。

 そこで、松本が稲葉を見ながらなんとも嬉しそうに「これが伝説の始まりですよ(ニコニコ)……」的なことを照れながら言っていたのがとても印象深かった。2人の笑顔は「ニコニコ」なのである。そしてトークがほぼ敬語。ドヤ!でも、オラオラでもない。これが本当にすてきで、「(曲だけ知っている人も)ぜひライブを観てほしい」というファンの気持ちがとても分かったワンシーンだった。

古舘伊知郎の松本評「なんていい人なんだろう」

 デビュー当時に話を戻そう。デモテープを聴き、すでにピンときていた松本にしてみれば自然な流れだったろうが、稲葉はデビュー前の素人である。売れたからこそ「一緒にバンドをやろうと言われてない」とのんきに回想できるのだが、当時はあれよあれよと話が進み、戸惑ったのではなかろうか。それでもしっかり信頼関係をつなげ、稲葉のヴォーカルと作詞の才能を開花させていくあたり、松本のコミュニケーション能力はすごい。

 この松本の性格について、伝説の音楽番組「夜のヒットスタジオ」で司会を担当していた古舘伊知郎が、自身のYouTubeチャンネル(「古舘伊知郎チャンネル」)で、

「俺がB'zで心に残っているのは、“なんて律儀で謙虚な2人組”って思ってましたから。何一つ、わがままな振る舞いゼロ」。

 そして、常に質問に答える窓口は松本孝弘だったとし、

「なんでも素直に質疑応答に答えてくれる。あまりにもスムーズな川の流れなんで、失礼だけど内容は覚えていない。ただ、なんていい人なんだろうという風の余韻だけが、皮膚感覚に、記憶にとどめている」

 と、なんとも風流な言い回しで、その人柄を絶賛している。

 この松本の「スムーズな川の流れ」に乗り、リスペクトを続け、どれだけ人気が出ても彼を押しのけてまで前に出ようとしない稲葉浩志もこれまたすごい。「稲葉さんは松本さんのTO(トップオタ)」という情報を何度か見たことがあるが、まさにお互いが最高のファンであるのだろう。

「最初は『もっとしっかりしてくれよ~』と…」

 もちろん、いきなり順調とはいかなかったようで、松本があるラジオで、嬉しそうに「最初は『もっとしっかりしてくれよ~』と思っていたが、どんどん作詞もうまくなり、刺激を受けた」と話していたのを聞いたことがある。おっとりした稲葉を兄のように見つめながら、その成長を楽しみ、自身もその才能を目いっぱい吸い込んでいる感が出ていた。

 デビューから36年経った今もなお、2人の姿や曲からそれが伝わってくるのだからすごい。

ラブソングの奥に見えるパートナーシップ

 B'zから聴こえてくるのは、ひたすら「大切な君」のご機嫌に一喜一憂しながら、その笑顔を守り、手をつないで果てしない世界に行こうともがく、奥手の素直な青年である。

 稲葉が綴るやさしく、愛する側の目線で描かれた言葉が、松本のソウルフルなサウンドに運ばれ、多くの人の心に沁み入る。私は昔「さよならなんかは言わせない」という曲で「弱音を吐くなら さあ聞いてやる」という歌詞があり、ああ、「強くなれ」「ぶちかませ」ではないのだ、「聞いてやる」なんだ、なんとやさしいロックなんだろう! と驚いたことがある。

 決して壮大な世界観ではなく、大切な人と手をつなぎ、その笑顔を守りたい、ということが多く歌われる。「ALONE」(ひとり)であることも、その大切な誰かと巡り合うため。彼らのラブソングには、お互いリスペクトできる、奇跡のパートナーシップというバックボーンを感じる。ビジネスだけでは語り切れない2人の「奥行」が、名曲を生んでいく。

ファンを思うB'zの真摯な言葉

 2023年、35周年という区切りにリリースした「STARS」について、彼らはこんな風に話していた。

「いろんな場所でのライブで、外だったら例えば日差しを浴びたり、ときに雨に打たれたり、室内だときれいなライトに当たったりとか、会場でのオーディエンスの皆さんの姿が一番最初に思い浮かびました。それが自然に出てきて、皆さん本当にキラキラ輝いてて星みたいだなと」

「輝き方はそれぞれ違いますからね。そういうものにわれわれは照らされながら、35年間やれてこられたという気持ちもあります」(「クローズアップ現代」)

 B'zの楽曲は、いろんな感動を持って楽しむファンに“照らされている”。なんとも眩い星空!

 紅白歌合戦でも、彼らを見守る“星”(ファン)の瞬きを受けながら、素晴らしい「イルミネーション」を届けてくれるのは間違いない。

 そして、その感動が、きっとまた誰かを灯す。

「さよならなんかは言わせない」(作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘)

(田中 稲)

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