「捕まるなら死んでやる!」病院に立てこもり、こめかみに拳銃を…シャブに飲み込まれたヤクザの「哀れな最期」
文春オンライン / 2025年1月31日 19時0分
写真はイメージ ©getty
〈 なぜヤクザに「指がない理由」を絶対に聞いてはいけないのか…? 元山口組系組長が教える「納得の理由」 〉から続く
シャブに飲み込まれたヤクザの最期とは? 山口組系組長から更生を果たし、現在は暴力団員の更生支援のために活動するNPO法人五仁會(ごじんかい)代表の新刊『 極道ぶっちゃけ話「山口組四代目のボディガード」の半生記 』(清談社Publico)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/ 最初 から読む)
◆◆◆
ヤクザが自殺を選ぶとき
侠を貫くはずのやくざには、じつは自殺も多い。「最後の博徒」といわれた波谷守之も1994年に拳銃でこめかみを撃って自殺している。
そして2014年7月にも福原辰広会長率いる山健組内邦楽会若頭だった吉岡進が岡山・美作市の病院に入院中に拳銃を持って立てこもり、4時間後に病室で自身のこめかみを拳銃で撃って死亡するという事件があった。
姫路在住でもあり、私も吉岡のことは知っている。みかじめ料をめぐって警察が組織犯罪処罰法違反で逮捕状を取り、任意同行を求めていた矢先だったと聞いた。
当初は「わかりました」と捜査員に従うそぶりを見せたそうだが、その直後に突然、拳銃をロッカーから取り出して立てこもったのである。
「もう、やくざ稼業はいやだ!」「捕まるなら死んでやる!」などとわめいて自分の頭を撃ったのである。
病院側にとっては迷惑でしかなかっただろう。
あとで私が調べてみると、吉岡は過去に覚せい剤を常用していたことがわかった。そのためにカネもなく、健康も害してしまい、カタギになったのだと聞いた。
拳銃は「覚せい剤とセット」で所持されている場合が多い。
ヒットマンは覚せい剤で気分を高揚させ、緊張感を維持して標的を狙うのである。
覚せい剤を使わないやヤクザはマジメ
逆に、教唆で逮捕されるのは真面目な男が多い。覚せい剤も使わないので、冷静沈着であり、親分に忠実なのだ。
「出合い頭のケンカ」は誰にでもできるが、長い月日をかけて相手を狙うというのは緊張感を継続させなればならない。これはとても難しい。
吉岡が所属していた邦楽会・福原辰広会長は山一抗争でジギリをかけた(みずから体を張って懲役に行くこと)男であり、一代で財を成している。
四代目山健組では若頭補佐を務めたあと、健康状態の不安もあって、舎弟に直った。舎弟は「隠居」のようなものなのだ(のちに副組長を経て引退)。
福原会長の資金力は姫路随一といわれ、カタギにも人気があった。邦楽会が姫路の裏社会を支配しているといっても過言ではなかったのである。
そして、福原は私の兄弟分だった深山宏光の舎弟でもあった。深山はヘタを打って九州に行き、くすぶって(うだつの上がらない生活を送って)いたのだが、私が姫路に戻れるように手配した。そして、私の舎弟になって義竜会の若頭になることに決まっていた。
だが、このころに私が懲役に行くことになってしまった。深山は私の8カ月の懲役が待てずに、中野会の風紀委員の吉野和利に頼んで中野会に入ろうとしたのだが、中野会長が深山に山健に戻るように諭したのである。深山は中野会長の言うことを聞いて山健に戻り、深山と私の縁は切れた。1993年ごろのことである。
深山はなかなか器量のある男で、神戸山口組若頭だった寺岡修と若いころは兄弟分であった。寺岡は筋を通す侠気と実務能力がほかの団体からも評価されていた(現在は引退)。
深山は寺岡と肩を並べられる、器量のあるやくざだったのだ。
(竹垣 悟/Webオリジナル(外部転載))
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