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板橋の3億円豪邸、17歳長女がデビュー…辻希美(37)はなぜママタレとして成功したのか? 大炎上した“15年前の事件”でみせた「賢すぎる対応」

文春オンライン / 2025年1月8日 11時10分

板橋の3億円豪邸、17歳長女がデビュー…辻希美(37)はなぜママタレとして成功したのか? 大炎上した“15年前の事件”でみせた「賢すぎる対応」

辻希美(37)

 元モーニング娘。の辻希美さんの長女・希空さんが自身のYouTubeチャンネル『希空ちゃんネル』を開設、インフルエンサーとしてデビューしました。

 辻ちゃんの長女がもう17歳……マジ月日は百代の過客。かつて母親が歩んできた「アイドル」でもなく、父親の職業である「俳優」でもなく、知名度のある2世として一番収まりのいい「タレント」でもなく、「インフルエンサー」という肩書きを選んだところに、辻ファミリーがここまで築き上げてきたプライドのようなものを感じずにはいられません。

12歳でモー娘。デビュー、20歳で電撃結婚

 芸能界には「嫌われ者曲線」という独特の指標があります。石の上にも3年、嫌いな芸能人ランキングの上にも3年。たとえば出川哲朗さん、江頭2:50さん、“カトちゃん妻”綾菜さん……かつて嫌われ芸能人の常連だった彼らですが、今や人の家で充電させてもらったり登録者数驚異の450万人越えYouTuberになっていたり『婦人公論』でエッセイ書いていたりする。嫌われ続けたものだけがたどり着ける境地が芸能界にはあるのです。

 辻ちゃんはそんな「芸能界嫌われ者曲線」を最も達者かつダイナミックに乗りこなした女性であることは間違いありません。12歳でモーニング娘。のメンバーとしてデビュー、そして20歳で俳優の杉浦太陽と電撃結婚……それはアイドル時代は娘を見るような目で見守っていた世間が、一斉に牙を剥いた瞬間でもありました。

ブログが大炎上した15年前の“事件”

 枚挙にいとまがない辻ちゃんの炎上エピソードですが、最も有名なものはやはり「流しそうめんにウィンナー事件」ではないでしょうか。もはや辻ちゃんの代名詞と言っても過言ではない、結婚後の辻ちゃんの隣には加護ちゃんでも杉浦太陽でもなくウィンナーがいた。ウィンナーを流した理由は「子どもを食事に集中させるため」とのことでしたが、そのぶっとんだ感性にコンサバティブなママたちは卒倒しました。

ヤキモキしながらもチェックせずにはいられない

 しかしその一方で、元モーニング娘。の中で最も顕著なビジネス的才覚を持ち合わせていたのも辻ちゃんでした。インターネットの商売において、炎上は商機でもある。彼女がどこまで自覚的にそれを行なっていたのかわかりませんが、自分の粗探しをする人たちが結果的に自分を儲けさせてくれることになっている。アンチたちもその望まない結末にヤキモキしながらも、いつ辻ちゃんがウィンナーを水に流すかわからないのでチェックせずにはいられない。ここに辻ちゃんとアンチとウィンナーのエコシステムが完成されました。

「反論しない」「反応しない」「悲観しない」

 世間に対して「反論しない」「反応しない」「悲観しない」。ただただ幸せな食卓のどこかにウィンナーを登場させる。それが3億円ともいわれる豪邸を呼び込み、YouTubeでの推定収益は600万円、アメブロからも700万円、アパレルや化粧品、テレビへの出演料などを加えれば年収2億円超と囁かれるほど、ドーンと稼ぐ板橋の女を誕生させました。まさにママタレ界の東の正横綱。

なぜ辻ちゃんはママタレとして成功したのか?

 そもそもママタレントとは非常に矛盾と欺瞞をはらんだ肩書きです。「仕事」というのは常になんらかの契約と社会的責任を負うものですが、ママタレントにおいては「家族に何かあったら、仕事なんか投げ出して駆けつけます。だって私にとっては家族が一番なので……」とうっとり『たまひよ』などで語らなければいけない。つまり仕事を投げ出すアピールが、仕事への訴求ポイントになるという、ホヤが自分の脳みそを食べながら成長するみたいな摩訶不思議な論理で成り立っているジャンルなのです。

 辻ちゃんのママタレとしての成功は、その欺瞞をいかに上手にうやむやにするかにありました。それを可能にしたのが「ブログ」や「動画」という「テクノロジー」です。

 辻ちゃんはテレビのスタジオでもなく、コンサート会場でもなく、自分の家をステージにしました。カメラを置き、料理を作る。子どもたちとの他愛もない会話を撮影する。ダイニングで日々の子育ての悩みや苦労を吐露する。その様子をYouTubeにアップすれば、たくさんの視聴者が共感し、コメントを寄せる。この世に2億稼ぐ専業主婦など存在しないと思いますが、動画というテクノロジーは辻ちゃんを「専業主婦」として見せてくれるのです。動画を最初に発明した人もまさか辻ちゃんがこの技術を最も巧みに使うとは思ってもみなかったでしょうね。

数々の炎上を乗り越えて……

 もちろんテクノロジーだけではありません。自分はみんなと同じ専業主婦であるとカメラの前で演じ切る辻ちゃんの胆力も重要。顔を出さないとはいえ、家族を動画に登場させることにはたくさんの批判があったことでしょう。そこは数々の炎上を乗り越えてきた辻ちゃん、自身のメインチャンネル、夫とのカップルチャンネル、長男と次男のみが出演するチャンネル、そして今回デビューした長女の『希空ちゃんネル』と、まさに令和の家内制手工業。「嘘」の世界を「ホント」に見せるため、リアリティとはサンプル数の多さが醸し出すことを辻ちゃんは本能で悟っているのかもしれません。

稼いでいるのに地元に残る

 テクノロジーと演じ切る力。そしてこれがママタレ・辻ちゃん成功の最も重要なポイント「板橋区的愛おしさ」。稼いでいるのに地元に残る、これこそ辻ちゃんの鋭敏な嗅覚の賜物だと思います。港区のタワマンにも住めるであろう財力があるのに、ずっと身近な存在でいてくれること。結局ウィンナーなんですよ。加工肉、やっぱおいしいじゃないですか。おでんのウィンナー、結局うまい。酒のつまみにウィンナー、間違いない。ごはんのお供にウィンナー、合う。素材を吟味し栄養バランスに気を使った手の込んだ料理を秒で追い抜いていく罪な味、それがウィンナー。

 ママタレ界の西の正横綱・工藤静香はSupremeのジップロックに干し芋をしのばせますが、決してキムタクやKōki,やCocomiの食卓にウィンナーをしのばせません。工藤静香は降りてこないけど、辻ちゃんはいとも容易くウィンナーに降りる。辻ちゃんが「嫌われ者曲線」を乗りこなし、人気ママタレへと歩みを進めた要因はそんなところにある気がするのです。

 今から10年以上前になりますが、『女性誌レビュー』という企画でギャルママ雑誌『I LOVE mama』を定期購読していたことがあります。そこには辻ちゃんのように若くしてママになったギャルたちが、つーちゃん(益若つばさ)のつけまを再利用しながら、デコネイルに火を灯すように節約する姿が。彼女たちの目指すもの、それは一にも二にもマイホーム購入。専業主婦として家族を支えながら、「若いママだからってバカにしないで!」と世間に気を張りながら、いつか夢のマイホームを手に入れたい。辻ちゃんは「ギャルル」*としてはあんま活動できなかったけど、多くのギャルママたちの悲願を今板橋で達成しているのです。
*2007年にデビューしたつんく♂プロデュースのギャルユニット

(西澤 千央)

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