旅行大手HISが5期ぶり黒字転換に付けた“味噌”〈コロナ禍の助成金1億円の不正受給疑惑〉
文春オンライン / 2025年1月22日 6時0分
21年に発覚した不祥事では、創業者の澤田秀雄氏が記者会見で謝罪した(右端) ©時事通信社
日本経済の中心地、東京・丸の内から“マル秘”財界情報をくわしくお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「丸の内コンフィデンシャル」。最新号から、ダイジェストで紹介します。
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5期ぶりの黒字転換に付けた“味噌”
エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)でまた公的資金絡みの不正受給疑惑が持ち上がった。都内の旅行代理店子会社がコロナ禍の2020〜23年、雇用調整助成金約1億円を不正に受給していた疑いがあり、東京労働局の調査を受けているというのだ。事態を受け、HISは24年10月期の決算発表を延期せざるを得なくなった。
21年暮れにも同様の事態があった。GoToトラベル事業で、子会社2社が架空宿泊者をでっち上げるなど不正に関与。調査委員会は計7億円近い給付金を不正受給したと結論づけた。主導したのは16年秋までHIS社長だった平林朗氏とされ、責任を取って創業者の澤田秀雄会長兼社長(当時)ら首脳陣は報酬カット処分を受け入れた。
コロナ禍で大打撃を受けたHISは穴埋めのため、本社を構える虎ノ門の最新鋭ビルの持ち分2フロアを21年に売却。ハウステンボスも22年に香港の投資会社へ譲渡した。コロナが収束し、5期ぶりに最終黒字転換を果たした24年10月期は再生を示す重要な第一歩だった。売却したビルの持ち分も買い戻している。それがとんだ不祥事で味噌を付けた格好だ。《続きは「 文藝春秋 電子版 」でお読みください》
※本記事の全文(約3800文字)は「文藝春秋」2025年2月号と「文藝春秋 電子版」に掲載されています( 丸の内コンフィデンシャル )。全文では下記の内容をお読みいただけます。
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■連載「丸の内コンフィデンシャル」
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11月号 東芝であの男が復帰か、どうする櫻田、再エネ疑獄はまだ序章、光通信の変貌
12月号 森ビルに暗雲、全銀ネットの大問題、ドコモ銀行の懸念点は、京成への要求の裏側で
【2024年】
1月号 増えた楽天の不安材料、ベネッセMBOの背景、三井住友FGの“親分”、厚労省を悩ます不祥事
2月号 万博に塩対応のドン、ドコモ後任社長は誰だ、同学年社長のTOB対決……
3月号 経団連会長の本命と対抗、SOMPO櫻田氏の盲点、西川で社長交代のワケ、上場するのは貧乏人?
4月号 ローソン社長は誰に、みずほ信託の理系社長、三菱重工社長の「運」、郵政増田の後任候補
5月号 経団連会長の大穴は、シャープが堺工場売却か、カイロス親会社の痛恨、イオン岡田会長の狙い
6月号 LINEとヤフーの格差、小林製薬社外取の姿勢、東宝と松竹の明暗、MBOを狙う新手法
7月号 株価上昇で嘆く丸紅、社長の赤字を庇う会長、NTT人事の裏、暗雲垂れ込めるIR
8月号 西武の売却劇の謎、キリン買収三つの不安、あおぞら銀の落とし穴、M&A仲介業への懸念
9月号 二大重工の明暗、金融庁が狙う生保代理店、大物起業家“石丸推し”のワケ、後味悪い“株買い占め”
10月号 パナ低迷の要因は、JTのジレンマ、日清創業家の責任、ドンキ世襲の行方は
11月号 日産・内田社長の迷い、商工中金の退任観測の裏、ユニコーンの躓き、医療法人が上場?
12月号 船井破綻の内幕、セブンを伊藤忠が救う?、日鉄・橋本の苦境、ソニー・吉田に追い風
【2025年】
1月号 セブン買収のキーマン、あおぞら銀の受難、メルカリの内憂外患、外食高値買収劇の裏
2月号 今回はこちら
(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2025年2月号)
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