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「むしろ政党交付金を廃止した方がいい」安倍派五人衆・萩生田光一氏が野党の〈企業献金廃止論〉に反論する!

文春オンライン / 2025年1月30日 6時0分

「むしろ政党交付金を廃止した方がいい」安倍派五人衆・萩生田光一氏が野党の〈企業献金廃止論〉に反論する!

萩生田光一氏 Ⓒ文藝春秋

1月26日にスタートした通常国会。注目の論点が、野党が主張する企業・団体献金の禁止だ。裏金問題で自民党から処分を受けた萩生田光一・元政調会長が、一律禁止することの問題点を 指摘する 。

◆◆◆

政治家が育つ仕組みが失われる

 ――「政治とカネ」をめぐる国会での議論をどう見ていますか。

 萩生田 迷惑をかけた立場で言いづらいのですが、もし企業・団体献金はダメ、政治資金パーティーもダメなら、私みたいな人間は政治家になれませんでした。世襲議員か資産家しか政治に携われなくなる。

 とくに「来月、本当にお金がない」といった経験を何度もした地方議員の頃は、中小企業の社長が「頑張れ!」と献金してくれる5000円、1万円で活動していました。経団連などからの巨額な献金ばかりが注目されがちですが、中小企業のオヤジさんが出してくれる1万円も「企業献金」なわけです。

 こういった企業献金を一律に禁止すれば、「政治参加の機会」や「政治家を育てる仕組み」が失われます。だからこそ、今回、「政治とカネ」に関して信頼を失う事態を招いたことを心から悔いています。ただ、「政治には一定のカネがかかる」ことを無視した制度をつくってしまえば、政治家を輩出する道がどんどん狭くなり、世襲議員と金持ち議員だけになってしまいます。

 ――「企業・団体献金は政治を歪める」という声もあります。

 萩生田 例えば日本医師会の名前がよく出ますが、医師会の要求を丸呑みする議員など本当にいるのでしょうか。文句を言われながらも厳しい査定をして、「仕方がないんだ」とむしろ医師会を説得しています。献金をもらって言いなりになる政治家がいるなら、やめた方がいい。

 そもそも「企業が見返りを求めずにお金を出すはずがない」という発想自体がいやらしい。実際には、見返りを求めず応援してくれる人はたくさんいます。「金を渡したんだから俺の陳情を聞け」などと言う人に私は会ったことがありません。

 ――「政党交付金が税金から出ている以上、企業・団体献金は禁止すべきだ」という主張をどう思いますか。

 萩生田 極論を言わせていただければ、むしろ政党交付金を減額か廃止した方がいい。各党が競ってお金を集める方が健全でしょう。

高齢者からの献金に涙

 ――アメリカ大統領選は今でもそうですが、政治献金を集められるかどうかも政治家の力量を計る一つの指標で、大物議員になるためのスクリーニングの機能もありますね。

 萩生田 献金額が多いとか、パーティー券が売れるのは、支援者が多くなっている証左です。だけど、それが国民の目に「いやらしい世界」に映ったことは、我々の失敗です。収支報告書に記載して政治活動に堂々と使えばよかったのに派閥の古いしきたりを踏襲してしまいました。

 ――今回の選挙では萩生田さんに多くの政治献金が集まったと聞きました。

 萩生田 普段の倍ぐらいです。地元の人も声をかけ合ってくれたし、全国から「自民党の判断に負けちゃいけない」と献金してくれた人もいた。高額な寄付を届けてくれたおばあちゃんもいました。「とにかくいい国にしてくれればいい。党から公認料が出なくて気の毒だから」と。

 ――八王子にお住いの方ですか。

 萩生田 そうではありません。おばあちゃんなんて言ったら𠮟られますね(笑)。応援してくれていた方の奥様なんですが、「主人が生きていれば、きっと『萩生田さんが困ってるからお金を送ってやれ』と言ったと思うから。私からではなくて天国の主人からです」と。涙が出ました。
(聞き手 青山和弘・政治ジャーナリスト)

※本記事の全文(約9000字)は「文藝春秋」2025年2月号と「文藝春秋 電子版」に掲載されています(萩生田光一「 それでも政治にカネは必要だ 」)。全文では下記の内容をお読みいただけます。

理不尽だった非公認の基準
執行部の致命的な判断ミス
活動するほどカネはかかる
政治家が育つ仕組みが失われる
選挙とSNSの影響力
石破内閣は何をやりたいのか
参議院自民党はどう動くか

(萩生田 光一/文藝春秋 2025年2月号)

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