「いい加減にしろ」「口パクは許さない」ちゃんみな(26)が“褒めて伸ばす”異色のオーディション『ノノガ』で“最も衝撃的だった場面”とは?
文春オンライン / 2025年1月12日 11時0分
東京都練馬区出身のちゃんみな。日本語、英語、韓国語を巧みに操り、世界各国にファンをもつ(『No No Girls Ep.05』-「BMSG」YouTubeより)
応募条件は一切なし。アーティストのちゃんみな(26)が、ラッパーで音楽事務所「BMSG」代表のSKY-HI(38)から全権委任を受けて始まったガールズグループオーディション『No No Girls』(ノーノーガールズ=通称・ノノガ)。1月11日、最終審査がKアリーナ横浜で行われ、きょう12日の配信をもってデビューメンバーが公表されます。
サバイバルオーディション番組、通称“サバ番”では、参加者たちがまさに「生き残り」をかけた戦いを繰り広げるわけで、その人間模様にドキドキハラハラしたり、推しを見つけて応援したり、そんな推しを落とした運営を批判したり、視聴者をある種の関係者として機能させることで、プロジェクトはさらなる盛り上がりを見せます。
しかし一方で「選ぶ側」「選ばれる側」という明確な権力構造に少々げんなりしたり、「夢」の対価として若者が必要以上に追い詰められていく様にいい知れぬ罪悪感をおぼえたり、世間の果てしなきルッキズムへの欲望に打ちのめされたりするのも事実。
そこに登場したのが、“練馬のビヨンセ”ことちゃんみなでした。オーディション開催に伴い、ちゃんみなはこう宣言します。
「NOって言われてきた人たちを救いたい」
全上司に伝えたい、Z世代の心を動かすちゃんみなの「言葉」
この一言に、日々NOを突きつけられてきた多くの人々が沸きました。『No No Girls』はオーディション番組ですが、ちゃんみなから飛び出す「名言」が、参加者はもちろん視聴者までをも励ます、あの日悩み苦しんでいた自分自身をもう一度「育て直す」ような不思議な効果まである。
今回は最終審査までの間にちゃんみなが発した「名言」を3つのポイントをふまえプレイバック。子どもとの関係に悩む親御さん、部下にそっぽむかれがちな上司の皆さんに伝えたい、今若者にかけるべき言葉は、ちゃんみなに聞け。
1. 共感する
今まで19回のオーディションを受けて18回落ちてきたと語るちゃんみな。彼女は、「みんなの気持ちが痛いほどわかります」と、とにかく参加者たちに寄り添おうとします。
課題に苦しみ、涙を流す子には……
容姿に自信が持てず悩んでいた参加者に「泣いちゃいそうになっちゃった。全く同じすぎて。私の昔の理由と」としみじみ語り、ダンス練習についていけず涙を流す参加者には「やだ無理私も泣いちゃう、やめて~」と少しおちゃらけて和ませ、メンタル不調に悩んでいたと話す参加者には「私も鬱やったことあるんですけど、付き合っていく形じゃないですか」と優しく話しかける。
ちゃんみなが設定した課題曲に苦しむ参加者に、「どう? 難しいよね。ここのチームは結構マジで 『ごめんなさい』っていうくらい」と、それが参加者のレベルの高さ故のハードルであることをそれとなく知らせる。
言ってないでしょうか。「俺が(私が)若い頃はもっと大変だったよ」「これくらいはできて当たり前だから」的な発言。思い出しましょう、我々も若い頃、全然出来てなかったということを!
2. 試さない
参加者たちは各審査で課題を与えられ、チームごとにそれを発表していきます。チーム分けも課題曲やテーマもちゃんみな自身が考案し、さらにその狙いや意図までをあらかじめ参加者に告げるのです。
「私は絶対に口パクさせないから」
と話すちゃんみな。その後に「ダンスをがんばりすぎない、良い意味で」「この体勢でラップ歌うと苦しくなる」など「踊りながらうまく歌うコツ」を呼吸法を交えて自らレクチャー。
言いっぱなしにはしない、具体的に説明する。“試し”行為をしないのもちゃんみなオーディションの特徴の一つ。なぜなら、
「審査って一般的には私がみんなを審査する場だと思うんだけど、JEWEL*が私を審査する場でもあるんだよね」
*オーディション参加者
昨年のM-1決勝でも同様の発言がありました。エバース佐々木さん、ノノガ見てますね。「参加者が審査員を審査する」とは、まさに深淵。深淵をのぞく時、「狂った精神に才能が開花」。
「なんかあったら聞いて」の心強さ
こんなのもありました。参加者の過去の苦い思い出を聞いたちゃんみなが、ふうっと息をつきながらつぶやいた言葉。
「肩甲骨の柔軟だよ」
いくらでもエモ名言が飛び出しそうなタイミングでの「肩甲骨の柔軟」。この緩急と具体性。見ていて思わず肩を回しました。参加者たちにいろいろと指導を終えたあとに、ちゃんみなは言うのです。
「なんかあったら、聞いていただいて」
言ってないでしょうか。「自由にやってみて」と仕事を投げるだけ投げて、その成果物に対し「全然わかってない」「何を聞いてたんだ」的な発言。言ってないでしょうか。質問しにきた部下に対して「あー聞いちゃダメ、聞いたらおしまい」と欽ちゃん的発言。思い出しましょう、そもそもあなた何も言ってない!
3. ほめる
オーディション番組においてはどうしても選ぶ側がえらそうになる傾向がありますが、ちゃんみなはそこすらも排除しようとします。ただでさえ大変な妊娠中(オーディション時ちゃんみなは第一子妊娠中)、ちゃんみなは参加者たちの前では常にご機嫌。ドアノブに手をかける寸前まで苦しそうな表情でも、一旦扉を開いたら「お〜ふぁ〜ゆぉ〜(おはよう)」と元気に挨拶。
「(オーディション課題曲の)『NG』の一番最後のフックの時、あの動きをしながら歌うのを教えてほしい。なかなかできないし私も多分時間かかる、あれやるの」
「すごい」と感じたらストレートにほめる
参加者に対し「すごい」と感じたらストレートにほめる。この発言には賛辞とともに参加者たちを「自分と同じアーティストである」と考えていることが込められていると推測されます。
ダンスに自信のない参加者には「ちゃんと練習してきたと感じる目線でした」と踊りではなく「目線」をほめる変化球。
レコーディングで参加者がセクシーな歌いっぷりを披露すれば「男性陣~耳塞いでくだすぁ~い」、参加者自ら演出する課題で秀逸なコレオ(振り付け)があれば「振り付けだれやったの? マジ? 天才いるやん」……etc。ちゃんみなの「ほめ」には、参加者一人一人と向き合っている故の「体温」を感じるのです。
言ってないでしょうか。90点の答案を持って帰ってきた子どもに「なぜ100点取れなかったのか、考えてみようね」的な発言。無言仏頂面で「ママがなんで機嫌悪いか察しろ」オーラ振り撒いてませんか。思い出しましょう、私90点すらとれたことないだろ!
ちゃんみなが提示する「3つのNO」
ちゃんみなは『No No Girls』の真髄を「3つのNO」として提示します。
「NO FAKE 本物であれ」
「NO LAZE 誰よりも一生懸命であれ」
「NO HATE 自分に中指を立てるな」
自分を偽らずに表現すること、自分と向き合い自分自身を理解すること、そしてそんな自分を認めてあげること。ちゃんみなが参加者に向けて発する言葉は、この「自己表現」「自己理解」「自己肯定」に関するものがほとんど。
時には厳しい言葉も投げかける
もちろん厳しい言葉もたくさんありました。
「その自信のなさがめちゃくちゃ足を引っ張ってる。ほんとは強いはずなの、もっと強くなれるはずなの。一個一個踏んだ自分の足跡をちゃんと見返してみてください」
「いい加減にしろ。自信のない感じはもうここまでだよ」
これまで“NO”をつきつけられてきた参加者たちにとって、一番の壁は「自分と向き合い、自分を愛する」こと。ちゃんみなは根気強く、「がんばってきた過去の自分に中指を立てるな」と説くのです。と同時に、自分の個性を世の中に認めてもらうには、「ありのまま」でいいなんてことはないとも言います。
「自由なことをするためには型にはまらなきゃいけないことがあるの。やりたくないこともやらなきゃいけない。/私たちみたいな人間は、最終的に自由をとるんだったら、自分の表現をとるんだったら、死ぬほど頑張ってズバ抜けなければ認めてもらえない」
「人間AMI*をスキルが上回ってこなかった。/あんたはNo No Girlsじゃないよ、Yes Yes Girlsだよって思うわけ。/今回はここまでだけど、いつかその自分の大きすぎる魅力を越せるスキルをもって開花するって信じてる」
*オーディション参加者
ここにアーティストちゃんみなの「厳しさ」があるのです。
合格者より落選者に時間を割いて語りかける
ちゃんみなは合格者よりむしろ落選者に時間を割いて語りかけます。なぜここで落ちてしまうのかを説明することに重きを置く。そこに、NOを突きつけられてきた人を救うためのオーディションでNOを言わねばならない矛盾を、ちゃんみな自身が背負おうとする覚悟を感じます。
「どんな形でも絶対に咲くの、その花って」
「みんなも私と同じだと思ってほしい」
「私はこれからも力を貸したい。やっぱり私たちは音楽でつながってるから」
ここで終わらないよというちゃんみなの言葉に、落選者たちは新たな希望を見出してスタジオを去るのです。
「誰も諦めません私は。誰も諦めない」
最も心打たれたのは……
全中年、全親、全上司に伝えたい、ちゃんみなの名言。しかし私が最も心打たれたのは、フレーズではありませんでした。
ちゃんみなとSKY-HI社長、すぐ差し入れする。体型を絞ることへの圧が強くなりがちな業界で、こんなにみんなおいしそうにパクパク食べてるオーディション番組見たことない。
言ってないでしょうか。ただ自分が飲みたいからって「おい、たまにはぱーっと飲みにでもいくか?」的発言。若者が欲してるのは飲み会で聞くあなたの長い自慢話ではない。若者が欲してるのはピザと寿司の差し入れです。
「美人」(作詞:ちゃんみな・作曲:ちゃんみな、Ryosuke“Dr.R”Sakai)
(西澤 千央)
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