「王道のアイドル路線はムリだな…」“黒歴史”のR-1グランプリ出場を乗り越え村重杏奈(26)が活路を見出したきっかけ
文春オンライン / 2025年1月19日 11時0分
村重杏奈さん ©︎榎本麻美/文藝春秋
バラエティのみならず多くの分野で活躍し、主演映画『悪鬼のウイルス』の公開も控える村重杏奈。HKT48、NMB48に加入しアイドルとして活動して葛藤を抱えるなか、活路を見出したきっかけは…。(全3回の1回目/ ♯2 、 ♯3 を読む)
◆◆◆
「王道のアイドル路線は無理」「R-1出場は黒歴史」
――2011年、12歳でアクターズスクール広島に入ると、同年13歳でHKT48に加入、2014年にはNMB48も兼任してアイドルとして活動されていましたが、いかがでしたか?
村重 アイドルになって早々に、「王道のアイドル路線は無理だな」って気付きましたね。あるとき、ファンの方に言われてハッとしたんですけど「村重のことは好きだけど、全然支えたくないんだよね」って。私、1人でも超元気だしたくましいじゃないですか。でも、それってアイドルとしてはいらない感情というか。アイドルって守ってあげたいとか、支えてあげたいって思ってもらうことが大切だとしたら、村重は大雑把だし破天荒すぎる面もあるのか、1ミリも支えてあげたいって思えなかったみたいですね。
でも、早めに自分は王道アイドルじゃないって気づけて良かったです。MCメンバーとして頑張ろうって切り替えることができたし、HKTに入っていなかったらそうした自分とも出会えていなかったので。
――2013年にはR-1グランプリに出場されましたが、こちらも王道アイドルとは違う路線を考えられたのでしょうか?
村重 それ、マジ黒歴史なんですけど…(笑)。人と違うことをしたいと思って参加させてもらいましたが、2回戦まで進んだものの、村重、超つまんないネタをやってたなって思いますね。プロの方たちが切磋琢磨して舞台に立っているなかで、アイドルだろうがなんだろうが、そのレベルに達してないと無理があるし。
ロケでも子どもたちから「あ、村重!」って
――ちなみに、ご自身のことを「村重」って呼ばれるようになったのはいつくらいからですか?
村重 13歳くらいかな? HKT48に入ってアイドルはじめてからですね。指原(莉乃)さんが、自分のことを「指原はー」って昔言ってたじゃないですか。その真似をして、クセが抜けなくなっちゃった感じですね。ロケでも子どもたちから「あ、村重!」って呼ばれるから覚えやすいんだなって。
――2015年にNMB 48を、2021年にはHKT48を卒業すると、どういった方向性でやっていきたいなどありましたか?
村重 卒業した時はノープランで、事務所の人も「これからどうすんの?」みたいな空気だったんですけど。マネージャーさんと話をしていて、モデルとタレントに憧れがあると伝えると、じゃあ、そのために頑張りましょうとなってスタートしました。今はバラエティが多いですが、村重の名前が世間でも認知してもらえるようになったのは『呼び出し先生タナカ』に出たあたりですね。村重のおバカがバレてから、ワーッて他の番組にも呼ばれるようになったと思います。
大御所の前でも緊張しない?
――バラエティでは、大御所の方にも物怖じされない印象があります。
村重 え? 私、物怖じしていないように見えますか?
――いい意味で堂々としていらっしゃるかと…。
村重 ほんとですか? でも、それ周りからすっごく言われるんですよ。だって皆さん私から見ると、いい意味で年上じゃないですか。だから逆に話しやすいんですけど、めっちゃ気は遣ってるつもりでした。ただ、人が大好きなので、距離感が近くて失礼に見えてるかもしれないですけど。ナチュラルがこれなので、明るくて物怖じしないように見えてるのかなって思います。
――緊張されることはありますか?
村重 今はないです。テレビに出て1年目くらいはめっちゃ緊張してましたけど、最近は楽しめるようになってきて。テレビってすごい楽しいじゃないですか。芸人さんたちが盛り上げてくれて、私たちが一所懸命ワンサカ言って、その空間が楽しいなって。もちろん、「自信ありますか?」って聞かれて「ありまーす!」って言うわけじゃないですけど、そんなふうに見えてるのは嬉しいですね。
――もともとポジティブなのでしょうか?
村重 嫌になるくらいポジティブです。「地球は村重で回ってる!」って思うくらい、というか、思うことも大事じゃないですか。「人は人。村重は村重!」の気持ちで生きてますね。
あと、もともとポジティブなのに加え、アイドル時代にさらにパワーアップした感じはします。10年アイドルやって、毎日女の子たちと一緒にいて、メンバー同士仲はいいけど揉めない日がないわけじゃないし。競争も激しい中で自分を出さなきゃいけない。自分の意見を言わないといけない環境だったので、落ち込んでる暇もないみたいな。自分でもネガティブなことは言わないようにしているし、言っちゃったら、そっちの方に進んじゃいそうじゃないですか。だから常に「村重最強!」みたいな感じで生きていますね。
ポジティブだけど、不安になることも
――エゴサーチをすることはありますか?
村重 たまにしますよ。「村重、可愛い」とか書いてあると嬉しいです。でも、生きていれば村重のことを嫌いな人もいるだろうし、村重も苦手な人は苦手ですから、仕方ないよなって。
――失敗したな、と思うことはありますか?
村重 ありますね。大失敗はない気がしますが、バラエティでも随所、随所でやっちゃったなって思うときもあるし、楽屋に戻ってマネージャーさんに「あれはダメだね」って言われることもあります。ポジティブだけど、不安になることも多いし。でも、毎回反省して、また次いかしましょうみたいな感じですね。切り替えは早いので、反省はしますけど、楽屋出たら忘れるようにしています。引きずらないですね。
撮影 榎本麻美/文藝春秋
ヘアメイク 沼田真実(イルミニ)
スタイリスト 櫻井かおり
〈 「パパは仕事を3つ掛け持ちして往復10時間車で送迎してくれた」中学時代から一人暮らしをした村重杏奈(26)の下積み時代「めっちゃ不安でした…」 〉へ続く
(松永 怜/週刊文春CINEMA オンライン オリジナル)
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