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恋人の殺害容疑をかけられた男性の裁判で「事件が起きた日にその場にいた?」「鹿が車に衝突したと思い込んでたが…」陪審員が抱えていた“衝撃の秘密”

文春オンライン / 2025年2月1日 17時0分

恋人の殺害容疑をかけられた男性の裁判で「事件が起きた日にその場にいた?」「鹿が車に衝突したと思い込んでたが…」陪審員が抱えていた“衝撃の秘密”

 御年94歳、クリント・イーストウッドの監督引退作とも囁かれる映画『陪審員2番』がひっそりと配信公開された(U-NEXTで独占配信中)。日本では劇場公開は無く、米国でも50館以下の限定上映だという。2度のアカデミー作品賞・監督賞に輝いた巨匠の最新作としてはなんとも寂しい扱い。これも時代の流れか。だが、監督41作目となる本作も衰えを見せず、切れ味鋭い名作を生む手腕は健在だ。

 本作のテーマは「正義の危うさ」だ。身重の妻を持つ主人公ケンプはどこにでもいる善良な一市民。彼はある日、裁判の陪審員に選ばれる。被告人の男は素行も悪く、恋人を殺害した容疑で殺人罪に問われている。ここまではよくある法廷劇だが突然、主人公と観客は思いもよらない状況に立たされる。事件当夜のバーの回想シーンになぜか陪審員のケンプの姿が。まさか事件が起きた日にその場にいた? その日、被告人と恋人は些細なことで口論となり、彼女は店を飛び出した。外は土砂降りの雨。一方、ケンプも遅れてバーを後にし、視界が悪い夜道に車を走らせた。刹那、車体に衝撃が走る。何かが車にぶつかった。法廷では小川に突き落とされ無残に命を落とした被害者の姿が映される。ケンプはあの夜、鹿が車に衝突したと思い込んでいた。だが、真相は自分が彼女を突き落としたのかもしれない……。

 陪審員が真犯人という衝撃的な設定。この実に映画的な仕掛けを最少の手数で見せる監督の職人技は圧巻の一言。

 冒頭から主人公と観客が秘密を共有するスリリングな展開。実はケンプにはアルコール依存症で飲酒運転事故を起こした前歴があった。当日は酒を飲まずに店を後にしたが、果たして誰がそれを信じるだろうか。弁護士からは危険運転致死か重罪謀殺で終身刑の可能性があると告げられる。

「名乗れば人生は破滅する」

 正義とは何か? 重い問いが1人1人に投げかけられる。

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『陪審員2番』
https://video.unext.jp/title/SID0160686

(佐々木 健一/週刊文春 2025年2月6日号)

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