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《日本初の経済アナリスト死去》「森永、黒はないだろう」ニッポン放送の部長が激怒…森永卓郎(享年67)がラジオ局から干された“まさかの理由”

文春オンライン / 2025年1月29日 10時15分

《日本初の経済アナリスト死去》「森永、黒はないだろう」ニッポン放送の部長が激怒…森永卓郎(享年67)がラジオ局から干された“まさかの理由”

森永卓郎さんがラジオ局から一時期、干された理由とは…? ©文藝春秋

〈 《モリタクさん死去》連載本数は常に20本以上…森永卓郎(享年67)を作家としても“売れっ子”にした「ある先輩ライターの教え」 〉から続く

2025年1月28日、闘病中だった経済アナリストの森永卓郎さんが亡くなったことが明らかになった。享年67ーー亡くなるまでメディア出演、執筆活動などで勢力的に活動していた森永さんはどんな人生を歩んだのか? 病魔とどう戦っていたのか? 三五館シンシャが出したベストセラー『 がん闘病日記 』より一部抜粋してお届けする。

◆◆◆

ラジオという自由の大地

「ニュースステーション」出演の効果は大きく、それから私は多くのテレビやラジオに引っ張りだこになった。とくにどっぷり浸かったのがラジオだ。ラジオはテレビより自由度が高いからだ。

 ニッポン放送で「ショウアップナイターニュース」という番組を松本秀夫アナウンサーと一緒にやったとき、番組宣伝のために、直前に放送されていた笑福亭鶴光師匠の番組に乗り込んだ。鶴光師匠がなぞかけを出題してきた。

「アスパラガスとかけて」

 松本秀夫アナウンサーは「アシスタントの小野礼子さんと解きます」

 その心は「まっすぐすくすくと育っています」。

「なんや、ふつうやな」と鶴光師匠。「森永、やってみい」

「アスパラガスとかけて乳頭と解きます」と私。

「マヨネーズをかけると美味しく食べられます」

 それが気に入られて、私は鶴光師匠の弟子にしてもらった。笑福亭呂光(しょうふくて~ろこう)という名前だ。「しょうふくてエロこう」と名前にエロが潜んでいる。

 いまでも、どんなお題でも乳頭で解くという日本唯一の「乳頭なぞかけ」を得意技にしているのだが、残念ながらニーズがほとんどない。ただ、似たようなことをずっとラジオでやり続けた。

盟友・垣花正との出会い

「ショウアップナイターニュース」は、プロ野球のシーズンオフに放送される番組だったので、私は夕方に新番組として放送されることになった「垣花正のニュースわかんない!?」に毎日コメンテーターとして出演することになった。そこで垣花正アナウンサーと出会うことになった。

 私はすぐに彼の才能を見出した。垣花アナ自体が面白いわけではない。彼の最大の持ち味は、脳みその瞬発力だ。どんなに私が暴走したコメントをしても、しっかりと受け止めて球を返してくる。だから、垣花アナが一番輝くのは、隣に頭のおかしなコメンテーターを置いたときだ。もちろん、その代表格は私だった。

 当時から私は「垣花正は、未来のみのもんたになる」という予言をしていた。その予言はある程度当たった。彼はいまニッポン放送で「垣花正 あなたとハッピー!」という帯番組のMCと、TOKYO MXで「5時に夢中!」という帯番組のMCを担当している。テレビとラジオの帯番組のMCを並行してやっているのは、日本で彼だけだろう。

 私は、垣花アナとともに「垣花正のニュースわかんない!?」という夕方の帯番組で活動したあと、それが2004年に「森永卓郎の朝はモリタク!もりだくSUN」という番組に発展し、初めて自分の冠番組を持つことになった。そして、2005年に番組タイトルが「森永卓郎 朝はニッポン一番ノリ!」に変わり、2006年からは再び垣花アナをパートナーとして迎えることになった。

ニッポン放送から干された理由は「甘え」

 ただ、私は垣花アナの守備力に甘えていたのだと思う。なぞかけのコーナーで、お題が「電話」だった。私は例によって「電話とかけて乳頭と解きます」。その心は「赤とピンクと黒があります」。

 生放送中にニッポン放送の部長が怒鳴り込んできた。

「森永、黒はないだろう」

「あのう、黒い人もいるんですけど」

「原因はそれだけではない」と言われているが、私はそれがきっかけで、しばらくニッポン放送から干されることになった。

 それから4年後の2011年、私は山手線の車内で垣花アナとばったり出会った。

「もう一度一緒にやりませんか」。彼の誘いで、私は「垣花正 あなたとハッピー!」のコメンテーターとして復帰することになった。

 それから13年、彼との共演を続けるなかで、自由に発言させてもらっているが、私も少しだけ進化した。それは朝からエロネタをあまりやらなくなったことだ。

〈 【さよならモリタクさん】森永卓郎(享年67)「投資にハマる人が“転落者”水原一平を笑えない理由」 〉へ続く

(森永 卓郎/Webオリジナル(外部転載))

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