「動悸や息苦しさが」突然の活動休止→号泣も…IVE日本人メンバー・レイ(20)韓国での“リアルな評価”〈現地記者が解説〉
文春オンライン / 2025年1月31日 16時0分
2024年10月、スワロフスキーのイベントに出席したIVEのレイ ©Sipa USA/時事通信フォト
韓国の6人組ガールズグループ・IVEが、4月12日の愛知公演を皮切りに、日本4都市をまわるアリーナツアーを行うことを発表した。韓国では“小統領(小学生たちの大統領)”と呼ばれるほどの高い支持を得ているIVEだが、グループの人気を語るうえで欠かせない存在がいる。唯一の日本人メンバーであるレイだ。
本名は直井怜(なおい・れい)。2月3日には21歳の誕生日を迎える。愛知県名古屋市出身で、2019年に15歳でオーディションに合格後、韓国に渡った。現地でソウル公演芸術高等学校実用音楽科を卒業。2021年12月にIVEとしてデビューを果たした。
そんな彼女は韓国でどのように評価されているのか。
韓国で異彩を放つIVE・レイ
ソウル在住のエンタメメディア関係者(40代男性・韓国人)はこう言う。
「韓国で“レイ”といえば、まずKIA自動車の車種が有名ですが、今やIVEのレイを思い浮かべる人も増えています」
彼女の存在は、「K-POPグループの日本人メンバーが韓国で有名になる方法の固定観念をぶっ壊した」とも言えるだろう。前出のエンタメメディア関係者が語る。
「『人形のようなビジュアル』『天然キャラ』『どこか韓国人っぽい』ということで知られています。『小柄でキュート系』といった従来のK-POP日本人メンバーへのイメージとは少し違います」
どの国の人か、という視点を超えて、彼女個人の特性が注目されている。確かに筆者が見ていても、彼女はK-POP界で異彩を放っているように感じる。オンリーワンとしての存在感が半端ないのだ。
圧倒的なビジュアルをもつ6人組グループ
「顔だけみると小さくてかわいい日本の女の子かと思ったら、意外と背が高い。IVEのメンバーはみんな高身長なので、レイは周囲と比べると小柄に見えたというだけなんですよね」(ソウル在住の30代男性)
身長169センチ。決して低くはないが、IVEの平均身長は169.3センチ。6人のうち半数が170センチ越えという「超ビジュアル系グループ」なのだ。
デビュー前から注目を集めていた
そもそも、IVEはデビュー前からかなりの注目を集めていたグループだった。メンバーのウォニョン(ちなみに173センチ)、ユジン(同)は2018年、オーディション番組から生まれたグループ「IZ*ONE」としてデビュー。後に別グループ(LE SSERAFIM)でデビューする宮脇咲良らとともに2年間活動した。中心メンバーであった2人への注目度は高く、IVEの結成発表は大きな話題を呼んだ。
2021年12月にデビューすると、ファーストシングルアルバム「ELEVEN」が初動でいきなり15万枚を売り上げ、音楽番組など計13ものランキングで1位を獲得した。
2作目の「LOVE DIVE」は「しっかりと自分の意見を主張する女性」を描くガールクラッシュ。当時のK-POPの最前線トレンドを捉えたコンセプトだった。そのなかでも「自己愛あふれる世界観を美しい女性たちが描く」という独自のポジションを取った。“完成型”と言われる圧倒的なビジュアルを武器に、瞬く間に第4世代ガールズグループのトップクラスに躍り出た。
3作目の「After LIKE」は韓国で大きなムーブメントとなっている「ニュートロ(1990年代後半頃のトレンドを今風に復刻する)」を表現。韓国での認知度をより強固なものにした。YouTubeにアップされたミュージックビデオの再生回数はグループの楽曲の中でトップで、3億回を超えている。
2024年には米メディア「Forbes」が選定する「アジアで影響力のある30歳以下の30人」のうちの1組にも選ばれた。世界的に注目されるグループにあって、レイは韓国でこうも見られている。
「バラエティ番組でも萎縮せず、堂々と話していて面白いというイメージが浮かびますね」(前出・ソウル在住30代男性)
昨年の8月に本人がソウルでファッションショーにモデルとして出演した際には、こんな見出しの記事が韓国で報じられた。
「『天然系魅力の人形』IVE レイ、ファッションコレクションに登場」(ファイナンシャルニュース)
これは、「天然ボケタイプ」というニュアンスだ。
記事では、韓国のバラエティ番組「ランニングマン」出演時(地上波SBS/2023年1月29日放送回)のやりとりが引用された。それは韓国の国民的司会者であるユ・ジェソクを相手に繰り広げた会話だった。
〈司会者 レイさん、好きな四字熟語はありますか?
レイ 「やっぱり」(韓国語で「アムレド」)です
司会者 なぜ好きなんですか?
レイ 4文字だからです
司会者 えっ?〉
レイの予想外の回答に、司会者が困惑しまくる状況が大爆笑を呼んだ。メンバーのウォニョンが「レイの口癖なんです。何か決断、決定するときに『やっぱり(アムレド)こっちがいいよね?』という風にいっつもくっつける」とフォロー。この場面は、レイのキャラクターを表現する“名トーク”として韓国のK-POPファンの間で知られている。
韓国の有名キャラと似ている? ついたニックネームが…
さらに、記事は本筋たるファッションショー出演について、こう評している。
「人形のような容姿と天然な魅力で韓国人から愛されているIVEの日本人メンバー・レイがファッションショーに登場し、従来のイメージとは異なる品格と可愛らしさを見せた」
ちなみにレイは韓国で「コンスニ」というあだ名でも知られている。もともと1999年に人形として発売され、2000年代以降に子供向け教育バラエティ番組に登場する同名のキャラクター「コンスニ」に似ているということからだ。韓国の超有名キャラクターに比せられるという点からも、いかに彼女が「外国人かどうか」で見られていない点がうかがえる。
韓国語の実力はトップレベル
日本人メンバーたる彼女が、韓国の地でなぜこれほど多様な魅力を発揮することが可能なのか。それは他でもない、レイの韓国語の実力が突出しているからだ。彼女の韓国で根づいたイメージ「天然キャラ」「人形のようなかわいさ」は、その韓国語の実力の上に成り立っている。
筆者が個人的に韓国語がスゴいと思うK-POPガールズグループの日本人メンバーは、TWICEのサナ、tripleSのリンやコトネ、MADEINのマシロらだ。そういうメンバーたちと並び、レイは歴代のK-POP日本人メンバーのなかでは間違いなくトップレベルにある。
韓国語は日本語よりも母音と子音の音が多いが、レイの口の動きをみると、それを把握しているのが分かる。一つ一つの音をしっかり把握しているため、非常にスムーズに発音するのだ。若者っぽい話し方も完璧。
これはやはり「韓国で高校を卒業した」という経歴が重要であるように思う。若くして語学学習を始め、現地の高校生としても、K-POP練習生としても、現地の人たちと共に過ごす時間が長かった。いわば日本の大相撲の外国人力士たちがペラペラな日本語を話すような感じでレイは韓国語を話す。高校在学時には韓国語検定を受け、大学進学者レベルに相当する4級を取得したという。
実際に韓国のテレビ番組でもその魅力を発揮している。2022年8月、韓国の公共放送KBSの超有名トーク&歌番組「リムジンサービス」に出演したときのこと。
韓国語での歌とトークが続く約20分の構成のなか、レイが日本人だという点に触れられたのはじつに開始から8分40秒だった。よくある構成でいえば、まず冒頭で「日本人メンバーです」という断りが入って、「韓国語が上手ですね~」といった話題から始まる。しかしレイの場合は歌っても、喋っても、あえて日本人だと言及されることなく、ごく自然に楽曲のエピソードやメンバーとの思い出を韓国語で話し続けた。
しかもその8分40秒頃に、司会者からはじめて日本について切り出された質問に筆者は驚いた。
「韓国に来てからどれくらいになるんですか?」
K-POP界では少女時代のティファニー(韓国系アメリカ人)やBLACKPINKのロゼ(韓国とニュージーランドの二重国籍者)をはじめ、韓国のほか諸外国にルーツをもつメンバーが以前より活躍しているが、彼ら・彼女らに聞くような質問と同じだった。さりげない一瞬だったが、レイの言語力や韓国での存在感の大きさがうかがい知れるやりとりだった。
突然の活動休止→号泣した理由は…
いっぽうで、人気グループのメンバーとして活動することへのプレッシャーを感じさせる出来事もあった。レイは、2023年4月から2ヶ月弱、体調不良で活動を一時休止した。事務所側の公式発表は「動悸や息苦しさのため専門医と本人との十分な協議の結果、アーティストの健康を最優先とした決断」だった。
この間、レイはグループ初のフルアルバム「I've IVE」のプロモーション活動を休まなくてはならなかった。K-POP界では、10曲前後が収録されたアルバムを「フル(正規)アルバム」といい、「ミニアルバム」や「デジタルシングル」とは違って「事務所側の気合が入ったもの」として捉える。
彼女としては本当にその時期の休養が無念だったのだろう。復帰後、2023年年末にこのアルバムで韓国の有名な音楽賞「MMA」の「今年のアルバム賞」を受賞した際には大粒の涙を流しつつ「私はこの時の活動に参加できませんでした。本当に努力して作ったアルバムが、皆様に伝わって嬉しい」と韓国語で挨拶した。
「外国人メンバー」に頼らない魅力を発揮
K-POP界は今、世界各地に「育成システム」を輸出しようとしている。2024年以降、イギリスや南米でK-POPグループをデビューさせる動きが出ている。どの国の人がパフォーマンスしても、韓国の育成システムで育てばそれはK-POP。そういった姿を志向しているのだ。
そういった意味でレイは、韓国の自国での育成システムのひとつの結晶のようにも見える。
15歳で現地に渡り、レッスンを受け、高校に通った。そんなレイは、もはや「外国人メンバー」というイメージに頼らず、高い韓国語能力が基盤になって「天然キャラ」「人形のようなかわいさ」という存在感を発揮している。
日韓で「ギャルピース」を流行らせた
しかも彼女はもうすでに「歴史」を作っている。2021年末、彼女がSNSなどで見せた90年代の日本の「ギャルピース」が韓国で流行り、それが日本のZ世代の間でも流行る、という現象が起きた。日韓の文化の往来という点でも興味深い。「インスタやTikTokでの流行は日韓同時に発生する」という近年の流れを決定づけた出来事でもあった。
もちろん、本業たる歌手としての実力も確かなものだ。
「レイはグループでラップとボーカルを担当しています。外国人メンバーが韓国語でラップをするのは高い技術が必要です。歌詞をよりはっきりと伝えなければなりませんから」(ソウル在住の20代女性)
ここでも、彼女の韓国語能力の高さがうかがえる。韓国語でのラップ作詞にまで取り組んでいるそうだ。
K-POPの超人気グループでしっかり根を張って存在感を示すレイ。冒頭で言及した日本でのコンサートツアーではそんな姿が見られるだろう。「かわいい」「おもしろい」。そんなさりげない姿が、ある意味「歴史的」なのだ。
(吉崎 エイジーニョ)
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