「もしかすると今楽しくないかも」ksonさんが“大手VTuber事務所”を辞めた後に受けた初めてのショックとは「数字や反響を気にする気持ちが大きくなりすぎて…」
文春オンライン / 2025年2月1日 11時0分
ksonさん ©文藝春秋 撮影・三宅史郎
〈 「毎日2~3回くらい配信して最初の3カ月はフルタイムの仕事も続けてた」ksonさんが語るVTuber時代の超多忙生活と、配信者の“承認欲求”問題 〉から続く
時には年間で1億円のスーパーチャットが飛び交う景気のいい世界でありながら、突然の活動休止も続くVTuberの世界。
大手事務所のVtuberの“中の人”として活動していた時期を経て、現在は個人で活動するksonさんは、事務所からの退所を決めたきっかけ、「今楽しくないかも」と気づいてしまった瞬間、そして長く活動を続けるたった1つの大事なポイントについてお話を伺った。
「当時は大きな事務所が2つくらいしかなくて、両方に…」
――事務所で活動することになったきっかけはオーディションですか?
kson オ-ディションですね。当時は大きな事務所が2つくらいしかなくて、両方に10分ぐらいの動画を作って送ったら、片方の事務所から次の日にすぐ連絡が来ました。もう1つの事務所からも1週間後ぐらいに「お話を聞きたいです」と連絡いただいたんですけど、その頃にはもう全部決まっちゃっていたのでお断りしました。想像つきませんけど、別の世界線があったかも知れないですね。
――2020年くらいのVTuber事務所って内部はどんな感じだったんでしょう。
kson 自由……というか何でもアリでした。今は本当に厳しそうですよね!
――放置状態?
kson 言われた3Dモデルのアプリをダウンロードして「あとはご自由に」っていう。実は私はある別のキャラクターをもらう予定だったんですけれど、色々あってオリジナルモデルを作ることになってデビューが半年くらい後ろ倒しになったんですよ。だから同期もいなくなっちゃいました。
――そんなところにも別の世界線が。
kson でも結果的にオリジナルだったのでちょっと希望に沿って作ってもらえたのはラッキーでした。体感ですけど、すでにモデルがあって自分が「中の人」に選ばれて活動するのと、自分の性格とか喋り方が合いそうなモデルを作って活動するのは負担が結構ちがう気はしますね。特に私は別の人格を演じるのが下手だから、ストレスになってたと思います。
――大きな事務所であるほど、なかなか自分では選べませんよね。
kson 与えられたモデルに近いキャラクターを細かく作り上げて演じているうちに苦しくなっちゃう人もいるみたいです。私はモデルも活動も自由にさせてもらって楽しくできたけど、自分そのままで活動することで逆に辛くなっちゃう人もいるし、難しいですね。
視聴者に「なんでいるの? どうして私なの?」と不思議
――他のVTuberさんとの横のつながりってあるんですか?
kson ありますよ。VTuber特有の苦労ってあるし、そういう話は他の人とはできないので盛り上がります。現役の子とかもう辞めた子とかが集まって時々パーティーしたりしますよ。
――どんな話をするんでしょう。
kson 一番は「このブームいつまで続くんだろうね」っていう話。もうこれが鉄板の話題。
――不安、という感じなんですか。
kson 不安というより、本当に不思議という感じですね。3年前は「3年後はさすがにやってないよ」って言ってたし、なんとか続いてるけど「でもさすがにもう3年はキツくない?」みたいな。私もそうなんですけど、なんで自分が見てもらってるのか全然わかってないんですよ。「なんでいるの? どうして私なの?」って思ったりします、視聴者の方に対して。
――視聴者を増やそうとして何か計算しているわけではない?
2021年に事務所でのVTuber活動をやめた理由
kson 私の場合は、最初の頃は数字の見方もよくわかってなかってませんでしたね。YouTubeで数字が出るようになってからも、あんまりその数字の大きさは気にしてなかった気がします。視聴者が100人か1000人か1万人かってこっちからは見えないので。コメントが増えると流れが速くて読みにくくはなりますけど、それぐらい。周りを見てても、長く続く子はあんまり視聴者数を気にしてない気がします。
――視聴者数以外だと何を気にしてるんでしょう。
kson 「自分が楽しい」ことを優先してる人は安定感がありますね。視聴者さんって数も反応も絶対思い通りにはならないから、数字とか収益を一番にしちゃうと辛くなりやすい。「好きなことを好きなようにやってる」と思えた方がやっぱり続きますよね。
――ksonさん自身が辛いなって思った時期はありますか?
kson 事務所の終盤の時期はさすがに楽しいとか言っている場合じゃなかったですねぇ……。
――可能な範囲で構わないのですが、2021年に事務所でのVTuber活動をやめたのはどんな理由があったのでしょう。
kson えーと詳細は言えないんですけどちょっと大きめのトラブルが起きたんです。その時に、タレントとビジネスの2択だったら、私を守ろうとすることで他の人に迷惑がかかるのも嫌だったので、それなら私がここを抜ければいいかって。
たぶんVTuberっていう世界にはそれなりに貢献できたと思うし、風がバーッと吹いている時に150%の力を出せる環境をいただけたのは本当に感謝してますし。いい時期に楽しい思いもさせてもらいました。
「もしかすると今楽しくないかも」と気づいたショック
――個人活動に戻られてからは、より自由に?
kson それが逆で、2年前くらいに「もしかすると今楽しくないかも」って感じた時期があり、8年間で初めてだったのですごいショックを受けました。
――どういうことでしょう?
kson 事務所を辞めて1人になって「またイチから頑張らなきゃ」みたいな気持ちが強すぎたんだと思います。それでいつの間にか、自分の楽しさより数字や反響を気にする気持ちが大きくなりすぎて、追い込まれちゃったんです。
――どうやって解決したんですか。
kson 配信を減らして、1人でゲームしてました。
――ゲーム配信ではなく、1人でゲーム。
kson そうです、どこまで行っても趣味はゲームなので(笑)。配信以外ではゲームしない人もいると思うんですけど、私は本当にずっとやってる方ですね。VTuberだった頃に私の周りで流行った『ARK』というゲームがあるんですが、実は人に薦める前に1人で1500時間ぐらいはやってたんですよ。配信向きのゲームかどうか自信がなくて1人でやってたんですけど、薦めたらみんなハマってくれて配信でもできて、あれは嬉しかったですね。
――1500時間!
kson ああいう箱庭系が本当に好きで、今は夜な夜な棍棒で殴って部族を従わせてます。1人で。
「配信用にやり始めちゃうと、自分が楽しくてやってたことでも…」
――なぜ1人なんですか。
kson やっぱり配信用にやり始めちゃうと、自分が楽しくてやってたことでも、ちょっと気を使ったり、テンション上げたりしちゃうじゃないですか。だから今は無理しないで、楽しいと思えるタイミングで配信はつけるようにしてます。
――配信者が本当に楽しそうかどうかって案外伝わりますよね。
kson 見てたら絶対わかりますよね。私は今でも他の方の配信よく見ますけど、本当に好きでやってるように見える人の方が見てて楽しいですし。私はVTuber事務所にいた時と独立した後の2回も150%で走る時期があったので、今は自分のペースを一番大事にしてますね。
(「文春オンライン」編集部)
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