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《東海道新幹線に女性専用トイレが誕生》いつから列車にトイレはついた?意外に最近な“そのまま車外にポイ”時代

文春オンライン / 2025年1月13日 6時0分

《東海道新幹線に女性専用トイレが誕生》いつから列車にトイレはついた?意外に最近な“そのまま車外にポイ”時代

東海道新幹線に女性専用トイレが誕生した今日この頃。列車とトイレの関係は、この150年で変化し続けてきた ©︎AFLO

 東海道新幹線が、男女共用トイレ(つまり個室トイレ)のおおよそ半分を女性専用トイレにするという。実際にはもう年末の12月から順次変更されているというから、年末年始の帰省や旅で使った人もいるかもしれない。

 女性専用トイレに変更されたのは、奇数号車の共用トイレふたつのうちひとつ。11号車はいままで通りだから、都合7か所のトイレが女性専用になる、というわけだ。このニュースが報じられると、半分だけでは少なすぎるとか遅すぎるとか、まあいろいろと話題を振りまいた。

じつは最近?意外と知らない「列車のトイレ事情」

 ただ、筆者からしてみると、「トイレがあるだけありがたい」などとも思ってしまう。何しろ、まるで自宅かのような快適なトイレが新幹線をはじめとする列車の中に据え付けられるようになったのは、つい最近のことなのだ。

 いまでは洋式で暖房便座はあたりまえ、ウォシュレットにベビーチェア、チェンジングボードなどが備えられているトイレも珍しくない。車いすでも使えるバリアフリートイレも新型車両には決まって取り入れられている。

 しかし、ほんの少し前まで、列車の中のトイレというのは快適とは言い難いものだった。何しろ狭いし、場合によっては和式だし、お世辞にもキレイとは……。いまでも古い車両にはそうしたトイレが残っているし、ひと昔前に旅をした経験がある人ならば、みんな知っていることだ。

 それどころか、もっと古いとトイレでは排泄物はそのまま車外にたれ流し。なんとも不衛生なことがまかり通っていた。このあたりまでは経験者も少なくなかろう。そして、もっともっと遡り、明治初期に鉄道が開業したばかりの頃は、列車の中にトイレはないのが当たり前。そんなところからはじまって、ようやく快適なトイレができあがったのである。

 というわけで、今回は趣向を変えて、鉄道とトイレを巡る珍事件をいくつかご紹介しようと思う。汚い話題なので、お食事中の皆々様におかれては大変すみません……。

黎明期、トイレのない鉄道で起こった悲劇

 新橋~横浜間で鉄道が開業した翌年の1873年。増澤政吉という商売人が、商用のため新橋駅から横浜駅まで汽車に乗ることになった。増澤さん、新橋駅で乗車する前からほんのり尿意を感じていたという。

 が、発車時間が迫ってきたので駅で済ますのを諦めて乗り込んだ。横浜駅までは1時間もかからない。着いたら行こう、とでも思ったのだろう。

 しかし、尿意というのは意のままにコントロールできない。慣れない汽車旅という事情もあったのだろうか、増澤さんは汽車の中でガマンの限界に達してしまった。そうはいってもその場で……というわけにもいかず、窮したあげくに窓を開けて車外に放尿。さすがにそれは許されることではなく、罰金10円を科せられてしまった。

 泣く泣く罰金を払った増澤さん、きっと罰金を払いながら、「もう少し余裕を持って駅に行って、済ませておけば良かった……」と、人生最大の後悔をしたに違いない。

 他にもこの時代には汽車の中で限界を超えてお漏らししてしまった人が罰金、といったできごともあった。衆人環視の中でオシッコを漏らして罰金なんて、弱り目に祟り目、泣きっ面に蜂、お漏らしに罰金。悲劇というほかない。150年後の現代人は酔っ払って電車で嘔吐したとて、とてつもなく白い目で見られるだけで罰金までは取られない。

 ようやく明治半ばには列車の中にトイレが設けられるようになった。ただ、そのときのトイレはいわばただの“穴”。排泄物はすべて車外にたれ流していた。当時はまだまだ肥だめなども珍しくなかったご時世だから、問題視はされなかったのだろう。

 ところが、ついにある「事件」がおこる。

〈 吹き込む汚物、逆流するトイレ…「閉じ込め事件」を乗り越えた列車とトイレの“150年事件簿” 〉へ続く

(鼠入 昌史)

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