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なんと25種類の揚げたて天ぷらが...市場から取り寄せた魚介がウリの「立ち食い蕎麦 酒処 稜(かど)」は天丼も豪華だった!

文春オンライン / 2025年2月11日 11時10分

なんと25種類の揚げたて天ぷらが...市場から取り寄せた魚介がウリの「立ち食い蕎麦 酒処 稜(かど)」は天丼も豪華だった!

6年ぶりの綾瀬駅

 2024年12月7日、JR常磐線、綾瀬駅東口にひっそりと立ち食いそば屋がオープンした。改札を出て直進すると水色のゲートが目印のLietaという高架下の商店街がみえてくる。そこに入り歩いていちばん奥の左側にある「立ち食い蕎麦 酒処 稜(かど)」という店である。

 ボーカリストの友人から「稜は天ぷらのメニュー数がすごいです。現在、天ぷら全制覇をチャレンジ中。約2か月で半分くらい食べましたがまだまだあります。おいしいです。是非」と連絡が入ったのだ。これは取材に行かねばならない。1月最終週の平日にさっそく訪問してみることにした。

 綾瀬駅に降り立つのは6年ぶりだ。駅に到着したのは午前10時頃。ラッシュ後で改札あたりは人がまばらだ。すぐにLietaがみえたので直進するとすぐに発見できた。入り口はあまり大きくなくひっそりとしている。

 入るとL字カウンターとその右に椅子付きのカウンターが並ぶ。すぐに店長の坂野和由さんが笑顔で迎えてくれた。朝の混雑が一通り終わって、仕込みの合間の訪問となった。

アツアツでつゆのうまさが堪らない「春菊天そば」

 人気のそばメニューを聞くと「げそ天そば」「紅生姜天そば」「春菊天そば」というので、「春菊天そば」を券売機で購入し注文した。

 厨房ではたくさんの天ぷらを揚げているところだった。しかもどれも大きく揚げ具合が躍動的で美しい。「天ぷらは3~4つくらいずつ揚げていて、昼になるとすぐになくなってしまうので、いつも注文の都度揚げに近い状態になっている」とのこと。期待が膨らむ。

 1分もかからないうちに「春菊天そば」が完成した。まずつゆをひとくち。これがアツアツでやけどしそうになる。そしてつゆのうまさが堪らない。出汁はかつおの本枯れ節の厚削りとうす削り節、鯖節、宗田鰹節をふんだんに使っている。

 返しもビシッと決まっていて濃い目の江戸のつゆだ。春菊天は適度な大きさにカットしたものをかき揚げ風に仕上げたタイプで香りがよく、ころもとのバランスがよい。ふわっさくっとしていてつゆにほぐれていく。そばは埼玉の大手製麺屋の茹で麺だが、コシもあり量も多い。これはバランスのよい一杯だ。

天丼は3種類でどれも具沢山

 ぐいぐい食べ進んでいると坂野店長が「うちは天ぷらが多いので、天丼もおすすめです。ミニ天丼セットはよく出ます。天丼だけでも3種類あるんです」と教えてくれた。

 目の前にあるメニュー表をみると、たしかに「ミニ天丼セット」の他に「天丼」、「上天丼」、「かき揚げ丼」がそろっている。テイクアウトの利用も増えているそうだ。最近、天丼セットにハマっているのでこれは注文しないわけにはいかない。そこで「天丼」を追加注文してみた。

 到着したどんぶりをみてびっくりした。「天丼」にはエビ天、イカ天、魚の天ぷら(今日はキス天)、そして野菜天(ピーマン天)、沢庵2切れがのっている。豪華絢爛などんぶりだ。どんつゆはごはんと天種にしっかりとかけられていて濃い目の味付け。ピーマン天を食べると下に隠れていたきす天が現れる。なんか嬉しい。きす天もカラッと揚げられている。

 ちなみに「上天丼」は「天丼」の具にほたて天が追加される。「かき揚げ丼」はエビ、イカ、ほたて、玉ねぎの海鮮かき揚げがのる。「ミニ天丼セット」のどんぶりは「天丼」のアタマに半ライス。

なんと天ぷらは25種類

 食べながらメニュー表をじっくり眺めてみた。いったい天ぷらはいくつあるのだろうか。

 メニューの右上から調べていくと、竹輪天、いか、天ぷら(かき揚げ)、紅生姜、ゴボウ、春菊、ゲソ天、海老天、海鮮かき揚げ、天ぷら玉子、かぼちゃ、ピーマン、さつま芋、人参、舞茸、レンコン、ナス、桜エビ天、ホタテ天、穴子天、ジャンボゲソ天、ナス納豆天。

 さらに別メニューで、ブロッコリーの天ぷら、きす、めごち、ハゼ。なんと25種類もの天ぷらがそろっている。天ぷらがこんなに種類がある店は板橋区役所前「えんば」か、ここくらいではないだろうか。友人は15種類制覇して残りは10種類。あと1か月以内で全制覇できる予定だとか。

 特徴的なのは、魚介類の天ぷらが充実していることだ。それを坂野店長にたずねると、キラッと目を輝かせて教えてくれた。実は店のオーナーが地元の名士で足立市場の魚屋と古い付き合いがあってそこから新鮮なネタを仕入れているとのこと。また坂野店長は長年和食の料理人として活躍してきたので、魚の仕込みや天ぷらはお手のもの。どんどん天種が増えているとか。

「マイ天丼」を作る裏技あり

 さらに立ち食いそば屋ならではの粋な天丼を注文する裏技があるという。それは自分好みの天ぷらを選んで「マイ天丼」を作ってもらう方法だ。まず、券売機で好きな天ぷらを選び、ライスか半ライスを選んで天丼でと注文する。

 ということは、ゲソ天と半ライスの食券を渡せば「ゲソ天丼」が頼めるわけである。

 天丼を食べた後で満腹だったのだが、そんなことは言ってられない。さっそくゲソ天丼を発注することにした。すると坂野店長は半ライスに丁寧にどんつゆをかけて、さらにゲソ天をのせてさらにどんつゆをかけ回して完成だ。夢にまでみた「ゲソ天丼」の登場だ。

「一由そば」や「六文そば」にゲソ天はあるが「ゲソ丼」はないのである。こちらのゲソ天はコリッコリのゲソと玉ねぎが入ったタイプ。両者の食感の違いがすばらしい。どんつゆもあまく濃い目でもう箸が止まらない。

居酒屋メニューも充実

 坂野店長も店のオーナーも大のそば好きだそうで、幾度となく相談して開業にこぎつけたという。無休で朝7時から夜10時まで営業する。バイトや従業員はすべて知り合いを採用し信頼できるスタッフをそろえたという。今後は居酒屋メニューを充実させていく予定だとか。「出汁巻き玉子も関東風と関西風を用意してます。天ぷらは注文後揚げたてで提供しています。是非、お越しください」と熱いメッセージをいただいた。

 店名にそばの語源である「稜」という漢字を付けたのには、初心を忘れない様にという思いがあったからだそうだ。20分の滞在で「春菊天そば」に「天丼」、「ゲソ天丼」と食べてしまったが、油切れのよい大きめの天ぷらは圧巻で爽やかな食後感だった。

 昼過ぎからはつまみのメニューも充実している。次回の訪問では、海鮮かき揚げを使った「かき揚げ丼」と「ナス納豆天そば」を食べようと思う。うまい天ぷらとそばに酒を楽しめる「稜」に毎日通える綾瀬駅利用者が本当に羨ましい。

INFORMATIONアイコン

立ち食い蕎麦 酒処 稜(かど)
住所:東京都足立区綾瀬3-1-16
営業時間:7:00~22:00
定休日:不定休

(坂崎 仁紀)

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