「性行為をしないと男性に嫌われる」と女優・原千晶(50)も悩んでた…子宮がんになった女性たちを追い詰める「術後の性行為問題」との向き合い方
文春オンライン / 2025年1月31日 20時0分
女優の原さん ©石川啓次/文藝春秋
〈 「もう芸能界の第一線には戻れない」と悩んだこともあったけど…2度のがんで多くのものを失った女優・原千晶(50)「それでも今は幸せな理由」 〉から続く
30歳で子宮頸がんを発症、35歳で子宮体がんになってしまった女優の原千晶さん(50)。今では病状も回復し、釣りに仕事と精力的な彼女だが、術後まもない頃は「ある悩み」に苦しんでいたという。
原さんだけじゃなく、子宮がんを経験した女性の多くが直面する「術後の性行為の問題」とは? その向き合い方について伺った。(全4回の4回目/ 最初 から読む)
◆◆◆
「性行為をしないと男性に嫌われる」と思っていた
――原さんはがんを患ってから、性生活について悩んだと聞きます。
原千晶(以下、原) 30歳で子宮頸部の円錐切除の手術を受けた時から、術後に性行為ができるかどうか、すごく気にしていました。「性的なリクエストに応じられなくなったら、お付き合いしている男性に嫌われてしまう」と思っていたので、その頃の私にとっては重要なことだったんです。先生に、「子宮の頸部を切り取ってもセックスできるのですか?」と確認したり、すごくピリピリしていました。
再発後は子宮全摘という大きな出術を受けたことで、性行為に対してさらに恐怖心が強くなりました。
――性的なことについて、パートナーと話し合うのは勇気が要りますね。
原 私は昔から「女性は性的な部分では神秘的でなければいけない」と思い込んでいたので、「性行為が怖い」という気持ちを男性に話すことに抵抗があったんです。でも、今の夫と出会って一緒に過ごすうちに、「本当の気持ちを話すことができそうだな」と自然と思えるようになりました。
思い切って、正直な気持ちを夫に打ち明けたところ、全て受け入れて尊重してくれました。本当に「ミラクルな人と出会ったな」と思います(笑)。私にとって夫は最愛の理解者であり、大親友のような存在ですね。自分に嘘をつかずにいられるようになり、2人でいると心が満たされているなと感じます。
我慢してしまう女性も
――原さんは、女性特有のがんを患った方の交流会「よつばの会」を主宰していますが、性に関する悩みを持つ方は多いのでしょうか。
原 人によって、様々ですね。「夫と話し合って性行為はなくなったけど仲良くしている」という方もいますし、「肉体的には辛いけど、旦那さんや彼氏のために性生活を失いたくない」と懸命に努力されている方もいます。
性行為をすると膣に痛みがあるのをパートーナーに言えず、我慢して性行為をしたら大量に出血してしまったという方もいました。その方自身も、相手の方も深く傷ついてしまったそうです。また、性行為がうまくいかなかったことで、彼氏に冷たい態度を取られて、自分の気持ちに蓋をするようになってしまったという話もありました。
――性行為が困難になるのは、どんな原因があるのでしょうか。
原 個人差がありますが、例えば卵巣を摘出すると、女性ホルモンのバランスが大きく変わります。そのため、30代でも更年期障害が起きたり、膣分泌液の量が減って、濡れない状態になることがあります。膣が乾燥していると挿入したとき傷つきやすくなるので、痛みを感じたり、出血したりすることがあります。また、「性行為をしたい」という気持ちが起きなくなったという方もいます。
また、手術で子宮や卵巣を取り除く際に、膣の一部を切り取ることになります。膣が短くなってしまうので、挿入した時にパートナーが「これ以上入らないの?」と気づいて戸惑うケースもあると聞きます。
大切なことは「外的なアプローチ」と「パートナーの協力」
――痛みや恐怖を乗り越えるためには、どんなことが必要なのでしょうか。
原 「性行為を諦めたくない」という気持ちと、「性行為が怖い」という身体のギャップが大きいので、その2つを融合させていくことが大切だと思います。そのためには、外的なアプローチが大切だったりします。例えば、ローションを使ったり、アダルトグッズを上手に活用したり。もちろん、医師に相談して注意事項や安全な方法を教えてもらうことはとても大切です。
自分の体が変わってしまったことに女性は不安を覚えているので、パートナーの協力が不可欠だと思います。とても難易度の高いチャレンジだと思いますが、壁を乗り越えようと努力されている方は沢山いらっしゃいます。
――がんを患った方が性に関して悩むケースがあることは、あまり知られていないと思います。
原 年齢が若ければ若いほど、性に関する悩みは多いです。私の場合は、もう悩みを笑いに変えていこうと思っていますけど、20代から40代くらいの結婚・出産などのライフイベントが多い世代は、切実に悩んでいる方が沢山います。
私自身は性の問題に特化した支援活動はしていないのですが、がんを患った方の性の悩み相談に乗ったり、具体的なアドバイスをされている方や団体はあるので、悩んでいる方はぜひ調べてみてほしいですね。
(都田 ミツコ)
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